• なごやだいがくきょういくがくぶふぞくちゅう・こうとうがっこう
  • 名古屋大学教育学部附属中・高等学校

  • Affiliated Upper and Lower Secondary Schools, School of Education, Nagoya University
  • 種別 地区
  • 主な活動分野海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 持続可能な生産と消費, 健康, 貧困, グローバル・シチズンシップ教育(GCED), その他の関連分野

所在地 〒464-8601 愛知県名古屋市千種区不老町
電話番号 052-789-2680
ホームページ https://highschl.educa.nagoya-u.ac.jp/
加盟年 2010

2025年度活動報告

活動分野

生物多様性, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 貧困, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)

本校は、STEAM教育を活動テーマとして、ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野を通して2025年度は、「アジアの一員としての私たち」をテーマとして活動を行った。

世界的な環境変化や国際情勢の不安定化、孤立主義化傾向が懸念されるVUCAの時代において、持続的かつ主体的に国際社会で中心的な役割を担うことが高校生には求められている。コロナ化以降、内向き志向の高校生が増える中、世界とのつながりや関わりの中での自己を認識すること、そして世界へ目を向け、国際的な興味関心を持って、自分事として社会をとらえることを目標とした。

○2025年度愛知県ユネスコスクール交流会への参加

2024年度に続き、「SDGs AICHI EXPO 2025」内で10月3日~4日にかけて開催された「愛知県ユネスコスクール交流会」に参加した。私たちは「アジアの一員としての私たち」をテーマとして、来場者を対象としたワークショップや成果物展示、ステージ発表を実施した。ワークショップでは、昨年に続き、成果物展示は、「葉脈標本のしおり作り」と題して、身近な植物を観察し、その植物の葉を利用して葉脈標本を作製した。作成した葉脈標本には、参加者がお気に入りの色をつけ、「しおり」を完成させた。当日は、多くの小学生や中学生から大人まで幅広い年代の方が参加して、身近なことから環境を考えることができた。ポスタ―セッションでは、生徒が参加した「モンゴル研修」や「米国研修」「中国研修」で考えたことや学んだことについて模造紙にまとめ来場者に伝えるとともに、意見交換などを行った。また。作成したポスターは愛知万博20周年記念事業の一環として愛・地球博記念公園(モリコロパーク)でも展示された。

〇2025年度ユネスコスクール活性化事業

7月16日に、ユネスコスクール活性化事業として、伊井直比呂先生(現神戸女学院大学特任教授 大阪公立大学客員研究員)を学校にお招きして、生徒や保護者を対象とした講演会を開催した。テーマは「教育の国際化とESD・SDGs ― 『持続可能な社会』とは誰にとっての社会か?」であり、生徒・保護者約100名が参加した。

講演では、“「持続可能な社会」とはどういう社会?”という問に対して、伊井先生は、持続可能な社会を「みんなの知恵と力を合わせてつくっていく社会」と表され、4つの大切な柱があります。その柱は、「いのち(自然や他者とつながり続ける)」、「文化(学びや伝統、人を育てる文化が深まる)」、「くらし(健康で安心して生活できる)」と「こころ(互いの心を豊かにし合える)」であり、これらは互いに影響し合っており、どれかが欠けても持続可能な社会とは言えません、とお話をされました。また、“学び合う”ということについて、UNESCOが重視する教育の考え方として、伊井先生は「学び合い」を紹介されました。教える側・教えられる側という上下ではなくそれぞれが大切にしている価値や経験を交換し対等に学び合うこれは、探究活動やSTEAM型の学びが大切にしている姿勢と一致しています。伊井先生は、「学んでもらえる自分をつくることも大切」と述べ、日々の学習や行動の意味を再考させるメッセージを投げかけました。

伊井先生の講演は、SDGsや探究活動が教室の中だけではなく、現実の社会の中で必要とされる視点であることを改めて理解できました。伊井先生がおっしゃった「未来をつくるのは、皆さん一人ひとりの学びと行動です」という言葉は、多くの生徒の心に響いていた。

○アジアの一員としてモンゴルの学校との交流を生徒レベルと教員レベルで行った。

(生徒レベル)

2027年7月 7日から、19日までモンゴルの高校生10名と教員1名を本校で受け入れた。本校の生徒宅にホームスティを行い、授業に一緒に参加した。また、日本文化を学ぶためにホストファミリーと一緒に京都研究を実施した。また、モンゴル語講座を5回、校内で開催し、多くの中学生や高校生が参加して異文化に触れた。7月22日からは、本校生徒10名が、モンゴルを訪問し、受け入れたモンゴルの高校生宅にホームスティをしながら高校での授業体験を実施した。田舎のゲルスティでは、高大な草原での自然を体験した。また、ゲルスティ中に嵐に見舞われる経験もしたが、大自然のもつ偉大さを生徒たちは身をもって体験できた。

(教員レベル)

モンゴルの教員を約1か月間、研修として本校で受け入れた。大学の宿舎に宿泊しながら、授業参加やモンゴル語講座を開催した。また、教員どうしで両国における教育事情や教育実践について議論する時間も多く設けた。10月4日から4日間、本校教員がモンゴルの学校を訪問し、授業に参加し、生徒と交流を行うなど、相互で学びを深めた。

