• とよなかしりつだいにちゅうがっこう
  • 豊中市立第二中学校

  • Toyonaka Municipal 2nd Junior High School
  • 種別 地区
  • 主な活動分野登録なし

所在地 〒560-0056 大阪府豊中市宮山町2-1-1
電話番号 06-6843-5288
ホームページ http://www.toyonaka-osa.ed.jp/cms/jh02/
加盟年 2012

2023年度活動報告

活動分野

国際理解, 平和, 人権, 福祉, その他の関連分野

本校は、持続可能な社会の作り手として、未来社会の形成に参画するための資質・能力を形成することを目指し、「違いを認め合い、すべての人が持続可能な社会を推進する生徒の育成」を目標とした。具体的には、①国際平和に係わる学習、②発達障害学習、③福祉体験学習、④地域と共に生きる学習を行った。
① 国際理解・国際平和に係わる教育
全学年対象に『戦火の子どもたちに学んだこと ウクライナ、アフガニスタンを取材して』という表題でフリーランスジャーナリスト、西谷 文和氏の講演を行いました。「戦争はなぜ起こるのか」「ウクライナで暮らす人々や子どもたちの現在の様子」「アフガニスタンで用水路をつくる活動をされていた中村哲さんいついて」、「ドイツ国際平和村について」などのお話をしていただきました。
【生徒の感想】
・始まってから1年9か月たったウクライナの戦争のこと、アフガニスタンンで巨大な用水路を作って65万人の命を救った中村哲さんの事などの映像を見て、自分が今まで住んで、着て、食べているあたり前のことが奇跡なんだと、改めて思いました。毎日空襲警報が鳴っていたり、家のすぐ横の森に地雷が無数に埋まっていたり、自分の暮らしからは想像できないような恐ろしい事が、他の戦争の起きている国では起きているのだと知りました。
・ドイツの平和村の活動はとても素適だなと思います。最初、戦地で傷ついた子どもたちは不安がいっぱいの表情で暗かったけど、1、2年くらい治療して親の所へ戻るときにはとても明るい嬉しそうな表情をしていて見ていて自分も嬉しくなりました。戦争は授業でしか勉強したことがなくて自分にはあまり関係がないことだと思っていたけど、好きなことができて、学校へ行けることに感謝して生活しないといけないなと思いました。

② 発達障害・人権に係わる学習
各クラスには様々な個性で困っている生徒がいる。様々な個性を持った生徒たちが生活するクラスを考えるために、今回は「発達障がいってなんだろう」という一つのテーマで、NPO法人サンフェイス谷村理紗さんを講師として招き、発達障がいの特性について考えた。そして、様々な個性のある人と一緒に過ごすうえで大切にしたいことを学んだ。グループワークを通して、より良いコミュニケーションの方法「視覚的・具体的・肯定的」について学び、全ての人にとって過ごしやすい環境をつくるにはどうすれば良いか考えた。発達障害について理解し、発達障害はグラデーションのように区切りがなく、お互いに「視覚的・具体的・肯定的」にコミュニケーションを取り、助け合うことで良い環境を作り出すことができ、それを自分なりにやっていきたいと多くの生徒が考えることができた。しかし、日々のクラスの人間関係のもつれの中で「やってもらって当たり前と思っている」と相手に対して否定的にとらえている生徒の考えも少数ながら存在する。今回学んだ考え方を、今後時間をかけながら、お互いの理解にむけてクラスづくり、学年集団づくりに活かしていきたい。また将来、卒業後も生徒たちには様々な個性の人がいる地域に根差して生活し活動をします。このように地域住民が共に生きやすいような心の土壌を育てることこそが、学校ができる地域のESDの一つであると考えます。

