• ならきょういくだいがくふぞくちゅうがっこう
  • 奈良教育大学附属中学校

  • Junior High School Attached to Nara University of Education
  • 種別 地区
  • 主な活動分野減災・防災, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)

ユネスコクラブ2023

ユネスコクラブの文化祭発表

所在地 〒630-8113 奈良県奈良市法蓮町2058-2
電話番号 0742-26-1410
ホームページ http://jhs.nara-edu.ac.jp/
加盟年 2008

2023年度活動報告

活動分野

生物多様性, 減災・防災, 気候変動, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, 貧困, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)

「生徒が主体となるユネスコスクール活動を目指して」

1.はじめに

本校は2006年からESDの理念に基づく学校づくりを標榜し、学校の教育活動全体でESDを具現化するべく取り組んでいます。2008年にユネスコスクールに加盟し、大学とその3附属校園全てがユネスコスクールであるという全国的にもユニークな存在となっています。生徒に、自主・自立・自治の力を育むことを旨とし、生徒が主役の学校づくりをおこなっていることに加えて、2021年から創設したユネスコクラブにおいても、生徒の主体的な活動を尊重し、その活動を学校全体で共有し、生徒が主体のユネスコスクールとするためのリーダーを育んでいきたいと考えてます。ホールスクールアプローチの手法で授業だけではなく、特別活動や部活動、PTA活動など、学校教育活動全体でESDに取り組んでいます。古都奈良の文化財に囲まれた歴史のある地域の特性を活かしたESD活動を行っています。

日々の学校の様子は、ブログ「附中の小窓」にて配信しています。

https://futyu-komado.blogspot.com/

https://www.nara-edu.ac.jp/JHS/

2.今年度の取り組み

①学習カリキュラムについて
(1)古都奈良をフィールドとし、人々と出会いながら地域の課題を学ぶ「1・2年生合同奈良めぐり」の実施(2017年から実施)

・1・2年生を7つの異学年縦割りグループに分け、1・2年生の教員とグループリーダーの生徒らが、古都奈良の地域をフィールドにした社会課題解決や持続可能性を学ぶコースを立案し、学習を組み立てる。

例年多くの組織や施設・人の協力をいただき、創意工夫を凝らしたコースが実施されている。本年度は50を超える施設・人の協力をいただくことができ、教室では学べない社会的な課題と向き合うことができた。

(2)各学年ごとに、奈良の世界遺産を中心にした「奈良めぐり」を実施した。

(3)ESD入門講座の実施

・「ESD入門講座」を1年生を対象に、奈良教育大学のESD・SDGSセンター長の中澤静男教授からご講演いただいた。

(4)九州熊本水俣修学旅行の実施

・3年生の修学旅行では熊本の水俣を訪れ、水俣病の歴史的な経緯から公害問題について詳しく学びつつ、環境モデル都市としての環境保全活動などを学ぶことを通して、人と環境や経済の関係について深く考える取り組みを行った。

(5)ESD-NETグローバルミーティング会合に本校教員と生徒2名が参加し発表を行いました。

ユネスコの第1回ESD-NETグローバルミーティング会合のジャパンセッションにて、「1・2年合同奈良めぐり」の学びについて発表する機会をいただきました。

②ユネスコクラブの活動の本格化(3年目)
一昨年度春に、本校でのユネスコ活動の中心となるべく、ユネスコクラブを創設しました。三年目を迎える今年は、活動の幅を学校内から地域社会へと広げながら、たくさんの方とのつながりを大切にして活動を続けています。徐々に地域の方にも認知されてきたため、様々な取り組みにお誘いいただいたりしています。
(1)アースデイ奈良への参加(2年目)
・昨年度に引き続きアースディ奈良に参加しました。今年はブースを出店し、「Tシャツエコバッグ体験」と「どんぐり工作」体験を行いました。当日は天気も良く、アースディを目当てに来られた方だけでなく、旅行中の外国人も来てくれたりしてとても盛り上がっていました。

(2)Tシャツエコバッグづくり
・昨年に引き続き、古着のTシャツを用いてエコバックを作成しました。作品を校内に展示して他の生徒たちにもエコへの関心を高めてもらうようにしました。

(3)アクアポニックスの設置
・水耕栽培と養殖を掛け合わせた次世代型の循環型農業技術であるアクアポニックスを簡単に再現した水槽を校内に2つ設置しました。メダカを飼い、飼育水で植物を育てる仕組みになっています。

 

(4)奈良文化財研究所バックヤードツアーへの参加
・奈良文化財研究所と共同で行った学習プログラムです。県内で発掘された土砂から遺物を洗い出す作業や年代の特定方法や文化財保護について、学芸員の方から直接お話を聞きたり質問をしたりしながら学習を深めました。

(5)煌星祭(文化のつどい)でのユネスコクラブの展示
・文化系クラブの発表を一堂に会して行う「煌星祭」で展示発表を行いました。日頃の活動内容のポスター展示の他、不要なダンボールや包装紙を利用して「SDGsビッグロゴ」と「SDGsゲーム」を作成し展示しました。

(6)奈良市「あつまれエコキッズ」への参加
・奈良市主催の環境を考えるイベント「あつまれエコキッズ」に奈良教育大学ユネスコクラブと共同参加し、生物多様性について考えるワークショップや靴下の廃棄わっかを使ったボトル・ホルダー作りを行ったりしました。多くの方に体験や見学をしてもらえました。

③その他の活動

(1)ACCU日韓交流プログラム(2年目)

・ACCUが主催する日韓交流プログラムに昨年に続き参加しました。韓国のイルシン中学校と5回にわたりオンラインで交流をしました。

日本と韓国の文化についてお互いに発表しあったり、オンラインの掲示板を活用して情報交換を行ったりしました。中学生らしくお互いの生活や文化を理解しあうことができました。

(2)森林生態系から考えるESDワークショップへの参加
・自然環境の保全や野生動物と人との関係のあり方を学ぶために、奈良県の大台ヶ原に1泊2日で出かけました。奈良県の林業の課題や今後の展望について学習を深めた。

(3)本校教員に対して「奈良教育大学主催のESDティーチャープログラム」への参加奨励した。

(4)「コキアプロジェクト」の実施

・奈良教育大学幼稚園と奈良教育大学ユネスコクラブと共同し、コキアプロジェクトを実施しました。お互いに苗から栽培したコキアをつかって手箒を手作りするプロジェクトです。

(5)環境省「環境教育動画100選」に本校の「学校の机の天板が県産のスギになるまでのストーリー」が選ばれました。

・この動画は、ユネスコクラブと有志が奈良県黒滝村にて林業の持続可能性についての現地学習の経験から、奈良県材の地産地消を目指して机の天板を奈良県産のスギ材で作成し、生徒やPTAの協力でDIYにて交換作業を行った取り組みをまとめたものです。ESDの学びが生徒の行動化に繋がった事例として評価されました。

http://eco.env.go.jp/jissendoga/kokai/

来年度の活動計画

引き続き、学校のどの教育活動においてもESDに取り組む「ホールスクールアプローチ」を進めていきたいと思っています。地域で学ぶ奈良めぐりや3年生修学旅行で行った水俣での学習を通じて、地域の実情や課題を知る段階で終わるのではなく、さらに具体的に自分たちで何ができるかを考え、実際の行動に移していくことまで追求するような活動にしたいと考えています。また幼小中の3附属校園において、12年間を通して育てたい子ども像を一本化し、奈良教育大学三附属ESDカリキュラムを作成していきます。

過去の活動報告