2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 持続可能な生産と消費, 食育, ジオパーク

成蹊学園では、100 年に及ぶ栽培活動の歴史、90余年の気象観測の歴史に代表されるように、体験型・観察型の理科・環境教育を行ってきた。そして、成蹊の各学校は、本物にふれる教育、本物を体験する教育を基に、持続可能な未来に向けた教育実践を蓄積し継続している。具体的には、観察、観測、体験を柱に、(1)ESD理念と成蹊教育に係わる活動、(2)地域理解・地域実践、(3)自然・環境理解に係わる教育、(4)国際理解に係わる学習、(5)人権理解・共生社会に係わる活動を行った。これは、ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野に通ずるものである。

(1)ESD理念と成蹊教育に係わる活動
本学の各学校におけるESDの取り組みを広く紹介し、相互の意識啓発を図るため、毎年開催しているESD成蹊フォーラムをオンデマンド配信した。また、昨年度に引き続きアフターコロナをテーマにリレーコラムを実施しESD理念の普及を図った。12月20日には、コラムの掲載に併せ「人間の連帯国際デー」の周知を行った。

(2)地域理解・地域実践に係わる教育
小学校では、身のまわりの環境について考えたこと、調査したことを地図にする「環境地図作品展」を開催した。地域の諸問題を考察する力や見聞したことを調査分析する力を身に付ける重要な機会となっている。中学では、吉祥寺の街でのゴミ拾いを実施。学園と地域が抱えるゴミ問題を調査・取材し、次のアクションを考える契機とした。

(3)自然・環境理解に係わる教育
小学校では「こみち科」(本校独自の生活科や総合的学習の時間)において、堆肥作り、園芸実践、植物観察及び食育、養蜂・蜂蜜の採集などを行った。中高では、付設の気象観測所の設備を活用して生徒による気象観測を継続しているほか、理科の授業を中心に、自らの五感で環境科学的関心と素養を身につけられるよう指導している。学園が主催し、武蔵野市内の小学生を対象とした気候変動に関するイベントや、宇宙と地球を知るシンポジウムも行った。

(4)国際理解に係わる学習
小学校では、国際学級児童によるプレゼンテーションを実施し、身近な仲間が生活していた国を知ることで、外国に興味関心をもち、文化の違いを受け入れる素地を養うことができた。オーストラリアの小学校と3日間にわたってオンラインによる交流も行った。中高では各種の留学プログラムが再開し、派遣・受入れとも多くの生徒が参加した。

(5)人権理解・共生社会に係わる活動
高校では「マイノリティ性や多様性を可能性として認め合う」ことを目標に掲げ、スクール・ダイバーシティという活動を2013年度から行っている。また、9月21日の「国際平和デー」には、中学生が英国ユネスコスクールの「Arts & Culture for Peace」事業に参加するための動画作品の制作をスタートしている。

来年度の活動計画

引き続き、各校が、(1)自然・環境理解、(2)地域理解・地域実践、(3)国際理解、(4)人権・共生社会の4領域から独自の取り組みを行って行くとともに、サステナビリティ教育研究センターはこれを支援し可視化するために、普及啓発、ネットワーキング、人材養成、コンテンツ発信と行った事業を推進していく。地域、企業との連携も含め、ユネスコスクール、地域ESD活動推進拠点、ASPUnivNet加盟校(成蹊大学)として、然るべき責任を果たしていく。