2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 世界遺産・地域の文化財等, 人権

本園は、令和元年度「心豊かでたくましい子」を園教育・保育目標「自分の思いや友達の思いを大切にする子~伝える力・聴く力の育成~」として取り組んだ。その中でESDを人や物とのかかわりを主体的に学ぶ場として捉え、ESDの実践を通して地域への愛着心、人や栽培物への思いやり、コミュニケーション力の育成を目標とした。具体的には、「久能山東照宮のうめを活用した自然の営み・地域との繋がりを重視した保育」を柱に、①季節を感じる栽培活動、②東照宮と関わる活動、③地域の人や身近な人と繋がる活動を行った。①季節を感じる栽培活動:地域の方のご厚意で貸して頂いている畑「なかよし農園」が園のすぐ前にあり、四季折々の野菜や花を育てている。子ども達が水やりや草取り、害虫駆除をして、野菜を育てながら五感を通して匂いや色、形、生長していく様子など、発見したり、収穫したものを子ども達がクッキングして食べたりした。その中で、苦手だったものを自分から食べてみて「おいしかった」と思えたり、「おいしい野菜には虫も集まってくる」ということに気づくことができた。②東照宮と関わる活動:1年を通じて何度か久能山東照宮にでかけている。その際梅園にも出かけ、梅の花の美しさ、香、変化など五感で感じてくる。5月になると久能地域で1番に梅摘みをさせて頂く。摘んだ梅は園に戻るとすぐにへたを取り、塩もみをして樽に漬け込む。また、梅干しに入れる赤しそは園の畑で子ども達と栽培、収穫を行っている。赤しそは「しそもみ」をした後樽に漬け込み、8月に職員が土用干しをして梅干しが完成する。10月には完成した梅干しを東照宮に奉納している。学芸員さんに博物館を案内してもらったり、文化財の意味を教えてもらう等学びの場があった。③地域とつながる活動:例年地域の高齢者に「しそもみ先生」になってもらうが体調不良により中止。昨年教えてもらったことを思い浮かべながらの挑戦となった。手触り、色、香りの変化を感じながらしそもみの体験を行った。梅干しができると元気になった「しそもみ先生」に報告し届けたり、地域の敬老会や祖父母会でプレゼントをし喜んでもらえたことにも嬉しさを感じていた。お招き会ではいろいろなふれあいあそびを楽しみ、会食の時にはおしゃべりも弾んでいた。温かな雰囲気に包まれ親しみを感じることができた。

来年度の活動計画

①季節を感じる栽培活動
・地域の方からの学びを栽培に生かし、食育活動も充実していく
・収穫したものは、地域の方にも報告を兼ねお礼をすることで繋がりを深めていく
②東照宮と関わる活動
・東照宮が四季を通して身近な存在に感じられるよう園児で出かける。また、学芸 員さんに協力を求め、東照宮の建造物に込められた意味を対話的に学んでいく
・梅園の梅を通し、多くの体験から学んだことを「奉納」という形から感謝の気持ちに繋げていく
③地域とつながる活動
・「しそもみ先生」「畑の先生」「いちご作りの先生」など地域の方との関わりを広げ、教えてもらいながら繋がりを深めていく
④「命の大切さ」を伝える津波訓練
「自分の命は自分で守る」を合言葉として訓練を重ねる
・地震発生から4分で大津波が発生する為、1分1秒を争う避難行動を意識する