2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 持続可能な生産と消費, その他の関連分野

未だに新型コロナウイルス感染の波が断続的に押し寄せて学校行事や活動の制限がある中、「教育を止めない」との信念の下、いくつかの活動は十分な感染対策を行った上で実施した。

海洋/環境

本校伝統のリアカーボランティアは今年度、19回目を開催することができた。近年、伊良湖岬の海岸清掃に特化しており、SDGsでは主に「14 海の豊かさを守ろう」と関連する活動に位置づけられている。生徒会が主催し、有志生徒の参加やPTAの協力によって実施されている。地元のSDGs活動に積極的な廃棄物処理業者と連携し、参加者に向けた廃棄物処理のプラント見学会の開催や海岸清掃で出た廃棄物の運搬をボランティアで請け負っていただくなど、企業と連携しての活動となってきている。2022年度は7月21日~23日の3日間にわたって伊良湖岬西ノ浜海岸にて行われ、参加生徒の延べ人数は214人だった。

リアカーボランティアは夏季休業中の学校行事だが、毎月恒例の委員会活動として「リアカーパトロール」も実施されている。主体となるのは各学級で任命されたユネスコ委員で、有志の参加も募り、学校周辺の美化活動を行っている。

持続可能な生産と消費

ユネスコ委員会、ユネスコ同好会と全校からの有志によって、㈱ファーストリテイリング主催の「”届けよう、服のチカラ”プロジェクト」に参加している。難民の子ども達に贈るための子ども服を豊橋市幼稚園協会と賛同する豊橋市内の幼稚園の協力により集めている。2022年度は、ダンボール箱84箱分、重量1246.4kg、およそ1万着の子ども服を集めることができた。また、NPO法人Reライフスタイルの「エコキャップ回収活動」や「世界寺子屋運動」に全校で取り組んでおり、PETボトルのキャップや書き損じハガキを回収している。

生物多様性

「地域河川の生態系保全活動」と称して学校の近くを流れる柳生川のメダカを中心とした生物の生息調査と特定外来種の防除活動、川の中に入っての清掃活動を豊橋市役所環境部環境保全課と連携しておこなっている。日本固有種であるミナミメダカの確認はできていないが、ミシシッピアカミミガメをはじめとする特定外来種の防除活動により、タモロコなどの在来種の生息が確認できるようになった。より確かな成果、情報を得るために継続した活動・リサーチをおこなっていく。また、今後アカミミガメやアメリカザリガニの取扱規制が厳しくなるため、外来生物取扱いについての啓発活動を行政と連携しておこなうとともに、調査場所を増やしていく予定である。

 

減災・防災

「地域の防災ネットワークづくり活動」と称して、本校・行政・地域自治会が連携して防災対策に向けた活動をおこなっている。災害発生時には、行政による「公助」だけでなく、各自の「自助」や地域住民による「共助」による避難所の設置などが課題となる。そのため、高校生が日頃から防災について知識やノウハウを学び、各地域自治会で開催される防災訓練に豊橋市防災危機管理課と連携して参加することで、地域住民の防災意識向上と高校生自身が防災活動の担い手として広く社会で活躍ができることを目指している。また、日頃から無理なくできる防災対策の提案に向けた活動をおこなっている。

平和

本校の前身である愛知実修女子高等学校の時代に豊川海軍工廠空襲の犠牲になった生徒がおり、本校では先輩の追悼を兼ねて平和活動に従事している。
自主活動部を中心とした湊町公園平和記念碑の清掃、豊橋空襲を語りつぐ会主催追悼式への出席。また、生徒会や有志参加者による豊橋市遺族連合会・平和の塔式典運営のお手伝いや豊橋陸軍墓地の清掃活動など、定期的に平和に関する活動を行っている。
また、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、ウクライナ在住者にインタビューをして現地の状況を聞き、全校で平和について考える機会を設けた。これらの活動は、SDGsの目標では、「16 平和と公正をすべての人に」に当てはまる。

国際理解

本校では2016年から国際協働学習プログラム「ジャパンアートマイル」に参加している。このプログラムでパートナー校になったことをきっかけに、2018年に台湾の台南市に所在する国立善化高級中学と姉妹校提携を結び、盛んに国際交流を行ってきた。コロナ禍により教員・生徒同士の往き来が停止した状態が続いているものの、Google Meetを介して交流し、協働学習を行っている。今年は「平和」をテーマに協働学習を行い、9月から月一度のオンライン会議を行いつつ、自国のユネスコ世界遺産について紹介し合った。ただし、台湾は国連未加盟のため、ユネスコ世界遺産は国内にひとつもない。世界遺産になるべき史跡を紹介してもらった。12月に日本側は協働学習の内容に基づいて壁画を作成し、半分完成したものを台湾側に送付した。SDGsの目標では、「16 平和と公正をすべての人に」と「17 パートナーシップで目標を達成しよう」に当てはまる。

産業

本校では、地元のとよはしロケットクラブと連携し、市内の小学生を対象に「ロケット体験教室」を実施している。本年度は夏休みに実施した。理科部の生徒を中心に企画・立案し、ボランティアの有志生徒とともに事前学習会を重ね当日を迎えている。当日は、参加した小学生に仕組みを説明しながら製作を行い、グラウンドで打ち上げ体験を行った。動力源に火薬を使った50センチほどのロケットを打ち上げ、内蔵したパラシュートで落下してくるロケットをキャッチするなど、小学生との交流を行った。SDGsの目標では、「9 産業と技術革新の基盤をつくろう」「17 パートナーシップで目標を達成しよう」などに該当する。

国際デー

本校では「ワールドフライデー」と称し、毎週金曜日の朝の10分間の時間に各教科が持ち回りで担当となって、ESDやSDGsについて全校で考える教育プログラムを実施している。一年を通して、食品ロス、虫食、生物多様性、ウクライナ問題など、様々な話題が取り上げられたが、その中で保健体育科は6月26日の「薬物乱用防止デー」を取り上げた。

来年度の活動計画

ESD振り返り会

一年のESD活動を振り返り、日本ユネスコ協会連盟から発行される「ボランティア活動認定証」授与の場として、毎年3月に「ESD振り返り会」を全校生徒(1・2学年)参加で実施している。2020年(2019年度)は休校のため中止、2021年(2020年度)と2022年(2021年度)はテレビを使っての実施となったが、2023年(2022年度)は体育館にて対面での開催を計画している。講師ならびに外部評価者として手島利夫先生をお呼びする予定である。