2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等

成蹊学園では、100 年に及ぶ栽培活動の歴史、90余年の気象観測の歴史に代表されるように、体験型・観察型の理科・環境教育を行ってきた。そして、成蹊の各学校は、本物にふれる教育、本物を体験する教育を基に、持続可能な未来に向けた教育実践を蓄積し継続している。具体的には、観察、観測、体験を柱に、(1)ESD理念と成蹊教育に係わる活動、(2)地域理解・地域実践、(3)自然・環境理解に係わる教育、(4)国際理解に係わる学習、(5)人権理解・共生社会に係わる活動を行った。

(1)ESD理念と成蹊教育に係わる活動
本学の各学校におけるESDの取り組みを学園関係者及び地域住民、広く教育関係者に紹介し、相互の意識啓発を図るため、毎年4月に開催しているESD成蹊フォーラムは中止となったが、「アフターコロナのSDGs/ESD~希望にあふれる未来のために~」のテーマでオンライン講演会とリレーコラムを継続して実施し、ESD理念の普及を図った。また、2019年度の活動報告を掲載した紀要「サステナビリティ教育研究」第2号を発刊した。

(2)地域理解・地域実践に係わる教育
小学校では、身のまわりの環境について関心を持ったこと、考えたこと、調査したことを地図にする「環境地図作品展」を開催した。地域の諸問題を捉え解決に向けて行動する意欲を高め、問題を考察する力や見聞したことを調査分析する力を身に付ける重要な機会となっている。

(3)自然・環境理解に係わる教育
小学校では「こみち科」(本校独自の生活科や総合的学習の時間)において、栽培活動(堆肥作り、園芸実践、植物観察及び食育)、養蜂・蜂蜜の採集などを行った。また、JAXAの教授による特別授業を行い、児童は最新の宇宙科学に触れることができた。中高においては、付設の成蹊気象観測所の観測設備を活用して生徒自らによる気象観測を継続しているほか、理科の授業を中心に、自らの五感で環境科学的関心と素養を身につけられるよう指導している。

(4)国際理解に係わ学習
小学校では「国際理解」授業として、国際学級児童による発表会を行い、長期海外生活した児童から、様々な国の話を聞くことで、日本以外の外国の文化や習慣を知ること、さらに日本の文化や習慣をあらためて知ることが出来た。また、オーストラリア体験学習をオンラインで実施し、コロナ禍において3日間にわたる現地小学校との交流を実現した。中高では多彩な留学先のひとつであるアメリカのセントポールズ校との留学プログラムの更なる充実を目指し、交流70周年記念誌を発行した。生徒が立ち上げた国際交流団体は、校内における国際交流を活性化させるべく継続的に活動している。

(5)人権理解・共生社会に係わる活動
高校では「マイノリティ性や多様性を可能性として認め合う」ことを目標に掲げ、スクール・ダイバーシティという活動を2013年度から行っている。今年度は、オンラインの活動が中心となったが、ダイバシティの発想で研究をしている先輩大学生の報告を聞く「ダイバーシティ・ゼミ」や上映会、トークライブ等を実施した。

来年度の活動計画

引き続き、各校が、(1)自然・環境理解、(2)地域理解・地域実践、(3)国際理解、(4)人権・共生社会の4領域から独自の取り組みを行って行くとともに、サステナビリティ教育研究センターはこれを支援し可視化するために、普及啓発、ネットワーキング、人材養成、コンテンツ発信と行った事業を推進していく。地域、企業との連携も含め、ユネスコスクール、地域ESD活動推進拠点、ASPUnivNet加盟校(成蹊大学)として、然るべき責任を果たしていく。