2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 国際理解, 福祉

◯ 本年度の活動内容
本校では,ユネスコスクールとして,ESDの推進を実践している。その中でESDのねらいを「SDGsや障害者福祉,地域交流学習,防災学習に対して,自ら課題を見付け課題解決に向けた活動を計画・実施することにより,持続可能な社会を創造していくための新たな価値観や能力を身に付ける。」と設定した。ESDの実践を通して, 情報の読解力,批判的思考力,自己決定の力,科学的思考力,挑戦する力,協働して価値を生み出す感性と志といったコンピテンシーの育成を目指した。
3年生では,総合的な学習の時間において,個人毎に探究学習を進めた。特に,今年度は,日常や社会の事象に対し,問題意識を持ち,問いを立て探究活動を行った。オリエンテーションでは,持続可能な開発目標(SDGs)やSociety5.0について知ったり,探究学習コーディネーターから問いの立て方について助言してもらったりする活動を通して,生徒の学ぶ意欲・活動への関心を高めさせた。生徒が立てた問いには「海洋マイクロプラスチック回収装置の実用化について」「若者に気仙沼の魅力を知ってもらうためには?」など,環境問題や地域貢献を意識したものが多く見られた。生徒たちは,課題解決のために,アンケート調査や公共施設へのインタビュー, フィールドワークなどを進んで行い,必要な情報を積極的に収集する姿が見られた。また,収集した情報を比較・分類したり,関連付けたりしたことで,根拠を踏まえて,考えを主張することができた。探究学習のまとめは,授業参観日にポスターセッション方式で発表した。課題解決に向けて実践したことや提言などを,保護者や探究学習コーディネーター,生徒の前で堂々と発表する姿が見られた。振り返りでは,成果と課題を明確にし,新たな課題の発見へとつなげることができるように指導した。
2年生では,9月に本校の体育館で行われた気仙沼商工会議所の「『はたらきがい』を伝える事業」を活用し,事業所のプレゼンテーションを聞き,地元を支えている気仙沼の産業についての理解を深めた。仕事の魅力を紹介していただいた企業の中から,どの企業で職場体験を行いたいか希望をとり,11月に職場体験を実施した。職場体験で学んだことは,プレゼンテーションソフトでまとめ,保護者やお世話になった企業の方々の前で発表した。地元を支えている企業について学ぶ活動を通して,個々の職業観や人生観を考え,今後の進路選択へ向けた自己決定の力を高めることができた。
1年生では,気仙沼支援学校との交流活動を行った。本校は,学区内に気仙沼支援学校があり,継続して交流を続けている。今年度は,コロナウイルス感染拡大防止の観点から気仙沼支援学校の生徒と本校の生徒がZoomを使って交流した。交流会の前には,気仙沼支援学校の先生を講師として招き,特別支援学校との生徒への接し方についての講話をいただいた。また,ハンディキャップ体験や探究活動を通して,生徒たちは,福祉に対する理解を深めることができた。他にも,福祉について考えたり,交流をしたりする活動を通して,協働して価値を生み出す感性や志を育成することができた。

来年度の活動計画

今年度の活動をベースに来年度も教育活動を実践する予定である。思考ツールや思考スキルを活用
しての情報の整理・分析をさせる指導や他者と協力して,新しいものを創造していく力の育成に力を入
れて取り組みたい。また,学校教育と社会のつながりを生徒たちが実感できるように,各単元や一単位
時間の学習を通して「どのように学ぶか」「何ができるようになるか」などを明確に意識して指導して
いきたい。