• あいちけんりつとよはしろうがっこう
  • 愛知県立豊橋聾学校

  • Aichi Prefectural Toyohashi School for the Deaf
  • 種別 地区
  • 主な活動分野環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解

所在地 〒441-8141 豊橋市草間町字平東100番地
電話番号 0532-45-2049
ホームページ https://toyohashi-sd.aichi-c.ed.jp/cms/
加盟年 2015

2023年度活動報告

活動分野

環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 持続可能な生産と消費

本校は、聴覚に障害のある幼児児童生徒のための特別支援学校で「ことば豊かに 強く 明るく」を校訓としている。聴覚障害のある幼児児童生徒にとってESDを社会とのつながりと捉え、「持続可能な社会づくりのために、自ら考え主体的に社会と関わろうとする幼児児童生徒の育成」を活動理念としてESDに取り組んだ。具体的には、幼稚部、小学部、中学部、高等部それぞれの発達段階や実態に応じて、①環境教育に関わる活動、②伝統文化の継承に関わる活動、③国際教育に関わる活動を行った。

 

①環境教育に関わる活動

幼稚部では、季節の虫や植物に触れ、自然に親しんだ。カタツムリやザリガニ、カブトムシ、アゲハチョウなど身近な生き物の飼育・観察を行ったり、校内で虫捕りをしたりした。特にアゲハチョウの飼育では、青虫が葉を食べながら大きく成長し、さなぎの期間を経てチョウになる様子を観察できた。虫かごから羽ばたいていくアゲハチョウを見送りながら、子どもたちは「バイバイ」「元気でね」と声をかけ、貴重な体験となった。虫の飼育を通して、優しく触れて世話をするという経験ができた。これらの経験を通して、様々な命を大切にする心が育ってきている。校内の畑では、季節の野菜を育てた。野菜の生長を感じ、収穫を楽しみにする様子がみられた。収穫した野菜を持ち帰ることで、家庭での食育にもつながった。

中学部では、5月に実施した学校から南栄駅までの通学路清掃を実施した。生徒は、自分たちが使う通学路を奇麗にしようと一生懸命取り組んでいた。清掃をする中で落ちているゴミを分別し、自分の生活を振り返りながら、どのような場面でゴミを落としてしまうかを考え、ゴミを減らしていくための取組を考えることできた。生徒は環境に配慮していく意識をもつことができた。9月に実施した野外活動では、海岸の清掃活動を行った。海岸に落ちているごみの量を見て、生徒は予想以上にごみが落ちていることを知り、驚いていた。活動に前後して、インターネットを利用して海に関する環境問題を調べたり、海に関するクイズ(海の生物、海のプラスチックごみとその対策)にしてまとめたりした。海の環境に関するクイズを通して、海の環境が汚染されているという実感や課題をもつことができた。

高等部では、ESD探究グループが総合的な探究の時間にSDGsの17ゴールの中からそれぞれ「陸の豊かさを守ろう」、「安全な水とトイレを世界中に」、「飢餓と貧困」について考えたり、自分にできる取組を実践したりした。自分たちも持続可能な社会の担い手であることを意識し、身近な問題についてどうすればいいのか、と考えるきっかけになった。

 

②伝統文化の継承に関わる活動

小学部では、クラブ活動や音楽等において、全ての児童が和太鼓の練習に取り組んだ。地域への発信として、8月23日(水)に、4~6年生の児童が地域の発表会(豊橋市教育委員会主催「小中学生のための芸能フェスティバル」)で練習の成果を発表した。また、文化祭のオープニングセレモニーでも演奏し、校内外の人々に向けて発表した。2月には小学部全児童で演奏する、保護者に向けた太鼓発表会も予定している。

 

③国際教育に関わる活動

小学部では、11月にALTによる授業を4~6年生とたんぽぽ学級で実施した。ALTの出身国や家族などを紹介してもらうことで、異なる国や文化に対する児童の興味が高まった。また、英語による簡単なやりとりや教室や季節に関する言葉を用いたゲームなどを通して、楽しく英語に触れることができた。

高等部では、総合的な探究の時間に国際理解交流を実施した。外部講師であるパキスタンの外部講師からパキスタンの文化や生活について学ぶとともに、探究の時間で調べた事柄を、英語を用いて講師に伝える活動を行った。異文化を知ったり、英語を用いて伝えたりする活動は、生徒にとって貴重な経験となった。

中学部では、12月に国際理解交流をリモートで行った。ヨルダンにいる青年海外協力隊の日本人の外部講師にお願いをし、ヨルダンの生活や食文化について紹介してもらった。生徒は、日本とヨルダンの学校の違いに驚き、日本と外国の文化の違いを知るきっかけとなった。

来年度の活動計画

「持続可能な社会づくりのために、自ら考え主体的に社会と関わろうとする幼児児童生徒の育成」を活動理念として、①環境教育、②伝統文化の継承、③国際教育の三つの分野を柱にした取組を継続していく。

次年度も、野菜の栽培、生き物の飼育など自然との触れ合いを大切にした活動(幼稚部)、和太鼓の練習と地域での発表(小学部)、地域の清掃活動や体験的な活動を取り入れた環境学習(中学部)、姉妹校であるカナダのマニトバ聾学校との交流(高等部)など、年齢や発達段階に合わせた特色ある活動を行っていく予定である。

過去の活動報告