2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 気候変動, 環境, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, その他の関連分野

◯ 本年度の活動内容
本校では,ユネスコスクールとして,ESDの推進を実践している。その中でESDのねらいを「SDGsや障害者福祉,地域交流学習,防災学習に対して,自ら課題を見付け課題解決に向けた活動を計画・実施することにより,持続可能な社会を創造していくための新たな価値観や能力を身に付ける。」と設定した。ESDの実践を通して, 情報の読解力,批判的思考力,自己決定の力,科学的思考力,挑戦する力,協働して価値を生み出す感性と志といったコンピテンシーの育成を目指した。
3学年では,総合的な学習の時間において,今年度も個人毎に探究学習を進めた。Will(自分が関心のあること),Can(実現可能なこと),Need(社会や地域で求められていること)について考え,SDGsの17の目標と169のターゲットを踏まえながら日常や社会の事象に対し問題意識を持ち,自ら問いを立て個人探究学習に取り組んだ。オリエンテーションにおいて,SDGsやSociety5.0について知ったり,探究学習コーディネーターから問いの立て方について助言してもらったりする活動を通して,生徒の学ぶ意欲や活動への関心を高めた。生徒が立てた問い(課題)には「地域の誰でも利用できる学習施設の在り方とは」「どうすれば昔の遊びの面白さに気付いてもらえるのか」「耕作放棄地の後継者をどう増やすか」「気仙沼の観光地に来た人たちにポイ捨てを減らしてもらうにはどうしたらよいか」など,地域貢献や社会問題,環境問題を意識したものが多く見られた。生徒たちは課題解決のために,アンケート調査や公共施設へのインタビュー, フィールドワークなどを進んで行い,必要な情報を積極的に収集した。また,収集した情報を比較・分類したり,関連付けたりしたことで,根拠を踏まえて,考えを主張することができるようになった。まとめについては,授業参観日にポスターセッション方式で発表を行った。課題解決に向けて実践したことや提言などを,保護者や探究学習コーディネーター,級友の前で堂々と発表した。そして振り返りでは,成果と課題を明確にし,新たな課題の発見へつなげようとする生徒がいた。
2学年では,10月に本校の体育館で行われた気仙沼商工会議所の「『はたらきがい』を伝える事業」を活用し,事業所のプレゼンテーションを聞き,地元を支えている気仙沼の産業についての理解を深めた。更に,仕事の魅力を紹介していただいた企業や気仙沼市内にある企業の中から,希望をとり,11月には職場体験を実施した。職場体験で学んだことを,タブレット端末に入っているロイロノートでまとめ,保護者の方々の前で発表した。地元を支えている産業について学ぶ活動を通して,今後の進路選択へ向けた自己決定の力や挑戦する力を高めた。
1学年では,気仙沼支援学校との交流活動を行った。今年度は,新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からZoomを使って交流した。交流会の前には,気仙沼支援学校の教員を講師として招き,講話をいただいた。また,地域福祉関わる探究活動を通して,生徒たちは,福祉に対する理解を深め,中には,「障害のある方でも楽しくできる遊びやスポーツを考える」というテーマを設定し,パラリンピック競技で行われたボッチャを体験したグループや,「身体障害の種類と支援について」というテーマを設定し,校内の各教室や特別教室の入り口に点字の案内表示を作成したグループもあった。福祉について考え,体験的な活動を通して,協働して価値を生み出す感性が芽生えた。

来年度の活動計画

◯ 来年度の活動計画
今年度の活動をベースに来年度も教育活動を実践する予定である。特に,来年度は,総合的な学習の時間と各教科の時間との関連について生徒自身が気付いたり,考えたりできるようにより工夫をする計画である。中でも3学年では,更にフィールドワークの回数を増やし,より実践を踏まえたまとめや発表を目指す。夏休み中に自分で計画を立て,フィールドワークを行う機会を設けるなどして,一層実践を基にした探究学習を展開する。同時に,思考ツールを用いた意見交換や話合い活動を行う機会を設けるなどして,情報の整理・分析や他者と協働して,新しいものを創造していく力や,新しい価値を生み出す志を育む。以上のことを踏まえつつ,学校教育と社会のつながりを生徒たちが実感できるように,各単元や一単位時間の学習を通して「どのように学ぶか」「何ができるようになるか」などを明確に意識した活動としていきたい。