• ときわまつがくえんちゅうがっこうこうとうがっこう
  • トキワ松学園中学校高等学校

  • Tokiwamatsu Gakuen Junior and Senior High School
  • 種別 地区
  • 主な活動分野生物多様性, 気候変動, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 持続可能な生産と消費, 貧困

所在地 〒152-0003 東京都目黒区碑文谷4-17-16
電話番号 03-3713-8161
ホームページ https://tokiwamatsu.ac.jp/
加盟年 2014

2023年度活動報告

活動分野

生物多様性, 気候変動, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 持続可能な生産と消費, 貧困

本校は、「鋼(はがね)に一輪のすみれの花を添えて」を建学の精神とし、自立し、未来を切り拓く探究女子の育成を目標としている。そこでESDを持続可能な社会の担い手を育成する手段の一つと捉え、ESDの実践を通して文化的背景の異なる人と協働し、知識を活用して諸問題の解決策を模索できる生徒の育成を目標とした。また実際の教育活動では協働的かつ主体的な課題解決型学習を多く取り入れている。

ここでは主に①国際理解に関わる活動、②環境学習、③世界遺産や地域の文化財等に関する学習、④持続可能な生産と消費、⑤人権・ジェンダー平等、⑥文化多様性、⑦平和に関する活動を報告する。

①国際理解に関わる活動では、英語科を中心として非英語圏のゲストを招き文化などを学ぶInternational Hourを実施。中学では中学1年から3年まで段階的に多様な文化や特に女性を取り巻く環境についての理解を深める学習を発表活動を通じて行った。生徒の発達段階に応じて学習内容の深度と範囲を変えることで年々理解が深まっている。

また国際交流部は目黒ユネスコ協会、目黒区国際交流協会に団体加盟し、地域の国際交流活動に貢献している。12月には目黒ユネスコ協会主催のユネスコ青少年フェスタに参加し、他校生徒や区内のインドネシア学校の生徒たちと水資源についてのディスカッションを行った。通年の交際交流部の活動でもベルギー、カナダ、フィリピン、イラン出身のゲストとして招き、多様な文化への理解を深めた。特にイラン出身の女性ゲストから、イランで女性のみに課せられる規制と女性が感じる不自由さについて具体的な経験を交えた話を伺い生徒たちが自分たちの自由が当たり前ではない場所があることに気づくきっかけとなった。また年明けの1月には、タイ東北部で日本語を学んでいる高校生と年賀状を日本語で交換し合う活動を行った。カードを受け取ったタイミングでZoomでのオンライン交流も実施した。交流内容の企画と当日の進行は生徒が中心となって行った。同世代の若者たちとの国や言葉を超えた交流は、生徒の視野を広げる一助となった。

②環境活動では主に理科で学んだ知識を生かし、英語でさらにリサーチ活動を行い環境問題の解決策を提案する発表活動を行った。また、責任ある消費者を育成するという目標の下、チョコレートやスナック菓子など生徒にとって身近な食品を取り上げ、その製造過程における問題点について学習した。さらには微小プラスチックの汚染問題を授業のトピックとして取りあげ、その実態を理解するとともに解決策についても学んだ。

授業外でも生徒会が中心となり、ロッテのスマイルエコチャレンジに参加し、紙製容器包装の回収活動を行った。

③世界遺産や地域の文化財等に関する学習では、本校独自科目である「思考と表現」で都道府県魅力度ランキング下位の都道府県の広報職員という設定の下、多様な資料を使いながら調べ学習をし、県の魅力を伝えるプレゼンテーションを行った。 高二修学旅行では世界遺産である原爆ドーム、厳島神社、姫路城を訪れ、各地で平和や伝統文化、文化財への理解を深めた

 

④国際交流部では継続的に「届けよう服のチカラプロジェクト」に参加し、国内外で子供服を回収し、UNHCRを通じて難民キャンプに送る活動を行っている。回収を行う前には、ユニクロ・ジーユーの講師の方かSDGsの概要やリサイクルの重要性、回収した服の活用法について学び、プロジェクト意義について十分理解してから活動を行った。校内では、文化祭を利用して本校生徒・保護者だけでなく、来校者にも協力を呼び掛けた。近隣の幼稚園、保育園にも協力を依頼し、1,200着以上の子供服を回収・寄付することができた。

⑤人権・ジェンダー平等に関する活動は様々な教科で行われているが、ここでは本校独自科目Global Studies(GS)での活動と高2の探究授業での取り組みを報告する。GSは世界の諸問題を英語で学ぶ教科である。高1では、世界の子どもたちをテーマに児童労働、途上国における女子教育の欠如、子ども兵士について様々なケースを学んだ。また、これらの問題解決のために活動している国内外のNGOについて調べ、高校生でも参加できる活動を紹介しあった。

高2では毎年ジェンダーギャップ指数を授業内で取り上げ、各分野における日本の現状と上位国の政策について学び、日本のジェンダー指数を上げるための策について話し合う機会を持った。美術デザインコース生徒の授業ではトピックの一つとしてインクルーシブアートを取り上げた。アートを通じてインクルーシブ社会の実現を目指すプロジェクトについて学んだ経験は生徒にとって良い刺激となった。

高2探究では、清泉女子大学の安齋徹教授の広大連携授業を実施した。ディズニーアニメから考える女性像の変遷というテーマで女性のキャリアについての講演を受けた。また、ジェンダーフリーの結婚式のプロジェクトについても学んだ。

 

⑥7月には4年振りにイギリス多文化研修を実施した。現地ではイギリス人家庭にホームステイをしながら語学学校に通学して、英語を母語としない他国生と共に英語を学んだ。ホームステイもフランス、スペイン、イタリア、中国など他国籍女子とのペアで行い、日常生活を共に過ごす中で研修の名前通り「多文化」にじかに触れられる好機となった。

 

⑦11月には高2修学旅行で広島を訪れた。訪問前から事前研修として二重被ばくをした山口彊さんについて学んだり、「この世界の片隅に」を鑑賞して原爆への基礎知識を深めた。原爆資料館では館内を見学した後に被爆者の方に講演をしていただいた。被爆者の方の生の声を直に聞いたことで生徒たちが平和構築・維持について自分事としてとらえるきっかけとなった。

来年度の活動計画

全教科がより一層SDGsやESDを意識した教育課程を編成し、教科横断型の学習プログラムを増やしていくために、また、全教員が他教科の学習内容を把握し、共同活動が促進できるよう、国際交流推進委員会が中心となり探究を含む各教科でのSDGsおよびESDに関わる活動の一覧を作成したいと考えている。その一覧を元に、共同活動ができそうな教科や活動内容を模索し、提案していく。

これまで継続的に行ってきた国際理解活動、環境活動などは、前年度の成果と課題を確認の上、更に活動を深化拡大できるよう関係教科と協力していく。

過去の活動報告