2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, その他の関連分野

本校は、従来の学校で行われていた授業実践や研究会の在り方、また行事や校務の在り方を当たり前とせずに「持続可能か」「子供にとっても大人にとっても価値あるものか」といった視点で問い直し、見直しを行った。その際、ESDのホールスクール・アプローチという考えを基本に据えて、実践を授業実践はもちろんのこと学校全体で取り組んできた。実践に当たっては本校のESD推進部が中心となり、展開をしている。主に、下記の2点について報告をする。

①授業研究会

本年度の本校の授業研究会は、「reflection(リフレクション)」をテーマに行った。「リフレクション」とは一般的には振り返り、省察などと訳される。本校ではリフレクションを「問い直し」「見通し」として職員で研修、研究に努めている。主に、自分自身の実践で当たり前と思っていた指導方法や教育観について、子どもと共に実践から「問い直し」を行い、新たな学級経営、授業実践についての「見通し」をもつことを意図している。

さらに、上記のような授業実践を研究協議会で議題にする際に、「協同的なリフレクション」を用いた研究協議会を実践してきた。「協同的なリフレクション」では、従来の研究協議会で課題であった反省を過度に促したり、授業技術の是非に焦点が当たりすぎたりする傾向があった面を見直し、授業者がもつ「問い」を深め、意味を問い直すことで、豊かな子どもの姿に気付き、選択肢を広げることに焦点を当てている。そこに同僚も寄り添い共に問いを深めていくことで、互いに学び、高め合う関係性が築かれていくことを意図しているのである。

つまり、本校では子どもがリフレクションをすることで「持続可能な社会の創り手」へと育成することを目指し、その子供たちの姿を通して教師が「協同的なリフレクション」をすることを通して、力量形成とともに同僚性の向上をねらい持続可能な学校づくりへと寄与することを目指し実践してきた。

 具体的な方法として、外部からの講師を招いて「9つの窓」という手法や「対話的リフレクション」という手法を研究会で用いて職員が研鑽し、自分たちで実践できるようにした。その中で、自分たちで本校独自のリフレクションの在り方を作ったり、協同性を実感したりする声が上がってきた。 

上記についてリフレクションをテーマにした研修や授業実践、研究会を行っていくのはもちろんだが、視覚を通して変容をわかりやすく理解するために、主に以下の3点を行っている。

① 個人テーマのリフレクション

毎回の研究会、研修会のあとには、個々人が決めたテーマ(学級経営の実践、教師としての成長など)について1年を通してリフレクションを行い、言葉に記して職員室に掲示している。日々の忙しい中でも、職員室に掲示した自身のテーマや同僚のテーマについて、目につきやすく日常からリフレクションを促す作用が期待できる。

② 子どもたちのリフレクション

 変容を促すリフレクションの実践に各教員が取り組んでいる。変容の歩みを視覚的にわかりやすくするために、教室の掲示に子どもたちのリフレクションの記述を掲示したり、授業後のリフレクションを定期的にノートに記したりしている。前者に関しては①と同様に、子どもたちの考えや疑問の共有が促進され、後者の実践は自分自身の歩みを認識したり、児童と教員の交流が活発になったりと、日常の授業実践に効果が出てきている

③ 協議会を通しての変容の姿の共有

また授業研究協議会では、従来の協議会とは違ったあり方を職員で経験することで、変容の姿を共有している。前述の「協同的なリフレクション」の実践を行うことで、授業者の変容の姿を参観者が視覚等を通して実感することを目指した。

例えば、ある回では、講師との対話的リフレクションを行った。講師が授業者の内省をうまく引き出しながら対話をすすめる姿を職員で共有することにより、ファシリテーターとしての在り方を学ぶ者もいれば、自己と授業者との思考や視点の違いに気付く者もいた。こうした体験は視覚を通して変容の様子を見るだけでなく、思考も促進される。授業者の内省を通して、参観者自身が内省を深め自己の変容を促していたのである。

以上のように、本校では、ESDの実践を通して、児童、職員の変容の姿が促進されてきた。また、その変容の姿が視覚化を通して共通理解されてきた。上記に記した「リフレクション」を通した実践以外にも、本校では持続可能な学校づくりを目指し、「ESD推進部」が中心となって、学校経営の「問い直し」にも取り組んできた。従来の校務の在り方を「問い直し」することで、昨年度は 40個を超える改善を行ったり、職員室のリニューアルをしたりするなど、その変容の姿は職員のみならず、保護者、地域にも実感が広がっている。

 このようにESDは、従来の当たり前を「問い直し」ながら、持続可能な学校づくりへと発展させる可能性をもっている教育である。今後も、幸ケ谷小学校としてのよさを残しながら、変容を進め学校教育目標の達成に向けて歩みを進めたい。

来年度の活動計画

31年度に実践した下記の2点を継続して取り組む予定である。
・業務改善
業務改善にあたっては、来年度も職員の異動が予想される中で、どこまで「持続可能な」業務の改善が行われていくか、地域の協力も得ながら進められるか、5年後、10年後も根付いていく改善がされていくかが鍵となる。職員室リニューアルでは、課題であったスペースの確保ができた本年度から、真に効率があがり、職員のコミュニケーションが活発になる場づくりが求められてくる。その意味で、教職員の意識調査などを定期的に測り、量的にも質的にも効果が上がるのかを見極めていきたい

・授業改善
地域一体となった総合学習の展開では、意識変容、価値変容まではいくが、行動変容にまで至らないといった本校の児童の課題を乗り越える授業の展開を目指していきたい。そのためには、より多くの学校内外の人に出会わせること共に、より深みのある価値観を揺さぶる授業の展開が期待される。本校の重点研究部、ESD推進部が中心となり、子どもも大人も本気になる日常からのESDの授業展開を目指していきたい。