所在地 | 〒221-0051 神奈川県横浜市神奈川区幸ヶ谷1-1 |
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電話番号 | 045-441-3170 |
ホームページ | https://www.edu.city.yokohama.lg.jp/school/es/kohgaya/ |
加盟年 | 2013 |
2023年度活動報告
生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, 貧困, その他の関連分野
本校では、生活科・総合的な学習の時間を中心に地域や企業等に多くつながりをもって学習を展開している。以下、代表的実践例を3つ取り上げる
1 代表的な実践例
① 2年生「生活科」
「ぐんぐんそだて!おいしいサツマイモ!」
学校花壇で育てるサツマイモの育成を通して、子ども達は地域とのかかわりを深め、サツマイモそのものへの愛着を深めた。
サツマイモの育成と食事にあたっては、地域の農園や学校調理員、また苗を譲り受けた外部講師などとの協力を頂き、特別授業も繰り返し行った。子ども達は育成の工夫を学ぶだけでなく、実際の調理のアイディア出して実践したり、オリジナルの歌を作ったりと意欲的に活動を行い、学習は大きな展開をみせた。
②4年生「総合的な学習の時間」
「海水槽大人気プロジェクト」
本実践では、本校内に数年前からある海水槽に、自分達で取ったり釣ったりした生き物を海水槽に入れることで、色々な人が魚の面白さや生態に興味をもち、海水槽を大人気にするという目的のもと、学習を深めた。
活動では、高島水彩線公園や横浜港湾空港技術調査事務所にて、干潟体験や釣り活動を通して、横浜の海の豊かさや生き物の魅力を感じる姿が見られた。また、海水槽にたくさんの魚を入れたせいか、海水槽の魚が全滅してしまい、その失敗を2度と起こさないように、原因と対策を調べ、魚を入れる数や種類を話し合った。
さらに、クラスで海水槽を作ったり、学校内の海水槽に入れる生き物をもらったりと、実践している。様々な大人の人達に海水槽の環境整備方法やどのくらいの生き物を入れたらよいかなどを教えてもらいながら学習を深めていくことができた。
③6年生「総合的な学習の時間」
「幸ヶ谷の歴史幻灯を映し出せ!~神奈川宿名物『亀の甲せんべい』をこのまちにもう一度~」
本実践では、「SDGs11住み続けられるまちづくり」をテーマに、神奈川宿跡が学区に拡がるまちの魅力の発信を目指した。まちの歴史を調べる中で、江戸時代からこのまちにあった名物「亀の甲煎餅」を最後につくっていたお店が14年前に閉店してしまったことに、子ども達は目を向けた。「地域が懐かしさを感じたり愛着が深まったりすることにつながるのでは」と、型を見つけ、レシピを調べ、名物復活に挑むことができた。
区役所や神奈川宿盛り上げ隊とともに企画した「神奈川宿フェス」では、300枚の亀の甲せんべいを販売した。子どもたちはアンケートの声を聞き「地域の人の心の変容」を感じるとともに、自分たち自身がまちへの愛着を深める変容を体現することができた。
2 ESDの価値を引き出すために
本校の重点研究について
本校では、「自分 友だち 社会の幸せをつくる 子ども」との学校教育目標を掲げており、ESDを柱に学校教育目標の達成に向けて力をつくしてきた。特に、総合的な学習の時間、生活科の実践においては、長年にわたって積み重ねてきた経緯があり、その成果は内外に高く評価されている。
本年は、近年積み重ねてきた「リフレクション研究」を引き継ぎながら『効果的なリフレクションをベースにした問題解決的な学習の充実~誰ひとり取り残さない社会の創り手の育成を目指して~』というテーマで行っている。
研究にあたっては、3つのion(イオン)というものを視点として共有している。具体的には、Question(問いの質)、Communication(協働的な学び)、Reflection(振り返り)である。
また、研究を進めるにあたり、資質能力の育成を行っている。毎年、資質能力表(表)を作成し、年度途中にワー クショップ形式で見直す時間を設けており、職員からも効果的であるとの肯定的な意見が多く出ている。3つのionも資質能力表も、学校教育目標を達成するために、大切な視点であり、ESDを具現化したものであると考えている。
3 ESDに取り組むことによって引き出すことができた価値
本校ではリフレクション実践に取り組み始めてから、協同的な研究会の在り方を模索してきた。また毎年、全職員が参加しての業務の見直しの研修会を設けることで、単なる業務改善でなく職員同士のつながりを意識した運営を重ねてきた。
本年度は、業務改善の必要性を強く感じ、年度途中でも複数回、上記のような取り組みを行った。このように職員から自発的に改善とつながりをつくる機会が生まれたのも、ESDを柱にホール・スクールアプローチで実践を重ねてきた歴史があるからだと考えている。ホール・スクールアプローチ実践は単に学校業務や活動をESDの視点で捉え直すだけでなく、職員同士のつながりや同僚性を高める価値があるのだと考えている。また、本校の児童の変容の課題として行動変容まで至る児童とそうでない児童の差がある。こうした課題の克服に向けて、授業実践においても子ども同士のつながりや協同性を高められるよう引き続き実践を重ねていきたい
来年度の活動計画
次年度も、ホールスクールアプローチの実践を通して学校全体にESDの価値を浸透させながら、地域と共に持続可能な学校づくり、そして変容に向けて取り組む。
なお、具体的に以下の2つの視点を重点的に実践していく。
・授業改善
教員の授業を学級経営と一体になって改善していく。特にESDの視点を取り入れた授業実践を日常的に行うことで、持続可能な学校づくりにつながる授業実践を行う。
その具体策としてリフレクションを取り入れた研究会の改善に取り組む。単に欠点を指摘し合い、手法の改善を目的とした研究会ではなく、協同的なリフレクションをベースにすることで、お互いのつながりを育むような研究会、学校づくりに寄与できる運営を目指していきたい。
・業務改善
「児童にとって幸せな学校は、教職員にとっても幸せな職場でなければいけない」との考えのもと、教職員も共につながり、働きやすい学校づくりを行っていく。単に年度末反省だけを振り返り、改善の場とするのではなく、ESD業務改善部が中心となって、改善案を随時、吟味提案をしながら柔軟な学校経営につながるように行っていく。引き続き、改善に取り組む。また、地域や外部人材からも、学校づくりに対する視点を頂くことで、客観的な視点をいかした業務改善を行っていく。