2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解

本校は、聴覚に障害のある幼児児童生徒のための特別支援学校で「ことば豊かに 強く 明るく」を校訓としている。聴覚障害のある幼児児童生徒にとってESDを社会とのつながりと捉え、「持続可能な社会づくりのために、自ら考え主体的に社会と関わろうとする幼児児童生徒の育成」を活動理念としてESDに取り組んだ。具体的には、幼稚部、小学部、中学部、高等部それぞれの発達段階や実態に応じて、①環境教育に関わる活動、②伝統文化の継承に関わる活動、③国際教育に関わる活動を行った。
① 環境教育に関わる活動
幼稚部では、季節ごとに校内外の自然に触れ、親しんだ。6月からカタツムリやチョウなど、身近な生き物の飼育・観察を行った。一人一匹ずつ、自分の虫かごで飼育することで、じっくり観察したり世話をしたりすることができた。また、生き物を大切にしようとする心が育ち、愛情をもって世話をすることができるようになった。
中学部では、9月第3週に通学路のごみ拾いを行い、第4週に実施した野外活動においては海岸の清掃活動を行った。その中で、街中のごみと海岸に落ちているごみを比較しながら、海の環境を守るために自分たちに何ができるのかを考え、話合い活動を行った。また、海岸がある田原市について調べ、再生可能エネルギーの一つである風力発電について学び、環境への興味・関心を広げ、学びを深めることができた。
② 伝統文化の継承に関わる活動
小学部では、クラブ活動や総合的な学習の時間、音楽等において、全ての児童が和太鼓の練習に取り組んだ。地域への発信として、例年は4~6年児童が地域の発表会(豊橋市教育委員会主催「小中学生のための芸能フェスティバル」)で練習の成果を発表しているが、今年度は新型コロナウイルス拡大防止のため発表会は中止となり、校外発表の機会は得られなかった。和太鼓の練習に取り組む中で、上級生が下級生に教えるなど、児童間で曲を引き継いでいく姿がみられた。
③ 国際教育に関わる活動
小学部、中学部、高等部において、外部講師を招いた国際理解交流をそれぞれ年1回実施した。アメリカ(小:1月)、アメリカ(中:10月)、カナダ(高:10月)についての話を聞き、他国の文化へ関心や知識を広げることができた。
高等部では、総合的な探究の時間において、国際理解活動に取り組んだ。興味のある国のスポーツや文化について、個々に調べる学習を行った。実際にカナダの人とオンラインで交流した。直接英語で会話をしたり、ゲームをしたりと貴重な体験となった。今後は姉妹校提携しているカナダの聾学校へ英文で手紙を送る予定である。

来年度の活動計画

2021年度も「持続可能な社会づくりのために、自ら考え主体的に社会と関わろうとする幼児児童生徒の育成」を活動理念として、①環境教育、②伝統文化の継承、③国際教育の三つの分野を柱にした取組を継続していく。
野菜の栽培、生き物の飼育など自然との触れ合いを大切にした活動(幼稚部)、和太鼓の練習と地域での発表(小学部)、地域の清掃活動や体験的な活動を取り入れた環境学習(中学部)、カナダマニトバ聾学校との交流(高等部)など、年齢や発達段階に合わせた特色ある活動を行っていく予定である。