2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

文化多様性, 国際理解, 人権, ジェンダー平等

本校は、持続可能な社会の作り手として、未来社会の形成に参画するための資質・能力を形成することを目指し、「違いを認め合い、多文化共生を推進する」ことを目標とした。具体的には、①文化多様性・国際理解に係わる学習、②ジェンダー平等に関する学習、③人権に係わる学習を行った。

①文化多様性・国際理解に係わる学習

コロナ禍以前は、毎年、国際理解教育の一環として韓国や中国の中学生が本校を修学旅行で訪れ、直接交流を行っていた。しかしこの数年は実施することが困難な状況にある。

その代わりに、12月6日に1年生は「 世界の国々について学習することで、他民族・他文化への興味・関心を持ち豊かな国際性を育成する」「生徒自身が調べたこと・学んだことを自ら表現できる力を育て、協力して一つのことに取り組む大切さを実感する」という目的のもと、国際理解教育を実施した。6グループ(フランス・台湾・ロシア・タイ・中国・エクアドル)に分かれて、事前学習としてタブレット等を使って国について下調べをした。当日来ていただいた講師の方は、とよなか国際交流センターから派遣してもらった。

どのクラスも、それぞれの国について、食べ物や歴史、あいさつや習慣などを学習し、講師の方と一緒にゲームやクイズを楽しんだ。環境問題や、日本との歴史のかかわりを学習したクラスもあった。

②ジェンダー平等に関する学習

今年度は「多様な性ってなんだろう?」と言うテーマで、LGBTQの方を講師に招いて10月6日に講演を実施した。事前に、『ReBit』を使って性的マイノリティについて学習した。生徒たちの感想に「私の知り合いにも性別に違和感を抱いている人がいる」と悩みをうちあけているものがあった。

そして、生徒会の目安箱に「制服のスカートをはくことが苦痛だと思っている友達がいる。女子もスラックスがはけるようにしてほしい」という1通の投書があった。これを機会に、生徒会は「制服をユニバーサルデザインにしよう!」と言う取り組みを始めた。教員も同意し、今年度の2学期から、男女問わず、スラックス(ストレートとG型)、箱ひだスカートのどれを着用してもよいことになった。実際にスラックスを選ぶ女子生徒が増えている。

③人権にかかわる学習

SDGs17の目標を、校内のあちらこちらに掲示し、各教科でこれらの目標を意識した授業を展開した。2年生は、職業調べに際し、福祉施設や介護施設を学習することで、人権について考える機会を持った。

また、生徒会主催で「あしなが募金」について取り組んだ。あしなが育英会とは、病気や災害などで親を亡くした子どもたちや、障がいなどで親が十分に働けない家庭の子どもたちを、奨学金、教育支援、心のケアで支える民間非営利団体である。

12月のPTA運営委員会で、運営委員より「女子トイレに緊急用の生理用品を寄付したい」と提案があった。 貧困などの理由により、生理用品の購入に困っている学生がいる、と新聞報道などでとりあげられることがしばしばあり、何か取り組めないか、と考えていたそうである。現在は、校内のすべてのトイレに常備していただいている。

来年度の活動計画

本校は「多文化共生~国際社会を生きる人材の育成~」を活動テーマとして、SDGsの実践を通して、持続可能な社会の担い手を育て、多様な価値が存在する国際社会を豊かに生きる力の育成を目標とした。

具体的には、①国際理解に係わる活動、②ジェンダーに係わる教育、③人権に係わる学習を行う。

① 国際理解にかかわる活動

次年度は可能であれば、外国の中学生とのオンライン等を利用した交流を考える。引き続き、豊中国際交流センターとタイアップして講師を招へいする。

②ジェンダーに係わる教育

多様な性について学習することは、「自分らしく生きる」ことを学ぶことである。生徒たちにしっかりと学習させ、行動できることをチャレンジさせていく。

③人権に係わる学習

新型コロナ感染症の影響をうけた社会は、ますます「人と人のつながりの大切さ」を感じている。可能であれば、ボランティア学習、職場体験学習を実施し、人権について考える機会を持つ。また、貧困や虐待について学ぶために、外部から講師を招き、講演会を企画する。