2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 環境, 国際理解, 平和, 健康, その他の関連分野

昨年度に引き続き、本年度も新型コロナウイルス感染拡大の影響で、外部団体と連携したESD活動を実施しにくい状況が続いた。それでも、生徒が主体となって新たに始めた活動もあり、前向きな変化があった年でもあった。

海洋

本校が伝統とする独自のボランティア活動が、夏休み恒例のリアカーボランティアである。生徒会が主催し、有志生徒が参加している。昨年度末には愛知環境賞を受賞し、世間からの評価も高い。SDGsの目標の中では「14 海の豊かさを守ろう」に主に関連しており、海洋ゴミと直接向き合うことで、地球全体の環境問題について考える活動である。今年度は7月22日(木)・23日(金)・24日(土)の3日間行われ、延べ参加人数は164人だった。場所は前年に引き続き渥美半島先端、伊良湖岬の西ノ浜。海岸に打ち上がった海洋ゴミなどを3日間かけて清掃した。集めたゴミの重さは820kgだった。外部との連携も、コロナ禍を考慮しつつ進めており、田原市や地元企業などからの協力を得ている。

国際理解

本校では2学年の一部が修学旅行で台湾に行っている。台湾に行く生徒は、事前に、毎年一般社団法人ジャパンアートマイルのアートマイル国際協働学習プロジェクトに参加し、台南市にある姉妹校、国立善化高級中学とオンラインで交流してきた。今年も9月から毎月1回、相手校とGoogle Meetを使ったオンライン会議を実施し、調べ学習をし、発表を行った後、そのテーマに基づき壁画を共同制作した。今年のテーマは「新型コロナウイルスによるポジティブな変化や感動的なストーリー」であった。SDGsの目標の中では「3 すべての人に健康と福祉を」にあたる。日本側の壁画は完成し、目下、台湾側の作業を見守っているところである。ただし、台湾への修学旅行は昨年度に続き中止となってしまった。また、生徒同士がグリーティングカードの交換も行った。

環境

本校には生徒組織にユネスコ委員会が設置されており、校内の様々なESD活動の推進役となっている。毎月、ユネスコ委員会が主導し、有志参加生徒と共に実施している学校周辺の美化活動リアカーパトロールは、既に生徒の間でも定着し、毎回多くの生徒が自発的に参加するようになった。

また、(株)ファーストリテイリング主催の「届けよう、服のチカラ」プロジェクトにも毎年参加しており、ユネスコ委員を中心に、近隣の幼稚園や保育園と連携して、いらなくなった子ども服を集め、ファーストリテイリングを通して難民の子供たちに送っている。コロナ禍になって以来、本校からは遠慮して呼びかけを行っていないのだが、今まで協力してくれた園から引き続き多くの子ども服を送っていただいており、今年も85箱の子ども服をファーストリテイリングに渡すことができた。

エコキャップ回収や書き損じハガキの回収などもユネスコ委員が中心に行っている他、保健委員が中心となってコンタクトレンズの空きケースの回収も行っている。

これらの活動は、SDGsの「12 つくる責任 つかう責任」に該当する。

平和

本校の前身である愛知実修女子高等学校の時代に、豊川海軍工廠空爆の犠牲になった生徒がおり、本校では先輩の追悼を兼ねて平和活動に従事している。生徒会役員を中心に、湊町公園平和記念碑の清掃、豊橋空襲を語りつぐ会主催追悼式への出席、豊橋市遺族連合会・平和の塔式典への出席など、平和に関する活動を行った。SDGsの目標では、「16 平和と公正をすべての人に」に当てはまる。

生物多様性

豊橋市では、NPO法人朝倉川育水フォーラムが20年以上に渡って朝倉川などの生態系保全活動を行っている。本校も朝倉川育水フォーラムの法人会員となり、有志生徒たちが木のメンテナンスや草刈りなどの活動を行った。

また、豊橋市環境保全課と連携し、生徒会役員を中心とした有志生徒が、学校近くを流れる柳生川の生態系調査を行った。生徒たちは外来種調査・駆除班、メダカ生態系調査班、柳生川清掃企画班の3班に分かれ、それぞれ活動を行い、12月23日には豊橋市役所で専門家を前に調査報告を行った。また、市内東部にある水神池のトンボ種数調査も行った。SDGsの目標では「15 陸の豊かさも守ろう」などに該当する。

産業

とよはしロケットクラブと連携し、市内の小学生を相手にペーパークラフトロケット講座を実施した。まずは理科部を中心とした有志生徒がペーパークラフトの作り方をロケットクラブの方々から学んだ。次に小学生を学校に招き、ペーパークラフトロケットの作り方を教え、実際に本校のグラウンドでロケットを飛ばした。SDGsの目標では「9 産業と技術革新の基盤をつくろう」などに該当する。

来年度の活動計画

ESD振り返り会

毎年3月に学校内で1年のESD活動を振り返りを目的とした発表会「ESD振り返り会」を開催しており、今年度は3月17日に設定している。だが、コロナ禍のために2年連続で中止となっており、今年度もまだ不確定の状態である。通例では外部から講師を招聘して基調講演をしていただいているのだが、講師の選定すらできていない。3年生は既に卒業しているため、1・2年生が参加する行事だが、今の2年生もESD振り返り会は未体験で、継承が途絶えてしまっていることに危機感を感じている。