2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, 持続可能な生産と消費, 健康

本校は、「国際社会に貢献できる人材の育成」を学校理念として、ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野を通して、課題解決型の学習活動を行い、地域や世界の諸問題について自ら考え、行動できる人材の育成を目標としている。

具体的には、①地域社会における課題解決に係わる学習活動、②国際文化理解に係わる学習活動を行った。いずれも、自己分析や面談を通して、生徒個別の興味関心を掘り起こし、それぞれが取り組みたいテーマを見つけて探究していくことを目指した。そのために生徒自身が段階的、概念的に思考できるように、ディスカッションや校外の専門家の見識などを活用しつつ、国際性をともなった幅広い視点の獲得を試みた。

 

①地域社会における課題解決に関わる学習活動

(1) 他校との協働によるテーマディスカッション(高校)

「学ぶことについて」「自己肯定感」などのテーマごとに専門家のレクチャーを受けた後、他校の生徒とグループディスカッションを行い、発表した。多面的に考察することや、異なる意見を尊重する姿勢を学んだ。

(2) SDGsをふまえたビジネスプランニング(高校)

アフターコロナ社会におけるビジネス上の諸課題について、実業界から本校OBや見識者をゲストティーチャーとして招き、お話しを伺った。生徒自らが課題発見をし、その解決策について具体的に立案・実行した。ビズネスプランについては、出資者を募って学園祭で販売活動を行い、その成果から持続できる地域再生について考えた。

(3) 国連ユニタール青年大使育成プログラム(高校)

2名の参加者があり、地域の課題について他の参加者と討論を行い、提案をまとめ発表をした。地域の開発やライフスタイルを持続可能に展開していくためにどうするのか、という視点から考えることができた。

 

②国際文化理解に関わる学習活動

本校では10名を超える外国人教員が勤務していることから、授業だけでなく普段の学校生活の中で自然と国際交流を体験できる環境にある。また、多くの海外提携校があるが、新型コロナウィルスの感染拡大により、研修団の派遣や受け入れができなかった。しかし、生徒の関心は広く海外にも向いており、国際的なテーマのセミナーやイベントに主体的に参加している。

(1) グローカルイングリッシュ(中高)

慶應義塾大学と提携し、大学生がファシリテーターとなるワークショップを年間を通じて定期的に行った。主な使用言語は英語で、自己分析やコミュニケーションをしながら、さまざまなテーマについて考え発表した。それぞれの個性を理解し尊重する姿勢を学んだ。

(2) 国連平和デー「ドイツ国際平和村から平和を考える」

インターアクトクラブが主導し、ドイツ国際平和村の活動を知ることで、現在もっとも危急の課題と思われる平和について生徒一人一人が考える機会とした。ドイツ国際平和村に関するポスター発表をみたあと、全校生徒による平和へのメッセージカードでアートを作成した。

(3) 海外提携校とのペンパルプログラム(中学)

本校との提携校であるSouth Academy of International Languagesとの協働プログラムで、本校の中学生と同年代のアメリカ合衆国の生徒が手紙の交換を行った。英語での表現直を養うだけでなく、異なる文化への理解を深めることができた。

来年度の活動計画

引き続き、新聞記事などのニュースおよび社会的データ・動画を活用した主体的・探究的な学習活動により、国内および地域だけでなく世界における課題発見・解決能力を涵養していきたい。さらに、海外提携校の生徒との国際交流や海外研修旅行を実施することによって、異文化に対する理解を深め、英語でのコミュニケーション能力を向上させ、幅広い視野で課題に向き合うことが出来る能力を養っていく。

また、生徒が積極的に校外に出向き、企業や団体の協力を得ながら様々な体験をする機会を増やすことによって活動の幅を広げ、地域社会の課題を解決する方法を考えることによって、福山市を中心とした備後地域全体の活性化、ひいてはSDGsの達成に寄与すべく行動を起こしていくように計画している。

なお、2月20日「国連世界社会正義の日」を記念し、全校でいじめ問題について考える企画を予定している。