• けせんぬましりつまついわちゅうがっこう
  • 気仙沼市立松岩中学校

  • Kesennuma Municipal Matsuiwa Junior High School
  • 種別 地区
  • 主な活動分野生物多様性, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 人権, 福祉, 健康

所在地 〒988-0141 宮城県気仙沼市松崎柳沢186
電話番号 0226-22-7158
ホームページ http://www.kesennuma.ed.jp/matsuiwa-cyuu/
加盟年 2010

2023年度活動報告

活動分野

気候変動, エネルギー, 環境, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康

本校では,ユネスコスクールとして,ESDの推進を実践している。ESDのねらいを「SDGsや障害者福祉,地域交流学習,防災学習に対して,自ら課題を見付け課題解決に向けた活動を計画・実施することにより,持続可能な社会を創造していくための新たな価値観や能力を身に付ける。」と設定した。ESDの実践を通して, 情報の読解力,批判的思考力,自己決定の力,科学的思考力,挑戦する力,協働して価値を生み出す感性と志といったコンピテンシーの育成を目指している。3学年では,総合的な学習の時間において,今年度も個人毎に探究的な学習を進めた。Will(自分が関心のあること),Can(実現可能なこと),Need(社会や地域で求められていること)について考え,日常や社会の事象に対し問題意識を持ち,自ら問いを立てた。年度始めのオリエンテーションにおいて,SDGsやSociety5.0について知ったり,探究学習コーディネーターから問いの立て方について助言してもらったりする活動を通して,生徒の学ぶ意欲や活動への関心を高めた。生徒が立てた問い(課題)には「気仙沼に外国人観光客を震災前より増やすためには」「気仙沼の良さを多くの人に知ってもらうためにはどうしたらよいのか」「気仙沼のゴミの排出量を減らすために」「お年寄りと子供の関わりを増やすためにはどうしたらよいか」「観光客を呼び,気仙沼について知ってもらうためには」など,地域貢献や社会問題,環境問題を意識したものが多く見られた。生徒たちは課題解決のために,アンケート調査や生徒へのインタビュー, 地域の施設でのフィールドワークなどを進んで行い,必要な情報を積極的に収集した。また,収集した情報を比較・分類したり,関連付けたりすることで,根拠を踏まえて,考えを主張することができるようになった。まとめについては,12月の授業参観日にポスターセッション方式で発表を行った。課題解決に向けて実践したことや提言などを,保護者や探究学習コーディネーター,級友の前で堂々と発表した。振り返りでは,成果と課題を明確にし,新たな課題の発見へつなげようとする生徒がいた。2学年では,問いを立てる前のインプットの活動として気仙沼商工会議所の「地域教育事業」を活用した。気仙沼市内の5つの事業所の方々を招き,「働くこと」や「職業観」に関する企業説明やインタビュー活動を行った。また,8月に行った職場体験学習では松岩小学校や松岩保育所など19の事業所等を訪問し,様々な仕事について2日間貴重な体験を行うことができた。職場体験で学んだ「働きがい」や「働くことの大切さ」を,タブレット端末に入っている学習アプリ「ロイロノート」や「Key Note」でまとめ,保護者の方々の前で発表した。地元を支えている産業について学ぶ活動を通して,今後の進路選択へ向けた自己決定の力や挑戦する力,協働して価値を生み出す感性を高めた。1学年では,地域福祉の学習を行った。地域の障害者福祉に従事している方を講師に迎え,福祉には様々な種類があることを知ることから探究的な学習をスタートした。その後,生徒それぞれが興味のある福祉を選択し,「○○福祉×△△(例:交流,スポーツ,町づくり,支援,介護,地域の環境,遊びなど)」を考えさせた上で,個々の問い(テーマ)を決定した。生徒は,調査活動やフィールドワークを通して学んだことを踏まえ,まとめ活動を行った。気仙沼支援学校との交流会は7月・10月・12月の3回実施した。特に2回目の交流会では,事前にフィールドワークで支援学校の教員に生徒がインタビューして調査したことを踏まえた活動を行った。学習の成果などは,学習アプリ「ロイロノート」や「Canva」,「Googleスライド」などを活用し,保護者や同学年の生徒たちの前で堂々と発表することができた。福祉について考え,体験的な活動を通して,自己決定の力が芽生えた。

 

 

来年度の活動計画

来年度も,今年度の活動をベースに教育活動を実践する予定である。総合的な学習の時間と各教科の時間との関連について生徒自身が気付いたり,考えたりすることができるよう更に計画を工夫する。どの学年でも,フィールドワークの回数を増やし,より実体験を踏まえたまとめや発表を目指す。また,夏休みや秋休み中にも,自分でフィールドワークや実験を行う機会を設けるなどして,一層実践を基にした探究的な学習を展開する。同時に,「Think Global,Act Local」についても目を向けさせ,地域での活動が,後に世界的な問題や地球的な課題の解決につながっていることも意識させながら,学習に取り組ませたい。また,思考ツールを用いた意見交換や話合い活動を行う機会を設けるなどして,「持続可能な社会の担い手」に必要とされる「自己決定の力」,「情報の整理・分析や他者と協働して,新しいものを創造していく力」,「新しい価値を生み出す志」を育みたい。以上のことを踏まえつつ,学校教育と社会のつながりを生徒たちが実感できるように,各単元や一単位時間の学習を通して「どのように学ぶか」「何ができるようになるか」などを明確に意識した往還的な活動としていきたい。

過去の活動報告