所在地 〒721-8502 広島県福山市引野町980-1
電話番号 084-941-4115
ホームページ http://www.eisu-ejs.ac.jp/
加盟年 2015

2023年度活動報告

活動分野

環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, 持続可能な生産と消費, 健康

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本校は、「国際社会に貢献できる人材の育成」を学校理念として、ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野を通して、課題解決型の学習活動を行い、地域や世界の諸問題について自ら考え、行動できる人材の育成を目標としている。

具体的には、①地域社会における課題解決に係わる学習活動、②国際文化理解に係わる学習活動を行った。いずれも、自己分析や面談を通して、生徒個別の興味関心を掘り起こし、それぞれが取り組みたいテーマを見つけて探究していくことを目指した。そのために生徒自身が段階的、概念的に思考できるように、ディスカッションや校外の専門家の見識などを活用しつつ、国際性をともなった幅広い視点の獲得を試みた。

①地域社会における課題解決に関わる学習活動
(1) SDGsをふまえたビジネスプランニング(高校)
アフターコロナ社会におけるビジネス上の諸課題について、実業界から本校OBや見識者をゲストティーチャーとして招き、お話しを伺った。生徒自らが課題発見をし、その解決策について具体的に立案・実行した。ビズネスプランについては、出資者を募って地域の「バラ祭」で販売活動を行い、その成果から持続できる地域再生について考えた。
(2)福山青年会議所主催「未来人財育成プログラム」(高校)
公立中学校で行われたJC「未来人財育成プログラム」という特別授業において、本校の生徒が高校生サポーターとして参加し、中学生の活動を支援した。中学生が地域の課題の解決策を考え、市民に提言するに当たり、一緒に考え発表の方法を工夫する中で、高校生自らも地域に目を向け、主体的に行動を起こした。
(3)地元企業とのコラボレーションによる企画
地元企業とともに商品開発に携わった。デニム製造の会社では、パンフレットの英訳などの広報活動や新商品の開発にアイデアを提供したりした。お好み焼きのお店では、新商品のパッケージデザインを考案した。どちらも、商品を通して社会の様相を捉え、消費者の立場になって考えることで、社会への視野を広げた。また、一定の社会的責任を負う仕事をすることは、生徒たちの精神的成長を大きく促した。

②国際文化理解に関わる学習活動
本校では10名を超える外国人教員が勤務していることから、授業だけでなく普段の学校生活の中で自然と国際交流を体験できる環境にある。また、多くの海外提携校があり、今年度は4年ぶりに研修団の受け入れや、本校からの海外研修を実施することができた。生徒の関心は広く海外にも向いており、国際的なテーマのセミナーやイベントに主体的に参加している。
(1)アメリカ合衆国サウスアカデミー研修団の受け入れ(中学)
本校と協定を結んでいるアメリカの中学校から研修団を受け入れ、授業を通して文化交流を行い、ホームステイを行った。英語を学んでいる日本の中学生と、日本語を学んでいるアメリカの中学生との交流は、オンラインでは体験できない貴重な文化交流となった。
(2)アメリカ研修旅行(中3)
英語学習の成果を発揮し、異国の文化に親しむことを目標として、ニューヨーク・ワシントンD.C.訪問に加え、ペンシルヴェニア州ランカスターでホームステイを行った。
(3)シンガポール研修旅行(高校)
シンガポールの多文化社会に触れ、多様性を尊重する力を身に付けることと、新しい状況に挑戦し集団の中で自分を見つめ直し、成長の機会を持つことを目標として実施した。
(4)ニュージーランド短期留学(高校)
高1高2の17名が1ヶ月間にわたる短期留学を行った。英語力の伸長と、新しい環境にチャレンジすることで自己の成長を促すことをねらいとした。留学先の学校には1人ずつ配置され、ホームステイを行いながらの学習となった。最初は大きな不安があった生徒も、1ヶ月間をやりきった後には、その分の大きな自信を身に付けていた。
(5)OECD「プロジェクト∞無限大」(高校)
ポルトガル・イギリス・本校の高校生が、「学校のwell-being」というテーマでディスカッションを行う。英語をツールとして扱い、国境を越えて多様な価値観を知り理解することをねらいとしている。積極的な意見交換を行い、グローバルな交流をすることができた。

国際デーの取り組みについて
本校では、①2月20日「世界社会正義の日」、②11月20日「世界子どもの日」を記念する行事をおこなった。
①2月20日「世界社会正義の日」にちなんだ「ピンクシャツデー」
社会正義が直面する課題にはさまざまなものがあるが、中高生にとって身近な問題として「いじめ問題」を取り上げた。自分とは違う相手に対する差別意識や不寛容さが、社会正義の実現をはばむ原因の一つだと考えられるからだ。そこで、2月最終水曜日の「ピンクシャツデー」を学校全体で実施した。いじめを許さないというキャンペーンに賛同する生徒・教員は、ピンク色のものを身に付けて1日を過ごした。この日は私服登校も許可し、自由な表現ができることにした。あらためていじめを許さないという思いを強めると同時に、学校全体の一体感がうまれ、視覚的にもピンク色が満ちて温かい雰囲気となった。
②11月20日「世界子どもの日」にちなんだ「世界の子どもにワクチンを エコキャップ運動」
本校では習慣的にペットボトルキャップを回収しているが、あらためてリサイクルにまわしていることと、その収益から貧困国の子どものワクチン代が出されていることを告知した。ポスターや校内放送で、エコキャップ運動の意味を伝えたところ、中学校のあるクラスでは道徳の教材として取り上げられ学習を深めたり、保護者からもキャップの提供があったりと、活動が広まった。

来年度の活動計画

引き続き、新聞記事などのニュースおよび社会的データ・動画を活用した主体的・探究的な学習活動により、国内および地域だけでなく世界における課題発見・解決能力を涵養していきたい。さらに、海外提携校の生徒との国際交流や海外研修旅行を実施することによって、異文化に対する理解を深め、英語でのコミュニケーション能力を向上させ、幅広い視野で課題に向き合うことが出来る能力を養っていく。
また、生徒が積極的に校外に出向き、企業や団体の協力を得ながら様々な体験をする機会を増やすことによって活動の幅を広げ、地域社会の課題を解決する方法を考えることによって、福山市を中心とした備後地域全体の活性化、ひいてはSDGsの達成に寄与すべく行動を起こしていくように計画している。
なお、2024年は、2月21日に「世界社会正義の日」を記念し、全校でいじめ問題について考える「ピンクシャツデー」と、11月20日「世界子どもの日」に合わせた「世界の子どもにワクチンを エコキャップ運動」を予定している。

過去の活動報告