③ 福祉体験学習・人権に係わる学習
「福祉体験学習」を行いました。豊中市役所・保健所・社会福祉協議会・介護保険事業者連絡会と、障害福祉センターひまわり・豊中点訳会など多くのボランティアの方々に来校していただき、インスタントシニア体験・車いすなどの福祉用具体験・手話体験・白杖体験・点字体験・VR認知症体験の6講座に分かれて学習しました。
【生徒の感想】
◆インスタントシニア体験
・体験を通して高齢の方々は腰や肩に重みを感じていて一つ一つの動作がしんどいのだなと感じました。白内障の方の見え方を体験できるメガネをつけると全然薄い色が見えないし、硬貨も何円玉なのか分からないので、高齢の方は身近ないろいろなことに対して不便を感じているのだなと思いました。・・・
◆車いすなどの福祉用具体験
・4つの福祉用具を体験した。電動車いす3種類持ってきてくださっていて、車いすの電動版、外国製の
もの、などがあり、それぞれその人が困っているところを助けるための特徴があった。・・・
◆手話体験
・手話は、いろいろな種類があって思っていたよりも多くてびっくりしました。耳が聞こえないと、急に道を聞かれても答えられずに「もういいわ」などと言われたり、何か事件などが起こっていても指示が聞こえないのでパニックになったりしまうこともあるそうです。今まで私は、それはしょうがないと思っていたけれど、
道を聞く人は、この人は耳が聞こえない人なのだとわかったら紙に書いて伝えたりすることができて、耳が聞こえる人も聞こえない人もみんなつながることができることが分かりました。・・・
◆白杖体験
・体験する前の私の白杖についての印象は、「目が見えなくて困っている人が1人で外出できるようにサポートできるもの」でした。今回福祉体験のために来てくださった方は2人で、目が見えない方とみえない方のサポートをする方でした。私は白杖があるなら別にサポートをしてくれる人がいなくてもよいのではないかと思っていました。その後、体験で実際にアイマスクをして白杖を持って歩いてみると、信じられないくらい怖かったのです。ただのまっすぐな道を、白杖とサポートしてくれる人で通るだけなのにとても怖かったです。
◆点字体験
・僕は、目が見えているので点字についてあまり気にしたことがありませんでした。しかし、事前学習で点字が書かれてある場所を知って、たくさんの場所に点字の表示があることが分かりました。そして、実際に点字を触ってみる体験をしてみて、自分たちは目が見えるけれども、目が見えない人にとってはこの小さな凹凸が命の支えになっているのだなと思いました。・・・
◆VR認知症体験
・最初は、認知症という言葉は聞いたことがあるけれども、どういうことなのかはあまりわかりませんでした。まず、VRで「私をどうするのですか?」という体験をしました。実際には車から降りるだけなのにビルから落とされる感じがして、とても怖かったです。次に、「ここはどこですか?」を体験しました。電車に乗ってどこで降りるかわからず、ここで降りていいのか・・・と、とても困っていました。2つの体験から、認知症の人は日常生活の中で、とても不安がありながら生きているのだと実感しました。
④ 地域と共に(竹林の保全、地域のつながり)
毎年12月に地域の竹林に行き、地域の方々や阪大の竹林を守る会の方々と、門松に使用する竹を切り出している。全校朝礼で生徒たちに竹林の存在と門松づくりの様子を知らせるとともに、大切に守っていく心を育成することができた。
門松は12月ごろに地域の方々が中心をなり、正門前で制作し生徒たちも協力している。門松は12月中旬から1月初旬まで正門前に飾っている。

地域スポーツフェスティバルを行い、保育園・幼稚園・こども園・小学校・中学校・地域スポーツ団体がスポーツを通して地域のつながりを深めた。

来年度の活動計画

【来年度の活動計画】
来年度の本校は「多文化共生~国際社会を生きる人材の育成~」を活動テーマとして、SDGsの実践を通して、持続可能な社会の担い手を育て、多様な価値が存在する国際社会を豊かに生きる力の育成を目標とする。
具体的には、①国際理解に係わる活動 ②国際平和学習 ③人権に係わる学習 ④地域共同を中心に学習・体験・活動する。
① 国際理解にかかわる活動
次年度は可能であれば、外国の中学生との来校していただいての交流やオンライン等を利用した交流を再開していきたい。また、一昨年に引き続き、豊中国際交流センターとタイアップして講師を依頼する。また、また豊中市の姉妹都市であるサンマティオとも交流をしていきたい。さらに、阪大の国際交流センターが校区にあるので、日常生活においても多文化共生について考える機会が多いと思われる。
② 国際平和にかかわる教育
現代の国際社会において、平和を維持するためにはどうすればよいか、生徒たちに考えさせる機会を与える。そのために、外部から講師を招き、体験をもとに講演会を企画する。その前段階として各学年で平和に関する調べ学習を行う。
③ 人権にかかわる学習
コロナ以降「人と人のつながりの大切さ」を感じている。可能であれば、ボランティア体験学習、職場体験学習を実施する。人権について考える講演会を持ち人権を考える機会を持つ。インクルーシブ教育を推進し、様々な個性のある人々と共に持続可能な社会の担い手を育てる。
④ 地域共同
地域と共に生きる生徒の育成、地域の環境を考え保存していく生徒の育成を目指す。

過去の活動報告