2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解

由比地区では、こども園・小学校・中学校を通じ”15年で由比の子どもを育てる”という共通の思いを持ち、子ども同士の交流の機会を設けたり、教職員の連携を図ったりしている。また、地域が「由比の子は由比で育てる」という高い意識をもっており、子ども達を由比の宝として大切に育もうと関わってくれている。そのため園では、持続的に地域の人材や自然、文化を取り入れ、ESDの実践を通して充実感を味わい、地域や自然を愛し大切にする力の育成を目標として活動してきた。具体的には「地域との連携」を柱に、①自然に関わるかかわる活動 ②文化継承に関わる活動を行った。

①自然に関わる活動

園外保育に出かけ由比漁港や神社の高台からキラキラと光る海を見る体験を通して、子どもの遊びの中にはいつも「海」があった。そこで今年度の年長は″海”をテーマに保育を行い、協同的遊びの中で大きな海に漕ぎ出す船を作った。高台から双眼鏡で見た豪華客船を図鑑で見つけたり、漁港で本物の船を間近で見たことで心を動かし、イメージを膨らめて行った。友達と試行錯誤し、工夫や協力を積み重ね協同性が高まった

②文化継承に関わる活動

由比には社寺仏閣や宿場の名残の施設がたくさん存在している。今年度も新型コロナウイルス感染症の影響で活動が制限されるところがあったが、花祭り、座禅、説法など年に3回和尚さんの話を聞いたり、座禅を体験したりする機会がある。年少、年中のうちは理解が難しい部分もあるが、年長になると「年中の時もやったよね」「こうするんだよ」と和尚さんへの親しみが増し話の内容にも理解を示すようになる。神聖なお寺の中で5分ほど座禅を組む体験をする中で、子どもなりに自分を律する姿が見られた。「お寺でパワーをもらっちゃった」と子ども達は喜び、園に戻ってからも様々な活動に意欲的に取り組むようになった。お寺に訪問した時に、園の教育方針について話をしていくことで地域の方が園の教育を理解し、協力してくださることを感じる事例となっている。

 

 

 

 

来年度の活動計画

文化継承(由比の寺院・望月人形店等)、産業に関わる活動(みかん狩り・由比漁協等)小学校への訪問、陣笠山、由比本陣、漁港への遠足等の園外保育を通して、子ども達が由比を知り由比に親しみを持てるような活動を計画している。年々、由比こども園の園児が減少する中で「どうしたらもっと楽しくなるか」「ワクワクするためには何を行うか」と保育教諭はねらいや活動内容を精査し、子どもの心を動かす活動にする必要がある。

近隣の小中学校の先生方に研究保育の協議に参加していただいたり、職員がESDフォーラムやあそびと生活展、協同的な遊び研修会等に積極的に参加したりすることで、意見交換を行ったり、新たな教育の手立てを学んだりすると共に、次年度はコロナ禍でもできる活動の提案や、他校・他園との関わりも作っていきたいと考える。