• いちかわしりついなごししょうがっこう
  • 市川市立稲越小学校

  • Ichikawa Municipal Inagoshi Primary School
  • 種別 地区
  • 主な活動分野登録なし

所在地 〒272-0831 千葉県市川市稲越3丁目21番8号
電話番号 047-373-8401
ホームページ https://ichikawa-school.ed.jp/inagoshi-sho/
加盟年 2010

2023年度活動報告

活動分野

食育

本校は、「命 はなまる! かしこく、誇らしく、ねばり強く ~家庭、地域と共にある学校を目指して~」を学校教育目標に、その具現化のために教育活動を推進している。

本校は、ESDを持続可能な社会の創り手を育む機会と捉え、学校教育目標を実現する場としている。

ユネスコスクールが重点的に取り組む4つの能力と3つの態度のうち、「3 多面的、総合的に考える力」「4 コミュのケーションを行う力」「進んで参加する態度」に焦点を当てた食育の取り組みの実践を報告する。

 

【実践報告】「ひとくち食べてみよう」五感で学ぶ食育活動~給食を作る人の存在と調理の様子を知る~

<献立について>

[献立へのこだわり]

調味料やレシピの研究し、積極的に新規の献立を導入する。地場産物を取り入れ、「千産千消」を大切にした献立を立てる。特に今年度は、3年生の「ふるさと探究科」で学んだ稲越地区の梨を献立に入れた。

[はっぴーはなまるランチ]

毎日「はっぴーはなまるランチ」を発行し、地場産物を取り入れた献立を各学級に紹介する。「はっぴーはなまるランチ」には、献立を紹介するだけでなく、配膳の仕方や調理員の思いなどを掲載し、食育活動の一環となっている。

毎月「お話給食」の献立を立てることで、児童が給食に対して興味関心を持ちやすい環境づくりをする。また、本校の研究である国語科とリンクさせることで、児童の学びにも活かすようにした。

 

【お話給食①】

絵本名 「ふたりはいっしょ」

献立名 「がまくんとかえるくんのクッキー」

サクサクとしたチョコチップクッキーにしたいと思い、栄養士が一からレシピを考えた。お菓子はちょっとしたことで失敗しがちなため、調理員のサブチーフも自宅で練習した。

 

【お話給食②】

絵本名 「オムライスかあちゃん」

献立名 「ねがいがかなうオムライス」

絵本と同じく、ふわとろ卵のオムライスにした。栄養士だけでなく、調理員も工夫や研究をかかさないことが児童に食への興味を掻き立てている要因の一つである。

 

【給食掲示板について】

校長室の前、中央階段の途中にある掲示板のため、教室に向かうときに通るところにあるため、児童の目に飛び込んでくる。ここには、調理員が給食を作っている写真を貼っている。給食室の中の様子を6年間知らないまま卒業するのではなく、自分の食べている給食がどの様に作られているかを知ってほしいという栄養士の思いがある。

本校では、自然素材からとる出汁にこだわっており、ほぼ毎日、野菜くずからスープをとっている。この甘味があるスープを使うと、野菜いっぱいのポトフであっても、汁まで完食する児童が増えた。そんな調理員さんの地道な努力を写真で紹介している。

 

【ひとくち食べてみようプロジェクト】

目  的 ・給食に関わる人たちへの感謝の気持ちを育む。

・給食の残菜に目を向けて、食品ロスを無くす意識を持つ。

活動内容 ・自ら感じて行動し、食生活を見直す機会として、給食委員会の活動を中心に取り組んだ。

 

【調理員さんにインタビュー】

[活動内容と計画]

①給食委員会の児童が調理員にインタビュー をして、残菜について考える機会をつくる。

②課題図書になった「給食室のいちにち」を各学級で読み聞かせをする。

③栄養士が授業を行い、活動後に児童の意識や残菜率の変化を調べる。

[インタビュー新聞】

調理員へのインタビュー内容やポスターに載せたい写真については、委員会活動の時間に全給食委員児童が意見を出し合った。意見として多く出されたものは以下の通り。

《児童の意見》

「調理員さんのがんばりと苦労を伝える」「残した給食について考えてもらう」「給食室や調理員さんを身近に感じてもらう」

 

