2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 食育

本校では、今年度から附属鎌倉小学校・中学校の共通の学校教育目標として、「自立に向けてたくましく生きる~夢ふくらませ,心あたたかく,力あわせる~」を掲げ、昨年度までと同様に自立に向かう子を目指しています。「『なりたい自分』を夢みていますか」という言葉をかけ、目指す姿を自分で意識し、考えて行動することができているか意識させています。ユネスコ委員会を中心にESDに取り組み、子供たちが身のまわりの問題に対して自分たちにできることを考え、自分たちで計画して主体的に取り組んだり、仲間と協力したりする中で、創造的な活動に発展していくことを目指しています。

今年度は生物多様性と環境、福祉の視点から、ユネスコ委員会では大きく分けて以下の2つの活動に取り組みました。

1⃣ひょうたん池の整備と生物調査・藤棚にヒョウタンやカズラを栽培

ひょうたん池の中のヘドロや落ち葉を取り、生物の住みやすい環境を維持できるように取り組みました。昨年度や今年度のはじめに「鎌倉グリーンレンジャー」の方々に教えていただいたことをもとに、生き物にとってどのような環境がよいのか考えながら、整備作業にあたりました。また、昨年度もユネスコ委員会に所属していた子が新しい委員の子に教えるなど、子供同士での教え合いも生まれました。
昨年度にユネスコスクールSDGsアシストプロジェクトで助成していただき、学校ビオトープ「ひょうたん池」の横に藤棚を設置しました。夏に水温が上がり過ぎないように木陰を作るためにツル性の植物としてヒョウタンとカズラを植え、育てました。昨年度よりも植物が増えて、中庭の自然環境が豊かになったことで、自然に興味をもってくれる子や、自然とふれ合ったり、自然の中で安らいだりする場所になってきました。

2⃣ユネスコ委員会の各クラスでPRして取り組んだ福祉・エコ活動

  • 赤い羽根募金
  • ユニセフ募金

募金が何に使われるのか放送やポスターなどで説明し、低学年のクラスにはユネスコ委員会の5・6年生が話をしにいき、理解してもらった上で募金活動を行いました。募金に協力してくれる人を増やすにはどうしたらよいか考え、工夫しながら活動を行いました。

  • 書き損じ葉書の回収
  • テトラパックの回収

書き損じ葉書11枚で貧しい国の子供1人が1か月間、学校に通うことができることをポスターや朝会で全校に伝えて、昨年度に引き続き回収を行いました。
以前から行っているテトラパックの回収ですが、より協力してもらいたいことと、テトラパックでないパックは一般のリサイクルに回すように周知し、活動を進めました。

  • 鎌倉リサイクリエーション
  • テープ類の巻き芯の回収

洗剤やボディケア、ヘアケア、フェイスケア等の詰め替えパックを回収してリサイクルし、遊べるブロックにする活動をしている団体に協力し、今年度から校内での回収を始めました。
今年度からテープ類の紙製巻き芯を回収してリサイクルし、緑化活動に協力する活動にも取り組み始めました。
どちらも初めての活動なので、どのような活動なのか、回収に協力すると、どんなよいことにつながるのかを朝会やポスターで全校に伝え、活動を進めました。

今年度は、農林水産省が国の委託事業として、「子供たちが住んでいる地域の魅力やそこに根付いている食文化への興味を深めてもらうこと」を目的にしたモデル授業を実施する際のモデル校に選ばれ、「わたしたちと和食」というテーマでSDGsについて考える取り組みも行いました。

「もったいないを減らそう」というテーマで総合的な学習を進めていたクラスで、和食についてSDGsの視点で見つめ直し、「わたしたちと和食」のモデル授業を行いました。伝統的な食文化である和食とは何か学び、学校の近所にある建長寺発祥のけんちん汁という郷土料理が落として崩れてしまった豆腐を洗って再利用したことから生まれたということを和尚さんからお話いただきました。その上で、自分たちはSDGsのために何ができるか、和食のよさや、ふだんの給食での実践から考えました。

来年度の活動計画

2022年度は、ひょうたん池の整備をさらに進め、藤棚の植物を増やし、池や中庭に木陰ができるようにして、生き物が住みやすい環境を整えます。多くの生き物が来ることで、生き物や環境への関心が高まり、学校の中の憩いの場・自然と触れ合う場にしたいと考えています。グリーンカーテンのヒョウタンやカズラなど、日常生活では、なかなか目にしない植物のおもしろさや多様性に目を向けたり、脱炭素社会への取り組みに関心をもったりする一助としたいです。

環境問題については自分たちの生活を見直し、リサイクル活動やゴミの減量など、身近な問題について子供たち自身が考えた今年度の活動のよさを引き継ぎ、ユネスコ委員会の子供たちが調べたり、考えたりして、学校全体に発信していき、活動を推進したいと考えています。

福祉分野においては、自分たちの身近なところからできることを考え、一人ひとりの小さな協力が集まって、世の中の役に立つこと、世界を変えていくことにつながることを感じられる活動が増えたので、2022年度も自分たちのしたことがどのように役立ったかを見えるように活動したいと考えています。

2021年度は「わたしたちと和食」のモデル授業をきっかけに、ユネスコ委員会以外の活動をユネスコスクールの活動報告に挙げましたが、今までも総合的な学習をはじめ、ふだんの学習の中でESDに取り組んできていたので、2022年度は学校内でそれぞれのクラスが取り組んでいることを校内・校外に発信して、広げていく活動に取り組みたいと考えています。そのために、ユネスコスクールの活動を学校ホームページやSNSを利用して、保護者や地域に発信していくことを計画しています。学校で子供たちが取り組んでいる活動に保護者や地域の方々が協力してくださり、子供たちが自己有用感を感じながら、社会のために活動していけるようにしたいと思います。