所在地 | 〒968-0601 福島県南会津郡只見町大字小林字上照岡1336番地 |
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電話番号 | 0241-86-2216 |
ホームページ | http://kir523528.kir.jp/?page_id=41 |
加盟年 | 2017 |
2024年度活動報告
生物多様性, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 持続可能な生産と消費, 食育, エコパーク
本校は「明るく思いやりのある子ども」「自ら進んで学習する子ども」「強くたくましい子ども」の育成を教育目標に掲げ、目指す子どもの姿を『自律』『尊重』『責任』とし、日々の教育活動を行っている。
また、「地域に根ざす教育<ESD-只見学>」として、生活科や総合的な学習の時間を中心に「郷土への誇りと愛情をもち、広い視野で郷土只見の未来を見つめる力」の育成に向け、「只見愛を育み、故郷の豊かな存続に寄与できる人材を育てる教育」の実践に努めてきた。
ESDを基盤に子どもたちの見方・考え方を広げるとともに、資質・能力を育んでいくことができるよう、2024年度は大きく3つの活動を展開した。
① ユネスコエコパーク只見の豊かな自然を再発見する活動
② ふるさとの自然と人々の生活との関わりに関する学習 ③ 地域伝統芸能の歴史や文化を知り、親しむ活動 |
① ユネスコエコパーク只見の豊かな自然を再発見する活動
学校周辺の自然や「ふるさとの森」として指定されている「恵みの森」「癒しの森」等の雄大なブナ林や渓流において、観察・実験・体験活動を実施。1・2年生が「恵みの森」、3・4年生が「癒しの森」と継続的に足を運び、豊かな自然を学びの場としている。体験を通して、五感を使って「ひと・もの・こと」と出あい、積極的に関わり合うことで、只見町の自然の豊かさやよさに気付くとともに、森林の役割や雪との関係、自分たちの生活との関わりについて学ぶことができた。この経験が、5・6年生段階における社会科や理科といった各教科等における学習内容と結び付き、さらなる理解につなげることができている。
② ふるさとの自然と人々の生活との関わりに関する学習
豪雪地帯である只見町の気候・風土の中で育まれてきた農産物と、それらを大切に食文化としてつないできた人々。栽培活動を通して、ふるさとの自然と自分たちの生活との関わりについて体験的に、そして系統的に学んできた。1・2年生は生活科の授業を中心に、学校農園にてさつまいもや大豆など簡単な作物を育て収穫。3・4年生は総合的な学習の時間において、地域に伝わる「健次なす」を栽培。収穫したなすは町の給食センターにて調理され、給食の献立の一部として町内の学校へ。地産地消について考えるきっかけとなった。5・6年生は田植えや稲刈りを実際に体験しながら、米作りから地域の産業について考えを広げることができた。また、すべての学年において地域人材を講師として活用するとともに、「打ち豆」や「だんごさし」といった伝統食や年中行事についても体験しながら教えていただいた。自然だけでなく、地域の「人」との関わりを通して、自然の恵みや食文化、年中行事について学ぶことができた。
③ 地域伝統芸能の歴史や文化を知り、親しむ活動
学区内に伝わる「大倉八木節」、県の重要無形文化財に指定されている数百年の歴史を持つ「小林早乙女踊り」「梁取神楽」といった地域の伝統芸能が連綿と受け継がれており、保存会を中心に今でも継承されている。
本校では、1・2年生が「大倉八木節」、3年生が「小林早乙女踊り」、4年生が「梁取神楽」について教育課程に位置付け体験的に学んでいる。子どもたちは、地域の方々に手取り足取り直接習い身に付けていき、平成28年度から設定された「伝統芸能発表会」において、地域の方々に発表している。今年もたくさんの地域の方が来校し、温かな目で子どもたちの姿を見ていただいた。今現在も受け継がれている伝統芸能ではあるが、少子高齢化の影響もあり、先行きの不安はぬぐえない。学校での取組は、子どもたち自身が地域の伝統を継承する一人としての自覚を深めるとともに、伝統芸能継承の一助として地域の方々の要望にもなっている。地域と学校のよりよい関係の構築へとつながっている。
5・6年生は、ESDで学んだことを成果発表会として町内の他の小・中学校へ発表・発信している。町内の児童との交流活動・共通実践により、互いの学びの理解、町としての学びの深まりにつながった。学習発表会や伝統芸能発表会、研究授業等において、自分達の学びを発信したり、他校の実践発表を聞いたりすることを通して、さらに自分達の実践について振り返り、実践の成果と課題について把握するだけでなく、学びを改善したり自覚したりすることにつなげることができた。
来年度の活動計画
1月:伝統芸能(「大倉八木節」「小林早乙女踊り」「梁取神楽」)の練習開始 ※ 講師:地域伝統芸能保存会
2月:只見町ESD成果発表会への参加
伝統芸能発表会の開催【地域の方々に向けて3つの伝統芸能(「大倉八木節」「小林早乙女」「梁取神楽」)の披露】
学校運営協議会での活動確認と振り返り、次年度に向けた活動企画案の共有
4月:全教職員による、活動計画(令和7年度分)の確認
学校運営協議会での活動計画確認と協力依頼
5月:関係機関や地域人材との活動打ち合わせ
6月:「明和発見タイム」における、地区内の森林散策、地域産業理解
9月:遠足による自然体験活動・各種施設見学学習
10月:学習発表会による学習の成果の発信
11月:学校運営協議会での活動確認と協力依頼
12月:只見おもしろ学検定の実施