所在地 〒180-0013 東京都武蔵野市吉祥寺北町3-3-1
電話番号 0422-37-3488
ホームページ https://www.seikei.ac.jp/gakuen/
加盟年 2019

2024年度活動報告

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 持続可能な生産と消費, 食育, ジオパーク

成蹊学園では、100 年に及ぶ栽培活動や気象観測の歴史に代表されるように、体験型・観察型の理科・環境教育を行ってきた。そして、成蹊の各学校は、本物にふれる教育、本物を体験する教育を基に、持続可能な未来に向けた教育実践を蓄積し継続している。具体的には、観察、観測、体験を柱に、(1)ESD理念と成蹊教育に係わる活動、(2)地域理解・地域実践、(3)自然・環境理解に係わる教育、(4)国際理解に係わる学習、(5)人権理解・共生社会に係わる活動を行った。これは、ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野に通ずるものである。

(1)ESD理念と成蹊教育に係わる活動
本学の各学校におけるESDの取り組みを広く紹介し、相互の意識啓発を図るため、ESD成蹊フォーラムを開催した。また、持続可能な将来を視野に入れた活動を行っている個人や団体を表彰するサステナビリティ大賞を実施しESD理念の普及を図った。

(2)地域理解・地域実践に係わる教育
小学校では、身のまわりの環境について考えたこと、調査したことを地図にする「環境地図」を作成した。地域の諸問題を考察する力や見聞したことを調査分析する力を身に付ける重要な機会となっている。中高では、昨年度に続き地元・吉祥寺の街でのゴミ拾いを実施。武蔵野市が主催するエコマルシェにも出店し、生徒たちが学園のケヤキの枝で作ったグッズ等を配布した。また、吉祥寺を舞台とした探求学習の実践として、生徒たちが考えたキャラクターのグッズがあたる抽選会「ハーモニカよこちょ祭」を企画・実施した。中学2年生は武蔵野市役所の協力を得て、福祉・教育・芸術・異文化交流・産業など、八つのテーマに分かれ、武蔵野市の抱える問題を解決する今年度の探究学習のテーマとして、文化祭、学年末のプレゼン大会を実施。中学1年生はSDGsにからめた怪獣作りとプレゼンを文化祭で発表した。

(3)自然・環境理解に係わる教育
小学校では「こみち科」(本校独自の生活科や総合的学習の時間)において、堆肥作り、園芸実践、植物観察及び食育、養蜂・蜂蜜の採集などを行った。中高では、付設の気象観測所の設備を活用して生徒による気象観測を継続しているほか、理科の授業を中心に、自らの五感で環境科学的関心と素養を身につけられるよう指導している。学園が主催し、武蔵野市・三鷹市内の小学生を対象とした気候変動に関するイベントや、宇宙と地球を知るシンポジウムも行った。中学の夏の学校では、中学1年生は八島湿原観察、中学2年生は信州一帯の博物館・自然環境保全研究所の協力を得て体験学習を実施した。

(4)国際理解に係わる学習
小学校では、国際学級児童によるプレゼンテーションを実施し、身近な仲間が生活していた国を知ることで、外国に興味関心をもち、文化の違いを受け入れる素地を養うことができた。また、オーストラリア体験学習を実施し、ホームステイや現地の小学校での経験を通じて、オーストラリアの文化理解と相互交流を深めることができた。中高では各種の留学プログラムを実施し、派遣・受入れとも多くの生徒が参加した。また、ベルギー・アメリカから来た留学生と学園の食材を利用したクッキーづくりと茶話会を開催。来る2月には留学生との茶道体験会を実施する予定。

(5)人権理解・共生社会に係わる活動
小学校では2019年から株式会社ファーストリテイリングとUNHCRが取り組む「”届けよう、服のチカラ” プロジェクト」に参加している。6月20日の「世界難民の日」を前に、回収された服がどのように難民の方まで届くのかをテーマとした特別課外授業に参加した。事前の授業では、難民の子どもたちに向けて折り紙や手作りのおもちゃなどのギフトを用意した。高校では「マイノリティ性や多様性を可能性として認め合う」ことを目標に掲げ、スクール・ダイバーシティという活動を2013年度から行っている。中学校では今年度も継続して、中学3年生全クラスを対象に国語科の授業で1/14~1/17の各クラス3時間、 SDGsを取り扱った演劇のワークショップの授業を行った。「SDGsをあきらめた世界」を想像し、創作した場面を演じることによって理解を深めた。

来年度の活動計画

引き続き、各校が、(1)自然・環境理解、(2)地域理解・地域実践、(3)国際理解、(4)人権・共生社会の4領域から独自の取り組みを行って行くとともに、サステナビリティ教育研究センターはこれを支援し可視化するために、普及啓発、ネットワーキング、人材養成、コンテンツ発信と行った事業を推進していく。地域、企業との連携も含め、ユネスコスクール、地域ESD活動推進拠点、ASPUnivNet加盟校(成蹊大学)として、然るべき責任を果たしていく。

過去の活動報告