所在地 〒422-8014 静岡県静岡市駿河区青沢240番地
電話番号 054-237-1713
ホームページ https://www.city.shizuoka.lg.jp/000_003873_00006.html
加盟年 2017

2024年度活動報告

活動分野

環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 食育

本園の近くには、歩いていくことのできる距離に国宝の久能山東照宮があり、園のすぐ前には、地域の方から無償でお借りしている畑がある。地域の方々は園に対し好意的で園児の成長を温かく見守ってくださっている。若い世代の地元離れが進み、今年度の在園児は2名と入園児数の激減が深刻化する中だが、園を取り巻く地域の人的、物的環境は、自園の強みであり、地域の自然や文化に触れたり、人との関わりをもったりする体験活動を展開しやすい。小規模園のフットワークの良さを活かし、体験を繰り返し積み重ねるなど、他園ではなかなか難しい密度の濃い実践に繋げられるのも自園ならではと感じている。今年度も、地域や久能山東照宮との繋がりを生かした栽培活動や食育活動、高齢者との交流などの実体験を大切にしながら、貴重な文化や身近な人に親しみを持てるように工夫し、人・自然・文化、しいては地域への愛着の心の育成を願って実践を積み重ねてきた。

1.季節を感じる栽培活動

今年も畑では四季折々の野菜や花を育て、その生長の様子は園児のみならず、道行く地域の方々の楽しみにも繋がり沢山の喜びが生まれていた。子ども達が毎日水やりや草取りをして育てながら生長を喜んだり、うまくいかず心配したり、時にそこで見つけた青虫を育ててみたり、収穫した野菜はクッキングをして旬を味わったりと五感をフル稼働させる活動となった。クッキングの際に出る野菜の皮や下葉に竹粉を混ぜ、毎日かき混ぜることで分解させ出来上がった堆肥は、畑の土にすき込んで次の作物を育てていく循環型の栽培体験も実施を継続できている。

2.久能山東照宮とかかわる活動

久能山東照宮へは、年間を通して園外保育に出かけ、様々な体験活動を楽しんでいる。親子で梅林の梅摘みをさせていただき、園に持ち帰って梅干しと梅ジュースに仕立てた。赤シソも畑で育て、地域の方に先生になっていただいて、シソ揉みをはじめとする昔ながらの梅干しづくりを体験。出来上がった梅干しは、久能山東照宮への奉納やお世話になっているご近所、交流を重ねているお年寄りの方々に感謝の気持ちを込めてプレゼントするなどして喜んでいただいた。

また、子ども達が作成した七夕飾りや短冊の奉納を通して、お祓い等の儀式の体験や学芸員さんによる東照宮内の案内など、文化財に触れる貴重な経験もできた。度々足を運ぶことで、深い緑や美しい装飾に囲まれた荘厳な東照宮への興味が高まると同時に、禰宜さんや巫女さんの優しさにも触れて訪問を楽しみにする姿が見られている。

3.地域とつながる活動

自治会長さん宅への園便りのお届や、ご近所に収穫野菜のおすそ分けをするなど、子ども達が地域の方と積極的に挨拶や言葉を交わしたり、月2回の自園を拠点としたS型デイサービスのお年寄りとの交流、栽培活動への応援をお願いしたりと地域の方とかかわる機会を持つことを大切にしてきた。お年寄りとの交流では、一緒に歌ったり話をしたり、ゲームをしたり、時には活動の成果を見ていただいたりする中で、スキンシップや温かな言葉、褒めなどの優しさに触れ安心して過ごす姿がある。順調に回を重ね、一緒に過ごす貴重な時間が子ども達の自己肯定感を高めたり、お年寄りの励みに繋がったりしていることに価値を感じている。

来年度の活動計画

次年度も自園ならではの貴重な体験を積み重ねていく中で、地元の文化を身近に感じたり、たくさんの人とかかわり、繋がっていくことを喜びに感じられる子の育成を目指していく。

1.季節を感じる栽培活動

・栽培→収穫→クッキング→生ごみの堆肥化→土づくり→種まき…の循環型の栽培の継続

2.久能山東照宮とかかわる活動

・東照宮梅林の梅の梅干し作りと奉納、近所へのおすそ分け

・久能地区の子ども代表としての儀式への参加

・園外保育を重ね、学芸員の協力を得るなどして、より東照宮への興味関心の芽を育む

3.地域とつながる活動

・月2回のお年寄りとの活動の内容を充実させ、心の繋がりを深める

・「シソ揉み先生」「畑の先生」など活動を支えてくれる地域人材とのかかわりを広げ、感謝の気持ちを伝えるやり取りをしていく

過去の活動報告