ASPnetとは

「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、
人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。」
(ユネスコ憲章前文)

“Since wars begin in the minds of men,
it is in the minds of men that the defences of peace must be constructed.”
(Preamble to the UNESCO Constitution)

これは、1945年11月16日に採択されたユネスコ憲章の前文です。人種差別主義と反ユダヤ主義が台頭した世界大戦への反省から、平和は対話と相互理解に基づき、人類の知的及び倫理的連帯の上に築かねばならない―この精神に則り、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)は1946年11月4日に誕生しました。


ASPnet (Associated Schools Network)は、このユネスコの理念を学校現場で実践するために1953年に発足した、国際的なネットワークです。加盟校同士が活発に交流し、生徒間・教師間で情報や体験を分かち合い 、地球規模の諸問題に若者が対処できるような新しい教育内容や手法の開発、発展が目指されています。

15か国33校からスタートしたASPnetは、その後、世界最大規模の学校ネットワークとなるまで成長し、近年では世界182か国で12,000 校以上がASPnetに加盟して活動しています。

ユネスコスクール年表

日本では、ASPnetへの加盟が承認された学校を、「ユネスコスクール」と呼んでいます。2024年4月現在、国内では1,088校の就学前教育・保育施設、小学校・中学校・高等学校及び教員養成系大学等がユネスコスクールとして活動しており、その加盟校数は世界全体の約一割を占め、多種多様な活動が行われています。

また、加盟申請における国内審査を終え、ユネスコ本部に申請中の(または申請を行う段階にある)学校は、「ユネスコスクール・キャンディデート」と位置づけられ、この時点からユネスコスクールの国内ネットワークに加入することとなります。

※「ユネスコスクール・キャンディデート」に関する詳細は、文部科学省国際統括官付より発出された「(事務連絡)ユネスコスクールの新たな展開についてをご参照下さい。

ユネスコスクールの使命

ユネスコスクールは、ユネスコの理念や目的を学校のあらゆる面(組織運営や授業、プロジェクト、経営方針など)に位置づけ、児童・生徒の「心の中に平和のとりでを築く」ことを目指しています。また、ユネスコが提唱する教育理念、『学びの4本柱』を重視しています。

ユネスコスクールの目的と活動テーマ

  • ユネスコ憲章と国連憲章に通ずる理念として、基本的人権、人間の尊厳、ジェンダー平等、社会的進歩、自由、公正、民主主義、多様性の尊重、国際的な連携などを推進すること。
  • ユネスコの任務である教育・文化・科学・コミュニケーションの分野における平和のための国際協力に資する「アイディアの実験室」として、組織や人材の能力開発と政策やモデルの構築に貢献するために、国際間・地域間協力を進めること。
  • 斬新で創造的な教育手法を開拓し、グローバルな概念を学校レベルの実践に落とし込んで実験的機能を果たすことにより、教育制度や政策の変化を促すこと。
  • 国際ネットワークの一員として、同じような志を持つ世界中の学校と知見を共有し、パートナーシップを育むこと。
  • 国際社会の構成員であるという意識を持ち、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献すること。特に、SDGsの目標4(教育)に関連して、以下のテーマに重点的に取り組むこと。
  • 地球市民および平和と非暴力の文化 (Global citizenship and culture of peace and non-violence)
  • 持続可能な開発および持続可能なライフスタイル (Sustainable development and sustainable life style)
  • 異文化学習および文化の多様性と文化遺産の尊重 (Intercultural learning and the appreciation of cultural diversity and heritage)

文部科学省及び日本ユネスコ国内委員会では、ユネスコスクールを持続可能な開発のための教育(ESD)の推進拠点として位置付けています。詳細は、国内の指針として2012年9月に定められた「ユネスコスクールガイドライン(通知本文)」 をご参照下さい。

ユネスコやESDについて日本語でより詳しく知りたい方は、日本ユネスコ国内委員会のウェブサイトをご参照下さい。

また、日本ユネスコ国内委員会事務局では、ユネスコスクールについて分かりやすく説明するためのガイドブックを作成しています(『ユネスコスクールガイドブック』ESDの活動を通じて創る未来)。本ガイドブックは、ユネスコスクール関係者やユネスコスクールに関心のある方を主な対象として、平和な社会の構築を目指すユネスコの理念の実現や、持続可能な社会の創り手づくりであるESD(持続可能な開発のための教育)の推進拠点として活動しているユネスコスクールについて理解を深め、活動する際の参考となるように、ユネスコスクールに関する基本的な情報、実践事例、及びサポート情報等を盛り込んだ冊子です。ぜひご一読ださい。 

ユネスコスクール加盟のメリット

  • 国内外の学校間交流・連携の活性化
  • ユネスコが主催する国際会議やプロジェクトへの参加
  • 教育実践に関する最新の教材や情報の入手
  • 国内のユネスコスクール対象の研修会等への参加
  • ユネスコスクールサポーターズからの活動支援や指導助言
  • 国内および国際的な加盟校専用ポータルサイトでの情報発信や交流
  • ユネスコスクールロゴの使用

ユネスコスクールサポーターズ

ユネスコスクールへの加盟資格と継続条件

公立私立を問わず、ユネスコの理念に沿った取組みを継続的に実施している、就学前教育・保育施設、小学校、中学校、高等学校、技術学校、職業学校、教員養成系大学が加盟できます。

加盟申請、審査、認定および認定継続に際して会費などの料金は発生しませんが、加盟校には、以下を含む積極的な活動が求められます。

  • 国内委員会に年次活動計画・報告書を提出する
  • 国際連合が定める「国際デー」を記念する活動を、毎年少なくとも2回は実施する
  • ユネスコまたはナショナルコーディネーターが実施・提案する活動に積極的に参加する
  • ユネスコスクールとしての活動を、国内外に向けて積極的に発信する

ユネスコスクール加盟校定期レビュー
ユネスコの制度においては、メンバーシップ期間(3~5年)が導入され、各国が定める必要な条件が満たされた場合に、同期間(更に3~5年)更新が可能とされています。日本では、各加盟校の活動の質を担保するとともにユネスコスクール間のネットワークの強化、及びESDの推進を図ることを目的として、令和4(2022)年度より、ユネスコスクール加盟校の定期レビューを導入しています。レビューを通じて、これまでの活動を振り返り、今後の活動の参考とすることができるよう、必要に応じて有識者による助言や意見交換等を実施しています。

 
詳細は、ユネスコ発行のUNESCO Associated Schools Network: Guide for Members(英文)「ユネスコスクール:メンバーズガイド」(和文/仮訳) をご参照下さい。
注)「Guide for Members」はユネスコ本部が発行し、「メンバーズガイド」もそれに準じて仮訳したした資料のため、一部国内の状況に即していない記載があります。

※統廃合等によるユネスコスクールおよびユネスコスクール・キャンディデートの加盟継続については「ユネスコスクールの統廃合等について をご覧ください。