• よこはまこくりつだいがくきょういくがくぶふぞくかまくらしょうがっこう
  • 横浜国立大学教育学部附属鎌倉小学校

  • Kamakura Elementary School, College of Education, YOKOHAMA National University
  • 種別 地区
  • 主な活動分野生物多様性, 海洋, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 持続可能な生産と消費, 食育

所在地 〒248-0005 神奈川県鎌倉市雪ノ下3-5-10
電話番号 0467-22-0647
ホームページ http://www.kamakurasho.ynu.ac.jp/
加盟年 2012

2023年度活動報告

活動分野

生物多様性, エネルギー, 環境, 文化多様性, 国際理解, 福祉, 持続可能な生産と消費, 食育

本校では、附属鎌倉小学校・中学校の共通の学校教育目標として、「自立に向けてたくましく生きる~夢ふくらませ,心あたたかく,力あわせる~」を掲げており、教職員だけでなく、子供自身も保護者も「自立」を本校のキーワードとして意識しています。「なりたい姿」として自分のめあてを立て、自分で意識し、考えて行動することができているか学期ごとに振り返っています。
ユネスコ委員会が資源回収や募金活動、啓発を行い、ユネスコ活動を推進するリーダー役を担っています。授業や課外活動、児童会活動などを通じて、一人ひとりが身のまわりの問題に対して自分にできることを考え、自分たちで計画して主体的に取り組み、仲間と協力する中で、創造的な活動に発展させていくことを目指しています。

1. ユネスコ委員会の活動

ユネスコ委員会では、生物多様性、環境、福祉の観点から3つの活動に取り組みました。

①ひょうたん池の整備
ひょうたん池の中のヘドロや落ち葉を取り、生物の住みやすい環境を維持できるように取り組みました。生き物にとってどのような環境がよいのか考えながら整備作業を行いました。

令和2年度にユネスコスクールSDGsアシストプロジェクトで助成していただいて設置した藤棚のカズラは茂ってきて、年間を通じて緑が影を作るようになりました。ヒョウタンを安定的に育てるために、今年度末の種蒔きからは、ヒョウタンを栽培・アート活用している地元の方にご協力をお願いする予定です。

②資源回収
・テトラパックの回収
以前から行っているテトラパックの回収ですが、回収の目的や、気を付けてほしいことなどを子供たちがスライドにまとめ、朝会で伝えました。学校給食でたまに出る緑茶や麦茶のパックは開きづらいけれども、紙とアルミニウムのリサイクルにつながり、ベルマークポイントの換算率が高いことを伝えたところ、前よりも開いてくれるクラスが増え、回収率が上がりました。

・鎌倉リサイクリエーション
洗剤やボディケア、ヘアケア、フェイスケア等の詰め替えパックを回収してリサイクルする活動をしている団体に協力し、回収をしています。リサイクル技術が進み、以前のように遊べるブロックへのリサイクルではなく、詰め替えパックそのものに生まれ変わることができるようになったので、その意義を朝会でスライドを使って、子供たちが紹介しました。

・テープ類の巻き芯の回収
テープ類の紙製巻き芯を回収してリサイクルし、緑化活動に協力する活動にも継続して取り組みました。子供たちが活動をスライドにまとめて紹介したことで、テープ類の巻き芯を集めていることが学校全体に伝わってきて、回収率が上がりました。段ボール2箱に詰め込みきれないほどの巻き芯が集まりました。

③募金活動
・赤い羽根募金   ・ユニセフ募金
募金が何に使われるのか子供たちがスライドを作成し、朝会で説明し、理解してもらった上で募金活動を行いました。募金活動をする場所にユニセフ募金のポスターを掲示するなど、活動の意義をPRするなど、工夫しながら活動を行いました。

・書き損じ葉書や未使用切手の回収
書き損じ葉書や未使用切手を集め、換金することで、募金を行うことができ、貧しい国の子供たちが学校に通うことができることを子供たちがスライドにまとめ、朝会で全校に伝え、回収を行い、世界寺子屋運動に寄付しました。

2. クラスで取り組んだ学習の事例
今年度からの取り組みとして、朝会でユネスコスクールとはどんな学校なのか、どのような力を身に着けることを目指しているのかを伝え、各クラス・個人でできることは何か考えてもらうようにしました。学校の研究でも探究・共生をキーワードに学習を進め、子供たちの学び方や身につけてほしい資質能力を話し合いました。各クラス・各教科がそれぞれに実践をしているので、ここでは一例を紹介します。

