2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 環境, 文化多様性, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解

由比地区では、「こども園、小学校、中学校を通じ15年で由比の子どもを育てる」という共通の思いを持ち、子ども同士の交流の機会を設けたり、教職員の連携を図ったりしている。また、地域が「由比の子どもは由比で育てる」という高い意識を持っており、子ども達を由比の宝として大切に育もうと関わってくれている。そのため園では、持続的に地域の人材や自然、文化を取り入れ、ESDの実践を通して充実感を味わい、地域や自然を愛し、大切にする力の育成を目標として活動してきた。具体的には、「地域との連携」を柱に、①自然に関わる活動、②文化継承に関わる活動を行った。

①自然に関わる活動   園外保育で出かけた漁港のクルージングや山に登りきれいな海を見る体験を通して、子供の遊びの中には「海」があった。そこで、今年度の年長は、❝海❞をテーマに保育を行い、協同的遊びの中で竜宮城をみんなで作った。園外保育に出かけ、神社の高台や阿僧の山に登って見た空と雲を見て「リュウグウノツカイが泳いでいるよ!」と心を動かし、イメージを膨らめた。友だちと協力や工夫を積み重ね、協同性が大きく高まった。

②文化継承に関わる活動   由比には寺社仏閣や宿場の名残の施設がたくさん存在している。花祭り、座禅、など年に2回ほど和尚さんの話を聞いたり、座禅を体験したりする機会がある。年少、年中のうちは話の内容が難しい部分もあるが、年長になると「年中の時もやったよね!」「こうするんだよ」とお寺や和尚さんへの親しみが増し、話の内容も理解できるようになる。神聖なお寺で5分程座禅を組む体験をする中で、子どもなりに自分を律する姿が見られた。「お寺でパワーをもらっちゃった」と子ども達は喜び、園に戻ってからもいろいろな活動に意欲的に取り組むようになった。お寺に訪問した時に、園の教育方針について話をしていくことで、地域の方が園の教育を理解し、協力してくださることを感じる事例となっている。

 

 

 

 

 

来年度の活動計画

文化継承(由比の寺院、望月人形店等)、産業に関わる活動(夏みかん狩り、みかん狩り、由比漁港)、小学校の校庭訪問、漁港や陣笠山への遠足等の園外保育を通して、子ども達が由比を知り、由比に親しみを持てるような活動を計画している。年々、由比こども園の園児が減少する中で「どうしたらもっと楽しくなるか」「ワクワクするためには何を行うか」と保育教諭はねらいや活動内容を精査し、子どもの心を動かす活動につなげる必要がある。

近隣の小中学校の先生方に研究保育の協議に参加していただいたり、職員がESDフォーラムや遊びと生活展等に積極的に参加することで、意見交換を行ったり、新たな教育の手立てを学んだりすると共に、次年度はコロナ禍でも行える活動の提案や、他園、他校との関わりも増やしていきたいと考える。