所在地 〒421-3103 静岡県静岡市清水区由比377番地の1
電話番号 054-375-4510
ホームページ https://www.city.shizuoka.lg.jp/000_003873_00012.html
加盟年 2015

2023年度活動報告

活動分野

海洋, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等

本園の位置する由比地区は、南に駿河湾、北に山々があり自然豊かな地域である。教育に関しても令和7年度から始まるコミュニティースクールに向けこども園も連携を取り、0歳から15歳までの15年間、由比地区の子どもを地域皆で育てていこうという高い意識の中で動いている。園では、地域の人、自然、文化とのつながりの中で充実感を味わい、自分の生まれ育った町に親しみを持ち、地域への愛着のある子どもを育てることを願い活動してきた。しかし、近年、少子化が進み、本園の園児数は激減し、現在年中児2名のみとなり令和7年度に廃園が決まっている。また昨年までコロナ禍ということでできることを模索しながら行ってきた。

1、文化継承に係る活動
由比は東海道の16番目の宿場町であり、宿場の名残の施設や社寺仏閣がたくさん存在する。コロナ中も花まつり、座禅、説法など縮小しながら年4回ほど行った。今年は、コロナが5類に移行したことでこれらの行事も通常に戻り、子どもたちは緊張した面持ちでなかなか体験できない貴重な時間を過ごした。出来事を送迎時に母親に話し、和尚さんの話や足が疲れたことなど楽しそうに話していた。
<伝統工芸士とのかかわり>
由比には駿河人形の人形師である望月氏が店を構えている。店を訪問し、節句の由来や人形を飾る意味などの話を聞いたり店内に飾ってある五月人形や雛人形を拝見する。また工房で、実際に職人さんが人形を作っている様子をみたり着物の生地を触らせてもらうなど間近で伝統工芸というものを感じてきた。子ども同士「きれいだねえ~」「かわいいねえ~」とままごとの人形とは違う高価な感じを味わった。
2、産業にかかる活動
<さくらえび漁船に乗って>
由比は全国的に有名なさくらえびの産地である。近年不漁で自粛していたが、安定した漁獲量が見込め、町は活気を取り戻した。子どもたちも生まれて初めて5年ぶりに開催されたさくらえび祭りの賑わいを味わった。春漁は天候の関係で乗船はできなかったが、定置網漁でとれた魚を見て、「水族館みたい!!」「おさかな触っちゃった!」「ぬるぬるしてる」と生きた魚を見て興奮していた。秋漁では、実際に漁船に乗り操縦室から操縦士気分になって沖へと出港しワクワクする体験をした。駿河湾から由比の町や富士山をを眺め、子どもたちからは「すご~い」と大きな歓声が上がった。「漁師さんてかっこいいな~」子どもたちの素朴な感動や思いを地域愛に繋げていきたい。

<びわの収穫、仕分作業の見学>
びわは、出荷の時期が短く地元でもなかなか口にすることができない貴重な果物である。収穫したびわを大きさで分別し、1つずつ丁寧に箱詰めをする。「そーっと触るんだよ」と教えてもらいながら子どもたちも実際にびわを手にして、サイズごとの分別に挑戦した。そしてお土産にいただいたびわを、園に帰って試食したり、家に持ち帰った。園では、中から出てきた種を植え育てている。お礼の手紙とびわの絵を送り、体験させていただいた農家さんとびわを通して一つ繋がった。来年も継続して深めていきたい。

来年度の活動計画

子どもたちはコロナの流行により自粛的な生活を送って由比のことや良さを全く知らないで過ごしてきた。この町の様々な文化・歴史・産業に触れながら、人、もの、ことと関わることで由比を知り、由比に親しみを持ち、この町に住んでいることに自信と誇りを持ってほしい。このような思いを継続し来年度もこの地域の環境資源を活用しながら積極的に人とのふれあいを積み重ね、子どもの心を動かす活動を行っていきたい。

過去の活動報告