【全校朝会でのイベント告知】

本プロジェクトを全校に広めていくために、全校朝会において告知をした。

本校校長が「『給食費無償化』について、市川市では子供の成長を社会全体で支えるという考えのもと学校給食費を無償化にしている。」ことを話し、その後、栄養士と調理員のチーフが給食についての自身の経験や思いなどを伝えた。

 

【児童の読み聞かせ】

対  象  1年生から4年生(6学級)

担  当  5・6年給食委員会児童(2人で1組)

本来、5年生主体で進めた読み聞かせだが、6年生児童も「自分たちも手伝いたい」と申し出があり、児童の主体性が育ってきたと感じた。

 

【2年生への食育授業】

2年生に行った授業の様子である。この授業は、調理員さんが給食を作る様子を知り、好き嫌いや残菜について考えてもらう内容である。始めに大きな調理用のへらを見せて、実際に触って混ぜてみるという活動を行った。

児童に指導して読み聞かせを行うのは、経験の少ない栄養士が設定するとなると難しいことであったが、給食主任からアドバイスをもらいながら、「このようにすれば児童が理解し、行動してくれるんだな」と多くのことを学ぶ機会となった。

児童を前に集めて、紙芝居「まほうのたべかた」を紹介した。野菜が嫌いでおかわりができなかった「けんちゃん」の話。「まほうのたべかた」というおまじないの冊子を見つけ、一口食べることを続けたおかげで、1年後に野菜が好きになるという内容である。本当は野菜を食べられるようになりたかった気持ち、それが自分の中にもあることに気づいた児童も多数いた。

実際に自分だけの「まほうのたべかた」を作成し、苦手な食べものを書き、オリジナルのおまじないを考える。担任や栄養士に相談しながら、色も塗り、全員が素敵な冊子を作った。また給食を食べるときのポイントとして、「リラックスする」「姿勢をよくする」「しっかり噛む」「どんな音がするか聞いてみる」「味を見つける」など五感で味わうことを伝えた。「今日の給食から、おまじないは使っていいの?」「もちろん!毎日大切に使ってみてね。」というやりとりもあった。

担任からは「きゅうり」が苦手という話から、栄養士の苦手なものも聞かれた。納豆が苦手なことを正直に話し、「でもね、一生懸命作ってくれた調理員さんの前で、一口も食べなかったらどうなるかな?」と問いかけると、児童からは「悲しむ!」「一口はがんばって!」という声があがった。そして、それはお家でご飯を作ってくれている人に対しても同じであることを伝えた。

 

【授業後のアンケート結果】

■2年A組(在籍21名(当日2名欠席))

<苦手な食べ物>

・野菜 ・トマト ・親子丼 ・ピーマン ・肉 ・スコーン ・パプリカ ・ご飯 ・たけのこ ・ゴーヤ

・さといも ・納豆 ・たこ ・なす ・わかめ ・あさり ・牛乳 ・ほとんどない ・えび ・ひじき

(*未記入3名)

<好きな食べ物>

・2色あげパン ・カレー ・おふのラスク ・えんぴつのてんぷえら ・ハンバーグ ・おやこどん ・からあげ

※意外だったもの ・きゅうり ・野菜 ・納豆和え ・レバー ・ガリガリくん ・ナシゴレン

<苦手なものをどうしていたか>

・「全部残す」1名 ・「少し食べてみる」9名 ・「ほとんど食べる」10名 ・「最初から減らす」1名

・「未記入」2名  ※2択児童4名

 

<調理員への感想>

・一生懸命作ってくれているから、がんばって 食べたい。

・残したらがっかりするから、残さないようにしたい。

・毎日大変なんだと思った。

・いろんなものを作っていてすごい!!

