2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)

2021年度においても、学校教育に与えたコロナ禍の影響が衰えることなく、多くの行事が中止や変更となりました。しかしながら、コロナ禍においてのユネスコ活動の意義を改めて校内で検討する貴重な機会ともなったことも事実です。中学では、今年度から学習指導要領が新しくなり、高校も次年度から新学習指導要領が大きく変わります。本校のユネスコ活動の多くは「総合の時間」を活用しています。中学での「総合的な学習の時間」で「調べ学習」を中心に生徒は課題研究を行います。中学での「調べ学習」の中から自分の興味や関心のある事項に気づき、それに基づいて高校の「総合的な探究の時間」で「仮説検証に基づいた課題研究」を行う路線が学校内で明確となりました。各学年のユネスコ活動は、オンライン教材や、ICTを活用したユネスコ活動に大きくシフトしました。フィールドワークは遠隔システムやメールやFAXを活用した形態に変更となりました。特に今年度重点的に実施した内容は、オンラインを活用した海外交流です。下記にその具体例を示します。

○米国・バークリー音楽大学とZoomで交換留学「英語でミュージカルを観よう!日本の文化を伝えよう!」

中学1年生と2年生の希望者が参加し2日間実施しました。1日目は、日本の生徒のみで、Zoomの基本操作学習と、日本文化に関しての事前学習をオンラインで実施しました。2日目は、実際にバークリー音楽大学の学生との交流。ミュージカル観劇や日本文化の紹介と交流を行いました。

○海外の高校生とオンラインで交流しよう。

・米国United Nation International School (UNIS)と新モンゴル高等学校の高校生との3カ国交流

 中学3年生と高校1・2年生が参加。SDGsをテーマに同期、非同期でオンライン交流を数ヶ月間にわたり実施しました。複数のグループに分かれて、SDGsのゴールに分かれ3カ国合同で研究を行いました。2月にオンライン上で成果発表会を英語で実施。ファシリテータとして名古屋大学の学生が参加しました。

・(一財)日本国際協力センター(JICE)との連携

高校1年生が、米国とインドネシアの高校生とそれぞれ交流(米国は9月、インドネシアは12月)。学校紹介や日常生活を双方が紹介し、オンライン上でゲームや歌を楽しみました。また、中学生、高校生、保護者が参加し、日本文化を再発見する催しを対面で実施しました。本校に来ている2名の留学生も参加し、日本文化を体験する貴重な機会となりました。日常生活のグローバル化に伴い、日本文化に触れる機会が減少しています。そのために下記の取組を行いました。

○日本文化の再発見

・十二単着装体験

専門家から十二単にまつわる基本的な話を聞いた後、実際に男女のモデルが着装を実演」した。モデルとなったのは、本校の高校生です。

・ゆかたの着付け

「ゆかたを自分で着てみよう!」着付け体験と日本茶をテーマに実施しました。男性と女性のゆかたにまつわる基礎知識を専門家から学んだ後、実際に浴衣を自分たちで着付をしました。その後、浴衣を着て、日本茶をいただいた。日本茶の入れ方や茶器の説明も受け、お茶請け菓子を楽しみました。

・「お正月の松飾り(折形)をつくってみよう」

松飾りがもつ意味やその背景を専門家から学び、お正月についてのお話を交えながら松飾りを作成しました。

来年度の活動計画

2021年度にオンラインによる交流の素地を創ることができました。コロナ禍がなければオンラインの活用はずいぶん先の話となっていたことが予想されましたが、ICTの活用で教育が大きく前進することができたと考えます。2022年度は、コロナの収束を願いながらも「ニューノーマル」なユネスコ活動を考えています。具体的には、対面による課題研究成果発表会を学校の枠組みを超えて実施することです。コロナ禍でも多くの学校は「課題研究」に取り組んでいました。その成果を校内だけではなく校外でお互いに発表する場を本校が提供できればと考えています。

また、高校で新しい教育課程が始まります。SDGsに関する「STERAM」教育をカリキュラムに取り入れることによって、文理にとらわれない学際的なカリキュラムマネージメントを実践します。また、高大接続事業にも取り組み、中学校や高等学校と、大学が連携した先進的なカリキュラム構築も実践します。加えて、企業連携によるアントレプレナーシップ教育も試行することを考えています。