2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 人権, 持続可能な生産と消費

1.ユネスコクラブの創設

念願であった、生徒たちのユネスコ活動の中心となる母体を創設しました。現在の部員は15名で、他の部活動と兼部している生徒も多いですが、身近な活動や楽しい活動から始めて、学校全体に少しずつユネスコ活動の輪を広げていってくれることを期待しています。

①奈良教育大学にもともとあるユネスコクラブの学生から、活動の方法についてレクチャーを受けました。

②古着のTシャツを再利用して、Tシャツエコバッグづくりをしました。

③校内の裏山に落ちているドングリの実や小枝を利用して、トトロのミニチュアをたくさん作りました。附属幼稚園の園児たちにプレゼントする予定です。

④京都にある都エコロジーセンターに招かれて、グリーンコンシューマーに関する中学生向けの学習講座の受講モニターとなりました。

⑤奈良県黒滝村の林業組合の協力を得て、オンラインで林業の実際について事前学習し、後日現地へ赴き、杉の大木の伐採見学をし、組合の方から林業や森林についての話を聞きました。

⑥近畿ESDコンソーシアム成果発表会・実践交流会に参加し、これまでの活動と学習成果についての発表を行いました。

    

2.1・2年生合同奈良めぐりの実施

今年度で3回目となる、地域探究学習である「奈良めぐり」を1・2年生合同で行ないました。2年生が主導的に企画・運営し、1年生を先導するようにしています。1年生は翌年自らが企画・運営する立場となることにより、この取り組みが深まっていくこととを意図しています。今年度実施したコースは以下の通りです。毎年、新しいコースが開拓されています。

  1. 「大仏鉄道からみたこれからの交通」コース…大仏鉄道の遺構をめぐりながら、これからの社会にふさわしい持続可能な交通手段について考えました。
  2. 「奈良の水産業⁉」コース…大和郡山市の金魚の養殖の現状を把握し、コロナ過においてどのように困難に立ち向かい、今後金魚養殖を持続・発展させようとしておられるのかについて学びましだ。
  3. 「~働く先輩のすがた、身近な世界遺産~」コース…実際に働く先輩の姿を見て、働くことについての意味を考え、ねがいを持ちたいと考えました。また、奈良の文化財が長い間大切にされてきた意味を知り、奈良の自然にも関心を持てました。
  4. 「春日山をシカが喰う⁉」コース…春日山を実際に歩き、自然を保護する立場にある方からのお話や実際の状況を見て、シカの食害の状況やそれに関わる問題について学びました。また、春日山を歩きながら外来種を駆除、調節することを通して、自然環境への影響と人為的な駆除の難しさを体感しました。
  5. 「めためた大和郡山市をしろう!」コース…大和郡山市の郷土史、郡山城の歴史、稗田環濠集落、古事記、稗田阿礼などでの学習を行いました。
  6. 「万大帳2021~伝統と歴史 が息吹く東向北町の未来を想う~」コース…奈良町の過去の暮らしぶりに思いをはせ、町をブラブラ歩きながらそこで出会う地域の人たちにインタビューを行い、現在の営みを知りました。また、出会った人たちの営みや地域の実態を踏まえて、現在の「ならきたまち」ぶらりマップを作成するための材料を集めました。さらに、地域の「人たち」や「もの」や「こと」との出会いを通じて、将来のきたまちのあり方を考えました。
  7. 「やるシカない!~鹿との幸せな共生をめざして」コース…大学の講堂で、鹿の問題について学んだ後、午後は飛火野までのフィールドワークを行い、奈良の歴史にまるわる専門的な内容について学習しました。
  8. 「観光とホスピタリティ」コース…このコースでは、奈良公園を中心に、自分たちで考えたテーマに基づき実際に歩いてみることで、奈良の魅力を再発見・発信したと考えました。観光業に携わる方から直接お話を聞き、コロナ禍での観光の課題やあり方について学んびました。

3.ESDティーチャープログラム

今年度、奈良教育大学附属小学校で行われた「現職教員対象ESDティチャープログラム」に、本校教員から11名が参加しました。そのうちの5名は今年度ESDマスターを目指しています。今後は、本校に所属する教員の80%がESDティチャーの認定を受けていることを目指していきたいと考えています。

4.教員によるESD関連の発表

①奈良教育大学 学ぶ喜び・ESD連続公開講座 「中学校家庭科の実践:食生活からエシカル消費を考える」

②近畿ESDコンソーシアム成果発表会・実践交流会 「ESD道徳について」

③奈良教育大学三附属校園交流会 「1・2年生合同奈良めぐりについて」「卒業研究について」

来年度の活動計画

引き続き、学校のどの教育活動においてもESDに取り組むホールスクールアプローチを進めていきたいと思っています。また、奈良めぐりなどの活動において、地域の実情や課題を知る段階で終わってしまっている現状から、さらに具体的に何ができるかを考え、実際の行動に移していくことまで追求する活動にも取り組んでいかねばならないと考えています。さらに今後の目標として、奈良教育大学にある附属幼、小、中のおいて、12年間を通して一本筋の通ったESDカリキュラムを設定できるよう、今まで以上に3つの附属校園が一致協力していきたいと考えています。