2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

気候変動, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 食育

久能こども園教育保育目標を「心豊かでたくましく」とし、ユネスコスクールとして重点的に取り組む3つの分野を通して、地域への愛着心・久能山東照宮と自然の営み・人や栽培物への思いやりを育む力の育成を目標としている。久能地域は高齢化が進み子どもが減少し、こども園や小学校に通う子どもの数も著しく減っている。今年度は入園児がいなかった為、4歳5歳の継続児のみで教育保育が行われ。発達に差がある子どもが多いが、子どもたちは一人一人の違いを受け入れ、相手に合わせたり助けてあげる姿も自然な姿として日々の生活の中でみられる。

 

「地域の人や身近な人と繋がる活動」

“なかよし農園”では、これまで野菜の栽培を中心に行ってきたが、今年度は季節の花の栽培にも力を入れた。地域はいちごや野菜を作っている家がほとんどであり、いつも園の野菜の生長に関心を持ってくれアドバイスや声をかけてくれる。そんな地域の方も心癒され、目でも楽しめるような可愛い花づくりもしていきたいと花の栽培も始めた。野菜と花の咲くイメージを持ちながら皆で植え付けを行った。地域の方は花の生長にも野菜同様に声をかけ一緒に楽しんでくれた。また、地域や保護者の方、お年寄りに子どもたちが摘んだ花で花束を作ったり、ドライフラワーや自然物と一緒に制作物を作ってプレゼントして交流を楽しんだ。今年は、地域の人や身近な人との繋がりだけではなく、栽培活動への興味や関心も昨年より深まり、畑にいる時間も長くなった。

 

「久能残東照宮とかかわる活動」

今年度は継続時のみのスタートとなった為、4月14日の久能山東照宮へのご挨拶も4歳児も一緒に行くことができた。園から久能山東照宮までの片道2キロと石段1153段。全員で登ることはできないが、毎回参加の仕方を考え保護者にも協力してもらいながら活動をしている。5月16日には親子で梅摘みを行い、各自のケースいっぱいに親子で摘んだ梅を入れ園に戻った。その日のうちにへたを取り梅干し用と梅ジュース用の名前の書かれた瓶に分けて入れた。今年は各自の瓶にしたことで瓶の中の様子もいつでも見られ変化にも気づきやすく、友だちのものと見比べたり、出来上がりを楽しみながら心待ちにしている様子が見られた。今まではたくさんの量を園で子どもと職員が一緒に作り、お世話になっている方におすそ分けすることも目的の一つとしてきたが、今年は子どもの現状を考え、保護者も一緒に体験したことで久能山東照宮への関心を深めた。また、年4回ほど登ったり参拝する中で、建造物を身近に見たり感じたりし文化遺産に触れることができた。

 

「季節を感じる栽培活動」

“なかよし農園”の栽培物は、天候の影響もあってか昨年よりも大きく育ったもの、反対に小さかったり枯れてしまったものもあり、子どもたちは喜んだりがっかりしたりする姿が見られた。野菜作りのプロである地域の方に聞いてみたりもしたが、やはり天候の影響も大きいと教えてもらった。収穫したものは、その場で職員が調理したり皆でクッキングを楽しんだりした。素材に過敏で食べることに興味が持ちにくい子どもたちだが、収穫した野菜は少しでも口にできるようになった。また、お迎えの時に親子で収穫して持ち帰ったものを家で料理してもらい一緒に食べてもらうことにも協力をお願いした。あまり好きではないものでも、自分が草を取ったり水播きして大きくなったと自慢げに話す子もいたようだ。楽しい経験を食べる経験に重ねながら取り組み、食べてみよう! 食べられた! という気持ちが見られた。保護者の食育に対する意識も変わってきている。

 

 

 

来年度の活動計画

毎年減少している子どもの人数が令和5年度は支援の必要な子どもと健常児2名となる。意味を理解することは難しい子もいるが、こども園でのいろいろな体験を五感で感じ心に残る楽しい経験をしてほしい。

1 地域の人とのつながりを深める

・”なかよし農園”を通していろいろな人との関りを持つ

・毎月の園だよりを届ける活動から地域探検や人との出会いを楽しむ

・地域のお年寄りとの交流を持つ

 

2 文化遺産である久能山東照宮や梅園の四季を五感で感じる

・久能山東照宮への親しみが持てる活動

・梅園の梅を使った梅干しづくりを体験する

 

3 季節を感じる栽培活動

・毎日継続する”畑のお仕事”を通して、季節の野菜や花の生長に気づいたり楽しんだりする

・自分たちが育てたものを収穫し食べる楽しさを感じる

・保護者と収穫やクッキングなどから楽しさを共有し、関心を高めながら食育に繋げていく