• とよはしちゅうおうこうとうがっこう
  • 豊橋中央高等学校

  • Toyohashi Chuo Senior High School
  • 種別 地区
  • 主な活動分野生物多様性, 海洋, 減災・防災, 環境, 国際理解, 平和, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, 貧困

所在地 〒440-0856 愛知県豊橋市鍵田町106番地
電話番号 0532-54-1301
ホームページ https://toyohashi-chuo.ed.jp/
加盟年 2015

2023年度活動報告

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 福祉, 持続可能な生産と消費, 貧困

海洋/環境

本校伝統のリアカーボランティアは今年度、20回目を開催することができた。近年、伊良湖岬の海岸清掃に特化しており、SDGsでは主に「14 海の豊かさを守ろう」と関連する活動に位置づけられている。生徒会が主催し、有志生徒の参加やPTAの協力によって実施されている。SDGs活動に積極的な地元の廃棄物処理業者と連携し、海岸清掃で出た廃棄物の運搬をボランティアで請け負っていただいた。また、企業との連携で子どもたちに向けた廃材アート・ワークショップを開催するなど、企業と連携しての活動となってきている。

2023年度は7月24日~26日と8月2日の4日間にわたって行われた。前半の3日間は前年度に引き続き伊良湖岬西ノ浜海岸の清掃活動に散り組み、可燃ごみ690kg、不燃ごみ330kgを拾った。後半の1日は新たに豊橋市の神野・吉前海岸にて行われ、可燃物・不燃物合わせて220kgのごみを拾った。4日間の参加生徒延べ人数は275人だった。来年度は、21年目の新しいリアカーボランティアとして、一般市民参加型の開催を目指す。

リアカーボランティアは夏季休業中の学校行事だが、毎月恒例の委員会活動として「リアカーパトロール」も実施されている。主体となるのは各学級で任命されたユネスコ委員で、有志の参加も募り、学校周辺の美化活動を行っている。

持続可能な生産と消費

ユネスコ委員会、ユネスコ同好会と全校からの有志によって、㈱ファーストリテイリング主催の「”届けよう、服のチカラ”プロジェクト」に参加している。難民の子ども達に贈るための子ども服を豊橋市幼稚園協会と賛同する豊橋市内の幼稚園の協力により集めている。SDGsでは「12 つくる責任 つかう責任」に関連付けられる。

2023年度は、ダンボール箱78箱分、重量1231.5kgの子ども服を集めることができた。また、NPO法人Reライフスタイルの「エコキャップ回収活動」や「世界寺子屋運動」に全校で取り組んでおり、PETボトルのキャップや書き損じハガキを回収している。

生物多様性

「地域河川の生態系保全活動」と称して学校の近くを流れる柳生川のメダカを中心とした水生生物の生息調査と特定外来生物の防除活動、川の中に入っての清掃活動を豊橋市役所環境部環境保全課と連携しておこなっている。SDGsでは「15 陸の豊かさも守ろう」に関連付けられる。

日本固有種であるミナミメダカの確認はできていないが、ミシシッピアカミミガメをはじめとする特定外来生物の防除活動により、タモロコなどの在来種の生息が確認できるようになった。より確かな成果、情報を得るために継続した活動・リサーチをおこなっていく。アカミミガメやアメリカザリガニが令和5年6月より条件付特定外来生物に指定されたことを受け、市と連携して特定外来生物の取扱いについての啓発活動に取り組み、地域住民を対象とした講演会や現地調査会を開催することができた。今後、行政と連携の上で広域調査や啓発イベントの開催を目指す。

学校設定科目「未来探究」(後述)でも「環境保全」のフィールドをもうけ、柳生川の生態系や自然の保全に関する探究活動を行った。

減災・防災

「地域の防災ネットワークづくり活動」と称して、本校・行政・地域自治会が連携して防災対策に向けた活動をおこなっている。SDGsでは「11 住み続けられるまちづくりを」に関連付けられる。

災害発生時には、行政による「公助」だけでなく、各自の「自助」や地域住民による「共助」による避難所の設置などが課題となる。そのため、高校生が日頃から防災について知識やノウハウを学び、各地域自治会で開催される防災訓練に豊橋市防災危機管理課と連携して参加することで、地域住民の防災意識向上と高校生自身が防災活動の担い手として広く社会で活躍ができることを目指している。今年度は、地域の防災訓練の中で「避難所でのトイレの扱いについて」「家庭での非常持ち出し袋について」「避難所での災害マップづくり」について研究結果を発表するとともに、市と協働で女性や子どもの立場からの避難所運営について発表した。3月には、生徒が中心となって幼稚園児を対象とした「それいけ、ぼうさい教室」を開催する予定である。石川県能登半島地震を受け、更に防災に向けた意識と知識の向上、日常的な啓発活動の開催を目指す。

学校設定科目「未来探究」(後述)でも「地域防災」のフィールドをもうけ、防災に関する探究活動を行った。

平和

本校の前身である愛知実修女子高等学校の時代に豊川海軍工廠空襲の犠牲になった生徒がおり、本校では先輩の追悼を兼ねて平和活動に従事している。SDGsでは「16 平和と公正をすべての人に」に関連付けられる。

