2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 気候変動, エネルギー, 環境, 平和, 人権, 持続可能な生産と消費, 減災・防災, 食育

本校は、従来の学校で行われていた授業実践や研究会の在り方、また行事や校務の在り方を当たり前とせずに、「持続可能か」「子供にとっても大人にとっても価値あるものか」といった視点で見直しを行った。その際、ESDのホールスクール・アプローチという考えを基本に据えて、実践を学校全体で取り組んできた。 中でも、本校のESD推進部が中心となり、①業務改善②職員室リニュアール③地域と一体となった総合学習の展開の3本を柱に活動を推進してきた。
① 業務改善
上記の①では、本校の業務を「持続可能性」といった視点に立ち、ESD推進部が積極的に話し合いを重ねてきた。しかしながら、ESD推進部のみが活動を進めていく形にならないよう、全教職員から意見の集約をはかり、学校全体で改善に取り組む意識が生まれるよう努めてきた。また、校内の視点のみにならないよう、外部講師をよんでの研修会を開いたり、本校の業務や職員室の状況についてコンサルタントの方からアドバイスをもらったりと、学校外とのつながりを意識した取り組みを実践した。
その中で、ESDの視点を持った研修会や話し合いをすることで、従来あった行事や校務について「昨年度もあったから」「変えるのが大変だから」という思考ではなく、クリティカルシンキングな視点で、本当に「持続可能なとりくみか」「これからの幸ケ谷小にとって必要か」を考えた話し合いを行うことができた。その話し合いを通して改善案を考える中で、「学校を変えよう」という意識が教職員に醸成されていった。
② 職員室リニューアル

本校は、急激な職員と児童数の増加に伴い、職員室が大変に手狭であることが、従来から課題に挙がってきた。職員室は仕事をするのはもちろん、日頃から教職員がコミュニケーションをとり、人間関係を深める場である。その意味では、職員室の環境の在り方は大切な場となるのである。
 そこで、本年度は長年の課題であった職員室の環境のリニューアルに取り組むことになった。リニューアルにあたり、ESD推進部で現状の課題を洗い出し、今後も職員の増減があっても対応可能な持続可能な環境の在り方を検討した。また外部のコンサルタントの方にご意見を伺い、理想的なスペースの在り方を検討した。
 今後、コンサルタントの方を交えて教職員全員で研修を行い、デザイン案を検討する。今年度末をめどに、第一回のリニューアルに具体的に取り組む予定である。

③ 地域一体となった総合学習の展開
総合の授業実践を中心に地域とのつながりを見直し、地域の材に目を向けて「持続可能な幸ヶ谷のまちづくり」に向けて、様々な学年・学級が取り組むことができた。
例えば、本校の地理的な特徴である海を題材にしたマイクロプラスチックの学習や長年地域に根付いている市場の学習、桜の名所である公園の桜の伐採をテーマにした学習などである。学習の展開に当たっては、SDGsの視点をもった展開もされていた。
しかしながら、現状として各学級によってSDGsの視点に対する取り組みに差があるため、今後の課題としたい。

来年度の活動計画

 30年度に実践した上記の3本の柱を継続して取り組む予定である。
①の業務改善にあたっては、来年度も大幅な職員の異動が予想される中で、どこまで「持続可能な」業務の改善が行われていくか、地域の協力も得ながら進められるか、5年後、10年後も根付いていく改善がされていくかが鍵となる。
②の職員室リニューアルでは、単なるスペースの変更という段階から、真に効率があがり、職員のコミュニケーションが活発になる場づくりが求められてくる。その意味で、教職員の意識調査などを定期的に測り、量的にも質的にも効果が上がるのかを見極めていきたい
③の地域一体となった総合学習の展開では、意識変容、価値変容まではいくが、行動変容にまで至らないといった本校の児童の課題を乗り越える授業の展開を目指していきたい。そのためには、より多くの学校内外の人に出会わせること共に、より深みのある価値観を揺さぶる授業の展開が期待される。本校の重点研究部、ESD推進部が中心となり、子どもも大人も本気になる日常からのESDの授業展開を目指していきたい。