中高生海洋生物学シンポジウム「海を探る、海を調べる。キャリアと研究 IV」
開催趣旨
水の惑星地球。その表面の七割は海洋である。海洋の平均水深は3,800mと、富士山よりも深い。海洋は人類にとってもっとも身近で未知なフロンティアである。
地球上の生命は海洋で誕生した。微小なプランクトンから世界最大の動物であるシロナガスクジラまで、実にさまざまな生物が生息している。われわれは漁業を通じて海洋生物を採集し、食料としている。近年の環境問題、生物多様性維持に対する意識の高まり、深海ブームにより、海洋と海洋生物に対する社会の関心は高まっている。国連のSDGｓプログラムも、目標の一つとして「海の豊かさを守ろう」を挙げている。しかし、将来社会の担い手となる中学生、高校生にとって、海を活動の場とする職業と研究活動は、他の職業や学術分野と比較した場合、最も距離を感じる分野ではないだろうか。このような現状を踏まえ、中高生の眼を海洋へと向け関連分野への進学を促すべく、海洋生物学者が自身のキャリア形成過程と研究内容や仕事を紹介するシンポジウムを、2018年から毎年2月1日に開催してきた。毎年、国内外から海洋生物学に関心のある大勢の中高生が参加し、盛会となっている。当初、国立科学博物館日本館講堂にて対面形式で開催して来たが、コロナ禍の影響で2021年からはオンライン形式での開催とした。今年度も、オンライン形式で開催する。
本シンポジウムの参加者の中から、今までに確認できただけで、北海道大学水産学部へ二名、東京海洋大学へ一名、高知大学理学部へ一名、東邦大学理学部へ一名、東海大学海洋学部へ一名進学しており、中高生に対する進路指導、キャリア形成の指針を提供するシンポジウムの目的は徐々に達成されている。
コンビーナー
猿渡敏郎（東京大学 大気海洋研究所、成蹊学園サステナビリティ教育研究センター）
中江雅典（国立科学博物館、成蹊学園サステナビリティ教育研究センター）
山村紳一郎（和光大学、成蹊学園サステナビリティ教育研究センター）
藤原 均 （成蹊学園サステナビリティ教育研究センター）
シンポジウム概要
主催: 海洋生物学アウトリーチ研究会、成蹊学園サステナビリティー教育研究センター
共催：国立科学博物館
後援：自然史学会連合
協力：朝日学生新聞社
協賛：日能研
開催日時：2026年2月1日（日）13:00-17:50
開催方式：Zoomを用いたオンライン開催。出入り自由
対象：中学一年～高校三年
参加費：無料
事前参加申し込み制：先着順
定員：250名
プログラム
各講演は、質疑込み30分。山村先生の理科実験のみ45分。講演間に10分の休憩を入れる。
13:00 開会の挨拶 猿渡敏郎 (東京大学大気海洋研究所、成蹊学園サステナビリティ教育研究センター)
13:15 物理化学の実験や地球科学で見える海洋の別の横顔 山村紳一郎 (和光大学、成蹊学園サステナビリティ教育研究センター)
14:00 休憩
14:10 温故知新–古い標本が語る昔の環境と今後の対策 奧野淳兒（千葉県立中央博物館 海の博物館）
14:40 休憩
14:50 フィールドも方法もいろいろ。視点を変えてイカを知る-スーパーのイカ製品分析- 若林敏江（水産大学校）
15:20 休憩
15:30 上下左右、自由自在に泳ぎ回るだけじゃない。魚は一生も３D 猿渡敏郎 (東京大学大気海洋研究所、成蹊学園サステナビリティ教育研究センター)
16:00 休憩
16:10 魚の形から進化・適応を考える 中江雅典(国立科学博物館、成蹊学園サステナビリティ教育研究センター)
16:40 ブレイクアウトルームでの講演者との交流会
山村先生の部屋： 地球のこと、理科実験のこと、工作のことなんでも相談室
奥野先生の部屋： 甲殻類なんでも相談室
若林先生の部屋： タコ・イカなんでも相談室
猿渡先生の部屋： 魚の一生相談室
中江先生の部屋： 魚の感覚相談室
ずかんくんの部屋： 海の生き物のイラストの描き方
17:20 閉会の挨拶 藤原 均 (成蹊学園サステナビリティ教育研究センター)
参加申し込み QRコード
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