自主活動部を中心とした湊町公園平和記念碑の清掃、豊橋空襲を語りつぐ会主催追悼式への出席、また、パソコン部による定期的な豊橋陸軍墓地の清掃活動への参加など、定期的に平和に関する活動を行っている。

学校設定科目「未来探究」(後述)でも「平和継承」のフィールドをもうけ、戦争と平和に関する探究活動を行った。

福祉

コロナ禍中に中止されていた善意銀行主催の善意フェスティバルが昨年度から復活し、2023年度も5月28日に実施された。本校からは125人の有志生徒が参加して、様々な障害をもつ方々との交流を行った。11月12日には豊橋市社会福祉協議会主催の障害児(者)とボランティアのつどいがあったが、これも今年度から復活した行事であった。有志生徒15人が障害を持つ方々とのレクリエーション交流に取り組んだ。12月14日~15日に有志生徒121人が歳末街頭募金を行い、13万7,947円の募金を集めた。このお金は交流のある福祉施設4園への物品寄贈と盲導犬育成募金、能登半島地震災害義援金寄付に使われた。

学校設定科目「未来探究」(後述)でも「社会福祉」のフィールドをもうけ、福祉に関する探究活動を行った。

国際理解

本校では2016年から国際協働学習プログラム「ジャパンアートマイル」に参加している。このプログラムでパートナー校になったことをきっかけに、2018年に台湾の台南市に所在する国立善化高級中学と姉妹校提携を結び、盛んに国際交流を行ってきた。SDGsでは「17 パートナーシップで目標を達成しよう」などに関連付けられる。

2023年度は、国立善化高級中学との交流は、「ジャパンアートマイル」を通してではなく、両校で独自の交流プログラムを考案し、実施した。日本側の担い手となったのは2年生大学選抜コース生徒たちである。2月には修学旅行で同校を訪問する予定で、その事前学習の位置づけで国際交流を行った。

代わって「ジャパンアートマイル」の担い手となったのは2年生キャリアデザインコースの有志生徒たちである。学校設定科目「未来探究」(後述)で「国際理解フィールド」を選んだ生徒が参加した。相手校はリトアニアのローリナス・イヴィンキス高校になった。今年は「貧困」をテーマに協働学習を行った。一学期から探究学習を開始し、9月からは月一度のオンライン会議を行った。SDGsでは「1 貧困をなくそう」に関連付けられる。

2024年1月現在、壁画は相手校にあり、3月には完成したものが日本側に送られてくる予定である。

地域の文化遺産

豊橋市の豊橋公園には元々吉田城が建っており、当時の石垣や復元された鉄櫓などが残っている。そのお堀の清掃をしようと呼び掛ける市民団体「吉田城の堀さげ隊」が発足し、市民に参加の募集があった。1月13日に、同団体主催のお堀の清掃活動があり、本校から36人の有志生徒が参加した。

国際デー

本校では「ワールドフライデー」と称し、毎週金曜日の朝の10分間の時間に各教科が持ち回りで担当となって、ESDやSDGsについて全校で考える教育プログラムを実施している。一年を通して、平和、地球温暖化、虫食など、様々な話題が取り上げられた。11月17日に行われた地歴公民科による虫食の回は、10月16日の世界食料デーに関連付けられる。

未来探究

「予測も解決も困難な事象」が次々と起こる中、社会はものすごいスピードで変化し、複雑化している。こうした「激しい変化」に対応するため、「物事を自分事として捉え、自ら問いを立て、情報を集め、考え、行動を起こす力」=「探究する力」を身につけるための場として、2023年度から普通科キャリアデザインコース2年生向けに学校設定科目「未来探究」(週2コマ)が始まった。今年度は、「環境保全」・「地域防災」・「平和継承」・「社会福祉」・「国際理解」の5つのフィールドに分かれており、それぞれのテーマに従って探究学習を行った。

来年度の活動計画

ESD振り返り会(2023年度)

一年のESD活動を振り返り、日本ユネスコ協会連盟から発行される「ボランティア活動認定証」授与の場として、毎年3月に「ESD振り返り会」を全校生徒(1・2学年)参加で実施している。2024年(2023年度)は3月18日(月)に開催予定で、講師として地元出身の植物写真家いがりまさしさんをお呼びする予定である。

学校交流(2023年度)

2月27日から3月1日まで2年生普通科大学選抜コースの生徒たちが台湾へ修学旅行に行く。コロナ禍以来、4年振りの海外修学旅行になる。姉妹校である国立善化高級中学への訪問も久しぶりで、コロナ禍前に育んだ絆の再構築を目指す。

2024年度の活動計画

本校独自のボランティア活動であるリアカーボランティアなど、ESD活動のさらなる充実を行う。2年生普通科キャリアデザインコースの学校設定科目「未来探究」が2年目に入るが、その充実を図る。6月12日には台湾にある姉妹校、国立善化高級中学の代表生徒たちが本校を訪問予定であり、両校の交流が再び活発化することを期待している。

過去の活動報告