・調理員さんのおかげで、みんなが給食を食べ られるんだとわかった。

 

<これから苦手なものは>

・全部食べる(7名) ・一口でも食べる(5名) ・がんばって食べる(4名)

・「まほうのたべかた」で食べてみる(2名) ・一番嫌いなものでもぜったいに一口食べようと思った。

 

【担任の給食指導】

■3年A組(在籍31名)

・思いやりがあり、困っている子を助けられる学級

・1学期は残菜が多く、偏食の児童が多数。

・担任は児童一人一人の性格やペースを考え、食べられない子をみんなで応援して、現在では、全員が完食する日も増えた。

<3年1組担任の給食指導観>

・「食べるって楽しい!」が大前提 ・子どもらしさ、マナー、会話、安心安全をバランスよく

・自分の適量を知る→体格や食体験を加味 ・味見システム ・食べもの=命をいただいて体に入るもの

・お昼の放送は大切な情報源 ・強要はしない ・感謝の心を育てる

 

<「ひとくち食べてみよう」の取組と効果>

・食缶を空にするためのチャレンジ →自分の意志で決める

・チャレンジした人は片づけを始める仕組み

*「サラダは好きな味だったからチャレンジ!」

*「先生、今日のひとくちチャレンジは?」

*「ぼくにもチャレンジできた!」

◎チャレンジが定着し、児童の自信につながっている。

 

【本校の残菜率の推移】

1主食 2牛乳 3主菜 4和え物・サラダ 5汁物 6煮物 7デザート 総計
4

5.6 5.7 5.2 11.5 7.1 6.4 6.2
5

5.5 6.1 4.3 9.6 7.9 10.7 9.9 6.5
6

4.2 6.0 5.7 8.0 5.6 5.6 5.5
7

4.8 5.8 6.4 7.0 4.9 4.0 4.7 5.3
9

3.9 5.5 4.2 5.5 4.6 2.9 4.2 4.7
10

3.0 5.7 4.4 5.9 4.0 6.6 3.3 4.5
11

2.5 5.9 3.0 4.2 3.7 0.0 4.3 4.2

◎「和え物・サラダ」「煮物」は献立や味付けの工夫や改善によって、残菜率が減少した。

 

<調理の工夫>

・出汁やスープにこだわり、料理によって選択。

・調味料の種類を増やし、うま味を加える。

・和え衣に出汁、ドレッシングに玉ねぎやりんごなど。

・野菜の水分が出ない工夫。

・手配表(指示書)は全調理員がわかるよう記載。

・新メニューや失敗メニューは検討、試作を重ねる。

・毎日、各クラスの残菜を見る。

・残菜の多いメニューは先生や児童にリサーチ。

・調理員のスキルを学び、全員で作りあげる意識を持つ。

◎おいしくすれば野菜も食べてくれる

 

【事業の成果】

〇委員会活動が中心となり、全校で食育活動に取り組むことで、コミュニケーションを行う力や主体的な態度が養われた。

〇児童が給食を多面的に捉えた中で、自ら給食を作る人の存在に気づいた。

〇給食に関わる人たちとコミュニケーションを取ることで、「給食を残さず食べよう」「嫌いなものでも一口は食べてみよう」という意識変化が起こり、食品ロスの減少の要因の一つとなった。

〇児童と栄養士・調理員、栄養士・調理員と教職員がコミュニケーションを図ったことで、学校全体として食に関する意識が高まった。

 

【残された課題】

〇牛乳の残菜はあまり変化がなかった。

〇食育は一時的なものではなく、継続していくことが大切であるため、今後、どのような形で全体の年間指導計画に入れていくかに課題が残る。

〇各学級の給食指導の温度差の解消と共有化。

〇栄養士が各学級へ授業に入るための時間の確保が難しい。

 

 

 

 

来年度の活動計画

本校は、地域の小学校、中学校の3校が集まり、東国分爽風学園として、連携型の義務教育学校としての取り組みを行っている。

「ふるさと探究科(総合的な学習の時間)」の中で、SDGsを念頭に置き、地域に根差した取り組みや稲作などを行っていく予定である。

過去の活動報告