○高校生国際会議の開催

10月12日と13日には、「高校生国際会議2025」を開催した。テーマは、SDGs。基調講演を受け、日本の高校生と海外の高校生がSDGsのゴールごとに設定された小グループに分かれ、議論を交わした。議論は、始めに文系生徒と理系生徒に分かれて行い、その後、文系生徒と理系生徒が融合して再議論を行った。参加生徒たちは、SDGsは、文系や理系の壁と取り払って考えなければならないテーマであることに気づき、すべての人たちが分野を超えてSDGsに取り組まなければならないことを実感できた。参加者は、日本の高校生61名、海外の高校生29名、名古屋大学留学生がファシリテータとして30名で120名規模で実施した。海外からの高校生は16か国から参加した。

○米国の高校訪問―United Nations International School (UNIS)とBard High School Early College (BHSEC) ―

VUCAの時代を柔軟な思考を持って生き抜く高校生の育成を目的として、12月7日から13日にかけて「米国 海外研修」を実施した。VUCAの時代を柔軟な思考を持って生き抜くために「自立した学習者」の育成を目的とした。BHSECでは、実際に行われている「数学や理科の授業」に現地の高校生と一緒に参加した。米国の生徒と議論することで生徒たちは国際性をさらに高めるとともにグローバルマインドセットを向上させることができた。2026年3月には、BHSECの生徒が来日する計画を立てている。

また、SDGsのGoal 13「気候変動に具体的な対策を」に焦点を当て、United Nation International School(UNIS)を訪問し、科学の発展と「産業や技術革新」の関係や科学の発展ついて意見交換をした。特に、「防災・減災」に焦点をあてて、日本の学校や家庭で行っている日ごろの訓練に焦点を当てた。また、ワイルコーネル医科大学を訪問し世界最先端の研究者から直接講義を受けた。今年度は、ニューヨークメモリアルスローンケタリングがんセンターで、実際に行われている研究を現場の教員から直接受けることもできた。

○木曽馬プロジェクト ー生物多様性について考えるー の開催

昨年度に続き、今年度も開催した、今年度は、合宿形式で2回行った。1回目は、6月21日(土)~22日(日)。2回目は、11月2日(日)~3日。2回とも木曽馬を飼育している長野県開田高原にある木曽馬牧場をメインの訪問先とした。現地では、馬糞の温度測定、厩舎の温度測定、馬の体温測定 ・唇や目の動きの観察・鼻息調査、心臓の音収録、歩く音収録、食べる音収録・噛み方収録調査・馬の歩幅測定、走る音収録調査・飼料調査 等を行った。その成果を名古屋大学博物館で発表をした。また、活動を紹介するYouTubeも博物館と協力して作成し公開した。

〇被災地から考える

12月19日~21日の3日間、福島県双葉町および浪江町を訪問し、現地の施設や現地の人たちとの対話を通して原子力、水質汚染、新エネルギー、液状化等についての学びを深めた。

具体的な生徒の研究テーマは、「新たな再生可能エネルギーの可能性についての調査と研究」、「ドレーン杭の効果的な活用法について」、「海の浄化方法についての調査と研究」「新エネルギーの可能性についての調査研究」などである。25名の生徒が参加した。訪問した双葉町・東日本大震災・原子力災害伝承館では、原発・廃炉・処理水に関しての東京電力職員から講義を受けた。請戸小学校  請戸漁港 大平山霊園 棚塩産業団地を現地の人たちの説明を受けながら視察した。大熊町・中間貯蔵事業情報センター/中間貯蔵施設も視察し、除染についての講義を受け、震災とその後の復興について学んだ。一般社団法人いわきバッテリーバレー推進機構の方からの「新エネルギーを使った街つくり(土木)」に関する講義では、水素を中心とした新たな取組について知ることができた。3月にも改めて福島県を訪問し、その際には、相馬市をフィールドとした研修を実施する。

○海外の中学生や高校生との交流会

世界の仲間と交流するための機会を少しでも多くの仲間と触れ合い、日本を越えた世界への理解を深めることを目的として実施した。5月2日は、香港から、6月20日、21日には、米国ノースカロライナ州からの高校生を受け入れた。7月11日には英国ケンブリッジ大学の学生6名、11月6日はシンガポールの中学生を受け入れるなど、今年度も海外から多くの生徒たちが本校を訪問した。長期留学生も受け入れている。チェコとタイから高校生を4か月受け入れた。現在は、米国からの高校生が本校に在籍している。

来年度の活動計画

2025年度に実施した活動を基本として2026年度も継続してユネスコスクールとしての活動を実施する。文部科学省が行っている「トビタテ!留学JAPAN」にも例年多くの生徒が参加しているが、次年度も同様に実施し生徒たちのグローバルマインドを広げていきたい。このことは、地球全体を俯瞰して物事や事象をとらえることにつながる。国際的に孤立化が進む世界情勢の中、今後の世界全体を担う子どもたちが、自国のことばかりではなく、視野を世界に向けて、地球全体のウェルビーイングを考えることができるような取組を行いたい。また、AIを活用した取組の可能性も視野に入れることも考えている。

過去の活動報告