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①防災×食育
社会科の防災に関する学習と、総合の「命」の学習、食育を繋げ、子供たちが災害時の食・普段の食について考え、学習を深めることができるように、「食べる支援プロジェクト」という活動団体からゲストティーチャーを招いて、被災時の食料支援の実情を教わったり、子供たちの質問に答えていただいたりしました。社会科で学習したことをもとに、総合の「命」の学習で、災害が起こったときのことを支援している方に聞きたいという子供たちの思いに合わせて資料をご用意いただき、写真や資料を見せていただきながら、被災時の実情を学びました。学んだことをもとに、自分の家の備蓄品を見直したり、防災について自主学習を深めたりしていました。また、教わった水の節約ができるパック炊飯で宿泊学習の夕飯作りをしたり、紹介・提供していただいた常温保存の豆腐を食べたりして、学んだことを実践しました。

②福祉
総合の「命」の学習で、命を大切にすることは、ただ生きるだけでなく、幸せに生きることという考えにたどり着いた子供たちはバリアフリーに目を向け、自分たちの周りのバリア・バリアフリーを調べました。自分たちで情報を集めていく中で、当事者にお話を聞きたい・車いすなどを体験して使う人の気持ちを考えたいという思いが生まれました。鎌倉市社会福祉協議会にご協力いただき、視覚障がい・聴覚障がい・肢体不自由などの障害を理解し、みんなが幸せに生きるために自分にできることを考えるために、当事者講師の方々に来ていただいてお話を聞いたり、点字体験や車いす乗車体験をしたりしました。当事者講師の方々にご自分の障がいや生活での工夫、困ったときにどのような助けがほしいかなどを聞いたり、手話や誘導の方法を教わったりして、自分で情報を集めるだけではわからない当事者の声を聞き、思いを知ることができました。

3. ユネスコ活動の校内共有
ユネスコスクールとして各クラスや委員会などで、様々な活動をしているものの、校内でも共有がたりなかったことが課題だったので、「ユネスコインスタ」という掲示板を作り、子供たちが自分たちの活動を全校に紹介できる場を設けました。

4. PTAとの連携
World Teacher‘s DayにPTAの方が子供たちからメッセージを集め、校内に飾るという取り組みを続けてくださっています。PTAの方のご厚意で始まった取り組みですが、国際デーの記念として、ユネスコスクールの活動にも寄与していることをお伝えしたところ、保護者にもユネスコスクールの活動を広めていこうという動きが始まり、学習発表会「鎌小LIVE」に保護者へユネスコスクールを知ってもらうためのブースができました。資源リサイクルの推進や学用品のリユースなど、SDGsを意識した取り組みをし始めています。

来年度の活動計画

2024年度は、ひょうたん池の整備をさらに進め、水質を維持できるようにクリーンエネルギーで動く循環装置を設置することを計画しています。水質の維持だけでなく、身近なところにクリーンエネルギーがあることが子供たちのエネルギーへの関心を高めることになればと思っています。グリーンカーテンのヒョウタンについては不作が続いているので、ヒョウタンを栽培・アートに活用している方にアドバイスをいただき、安定的に育てることができればと考えています。ビオトープとして生き物を眺めることができるようにすると共に、日常生活では、なかなか目にしない植物のおもしろさや多様性に目を向けたり、脱炭素社会への取り組みに関心をもったりする一助としたいです。ユネスコ委員会の子供たちだけでなく、学校全体で自然環境を守るという意識が高まるよう、朝会などで委員会から伝えたり、理科や生活科、総合的な学習などの授業での活用を考えたりしていきます。

今年度は担当教員からユネスコスクールとはどんな学校なのか学校全体に発信しましたが、来年度はユネスコ委員会の子供たちに発信してもらい、他の委員会でも自分たちにできることは何かそれぞれ考え、行動するような学校にしていきたいと思っています。

学校内でそれぞれのクラスが取り組んでいるSDGsに関することを校内・校外に発信して、広げていく活動に引き続き取り組みたいと考えています。校内の「ユネスコインスタ」掲示板の他に、ユネスコスクールの活動を学校ホームページやSNSを利用して、保護者や地域に発信していくことを増やしたいです。学校で子供たちが取り組んでいる活動に保護者や地域の方々が協力してくださり、子供たちが自己有用感を感じながら、社会のために活動していけるようにしたいと思います。

過去の活動報告