2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 持続可能な生産と消費, ジオパーク

成蹊学園では、100 年に及ぶ栽培活動の歴史、90余年の気象観測の歴史に代表されるように、体験型・観察型の理科・環境教育を行ってきた。そして、成蹊の各学校は、本物にふれる教育、本物を体験する教育を基に、持続可能な未来に向けた教育実践を蓄積し継続している。具体的には、観察、観測、体験を柱に、(1)ESD理念と成蹊教育に係わる活動、(2)地域理解・地域実践、(3)自然・環境理解に係わる教育、(4)国際理解に係わる学習、(5)人権理解・共生社会に係わる活動を行った。これは、ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野に通ずるものである。

(1)ESD理念と成蹊教育に係わる活動
本学の各学校におけるESDの取り組みを広く紹介し、相互の意識啓発を図るため、毎年開催しているESD成蹊フォーラムをオンデマンド配信した。また、昨年度に引き続きアフターコロナをテーマにオンライン講演会とリレーコラムを実施し、ESD理念の普及を図った。8月には、第2回ユネスコスクール関東ブロック大会を主催し、分科会で小学校におけるオーガニックコットンを題材にした授業を公開した。

(2)地域理解・地域実践に係わる教育
小学校では、身のまわりの環境について関心を持ったこと、考えたこと、調査したことを地図にする「環境地図作品展」を開催した。地域の諸問題を捉え解決に向けて行動する意欲を高め、問題を考察する力や見聞したことを調査分析する力を身に付ける重要な機会となっている。

(3)自然・環境理解に係わる教育
小学校では「こみち科」(本校独自の生活科や総合的学習の時間)において、栽培活動(堆肥作り、園芸実践、植物観察及び食育)、養蜂・蜂蜜の採集などを行った。中高においては、付設の成蹊気象観測所の観測設備を活用して生徒自らによる気象観測を継続しているほか、理科の授業を中心に、自らの五感で環境科学的関心と素養を身につけられるよう指導している。また、イベントとして、本学を含む武蔵野市内の小学生を対象とした地球温暖化に関する講義とワークショップや、宇宙と地球を知るシンポジウムを行った。

(4)国際理解に係わる学習
コロナ禍でも国際交流の機会を作るべく、小学校では、国際学級児童がインドの小学生とのZoomを通した交流会を行い、中高ではオンラインでの短期留学を実施した。中高で生徒が立ち上げた国際交流団体は、校内における国際交流を活性化させるべく継続的に活動している。

(5)人権理解・共生社会に係わる活動
高校では「マイノリティ性や多様性を可能性として認め合う」ことを目標に掲げ、スクール・ダイバーシティという活動を2013年度から行っている。ダイバーシティの発想で研究をしている先輩大学生の報告を聞く「ダイバーシティ・ゼミ」や茶話会、トークライブ等を実施した。

関東ブロック大会分科会

地球温暖化に関するイベント

来年度の活動計画

引き続き、各校が、(1)自然・環境理解、(2)地域理解・地域実践、(3)国際理解、(4)人権・共生社会の4領域から独自の取り組みを行って行くとともに、サステナビリティ教育研究センターはこれを支援し可視化するために、普及啓発、ネットワーキング、人材養成、コンテンツ発信と行った事業を推進していく。地域、企業との連携も含め、ユネスコスクール、地域ESD活動推進拠点、ASPUnivNet加盟校(成蹊大学)として、然るべき責任を果たしていく。