2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解

本校は、聴覚に障害のある幼児児童生徒のための特別支援学校で「ことば豊かに 強く 明るく」を校訓としている。聴覚障害のある幼児児童生徒にとってESDを社会とのつながりと捉え、「持続可能な社会づくりのために、自ら考え主体的に社会とかかわろうとする幼児児童生徒の育成」を活動理念としてESDに取り組んだ。具体的には、幼稚部、小学部、中学部、高等部それぞれの発達段階や実態に応じて、①環境教育に係わる活動、②伝統文化の継承に係わる活動、③国際教育に係わる活動を行った。

① 環境教育に係わる活動
幼稚部では、季節ごとに校内外の自然に触れ、親しんだ。5月からメダカやカタツムリ、チョウなど、身近な生き物の飼育・観察を行った。交代で餌をやったり水槽の掃除をしたりすることで、生き物を大切にする心が育ち、愛情をもって世話をすることができるようになった。
中学部では、5月に通学路のごみ拾いを行ったり、11月に正門周辺道路の落ち葉清掃を行ったりして、地域美化に貢献した。7月に実施した野外活動において、「森」の役割について学習し、その中で、間伐材の利用や海洋プラスティック問題に触れ、ストローの利用をどう考えるか話し合った。また、「エコクッキング」について調べ、自分が考えた方法の実践にも取り組んだ。身近にあるものへ焦点を当てることで、環境への興味・関心を広げ、学びを深めることができた。

② 伝統文化の継承に係わる活動
小学部では、4~6年児童13名がクラブ活動として和太鼓の練習に取り組み、伝統芸能の継承に努めた。地域への発信として、8月の豊橋市教育委員会主催「小中学生による芸能フェスティバル」に参加し、第9回ユネスコスクールESDアシストプロジェクト助成金で制作したオリジナル曲「とよろうわっしょい」をはじめとする全3演目を発表した。また、11月の本校の文化祭においても、全3演目を発表した。曲の練習において上級生が下級生に教えるなど、児童間での曲を引き継いでいく様子もみられた。

③ 国際教育に係わる活動
小学部と中学部は、外部講師を招いた国際理解交流を年2回実施した。アメリカ及びニュージーランドの生活や教育などについての話を聞き、他国の文化へ関心や知識を広げることができた。
高等部では、総合的な探求の時間において、国際理解活動に取り組んだ。ネパールの文化や教育についてグループごとで調べた。ネパール出身の方を講師に招き、調べたことを質問したりネパールのカレーを試食したりした。また、姉妹校提携しているカナダの聾学校へ英文で手紙を送ったり、世界で流行しているゲームについて調べたりして、興味のある事柄を探究する活動にも取り組み、世界の国々について理解を深めることができた。

来年度の活動計画

2020年度も「持続可能な社会づくりのために、自ら考え主体的に社会とかかわろうとする幼児児童生徒の育成」を活動理念として、①環境教育、②伝統文化の継承、③国際教育の三つの分野を柱にした取り組みを継続していく。
野菜の栽培、生き物の飼育など自然との触れ合いを大切にした活動(幼稚部)、和太鼓の練習と地域での発表(小学部)、地域の清掃活動や体験的な活動を取り入れた環境学習(中学部)、カナダマニトバ聾学校との交流(高等部)など、年齢や発達段階に合わせた特色ある活動を行っていく予定である。