| 所在地 | 〒738-0601 広島県広島市佐伯区湯来町大字和田112 |
|---|---|
| 電話番号 | 0829-83-0547 |
| ホームページ | http://cms.edu.city.hiroshima.jp/weblog/index.php?id=j2146 |
| 加盟年 | 2018 |
2025年度活動報告
環境, 持続可能な生産と消費
本校のある湯来町は、広島市北西部の中山間地域に位置し、豊かな自然と人々の温かいつながり自慢の町であるが、近年急速に過疎化・高齢化が進行し、地域の将来への不安も高まってきている。こうした中で本校は、この湯来ならではの環境を生かした学校教育活動を通して、自己肯定感や地域への誇りと愛着を育み、社会人として必要な学力・社会性・人間性を育成していくことを目指している。現在、地域社会の一員としての意識を持ち、地域の抱える課題（自然環境の保全・地域の活性化等）の解決に取り組み、地域のよりよい未来を創造していくための活動を行っている。
A 水内川の水質調査 （１学年）
２０年間にわたって代々引き継がれてきた水内川の水質調査（ｐｈ・ＣＯＤ濃度・水生生物）を通して、環境の変化とその原因について考え、地域住民に現状報告と課題提示を行った。
・水質はＡランクのまま保全されており、良質のアユの生育に適している。
・地域の高齢者からの聞き取りによると大きく水位が低下していることがわかった。
・林業の衰退による山林の荒れや、植林された針葉樹による保水力の低下が原因ではないか。
・このままでは豊かな自然が失われる可能性が高い。
・自然を守るための山林整備（間伐・広葉樹の植林など）が必要である。
B 湯来活性化プランの作成と実行（２・３学年合同）
昨年度から２・３年生が中心となって湯来の活性化プランを作成・実行していく活動を行っている。昨年度、公民館等で行った活性化プランのプレゼンテーションに地域の方の賛同をいただき、山林の貸与や人的な支援を頂けることとなり、本年度はそれを具体的に実行していくための活動を行った。主に次の２つの活動に取り組んだ。
①キャンプ場開発
山林の整備を行いながら、山林の木々や自然をそのまま生かしたキャンプ場の開発に取り組んだ。
・ファイヤーピットの作成（間伐材と石による）…実行済
・沢の水を生かしたわさび栽培…実行済
・看板や表示板の作成（焼杉のレーザー加工）…計画段階
・リラックスできるイスの制作（間伐材を利用した）…計画段階
②特産品を生かしたスイーツ開発
地域の特産品である「巻柿」の知名度を高めるため、洋菓子店の協力を得て、だれにでも受け入れられやすいシュークリームの形にした「巻柿シュークリーム」を開発し、販売した。
・ポスター制作（ポップや画像等の工夫） ・巻柿を解説したパンフレットの作成
・地域への広報活動 ・シュークリーム作り ・公民館まつりでの販売
C 湯来の魅力を体験（全学年）
湯来の自然環境保全や地域活性化のために、そのベースとなる湯来の魅力（自然体験や特産品づくり）を実際に体験する活動を行った。
・アユの放流と成長したアユの調理と試食（全国準グランプリのおいしいアユ）
・水内川のカヤック体験 ・特産品の巻柿づくり
以上の活動を通して、生徒たちは、地域の一員として地域のことを深く知り、地域の課題解決に主体的に取り組んでいこうとする姿勢を身に着けることができた。また他者との対話によってプランを作成し、実行・検証・改善していく活動にやりがいと喜びを感じることができた。
来年度の活動計画
持続可能な社会の実現に向け、引き続き本校がこれまで取り組んできた自然環境の保護と地域活性化に向けたプランの作成・実行に取り組んでいく。こうした課題解決学習を通して、生徒たちの知識・技能や思考・判断・表現の力をつけ、主体的に学びを進めていこうとする姿勢を身につけさせたい。また課題解決のために、必要な資源（人・物・情報など）を有効に活用することも身につけさせていきたい。