2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 気候変動, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 持続可能な生産と消費, 貧困

本校は、「鋼(はがね)に一輪のすみれの花を添えて」を建学の精神とし、自立し、未来を切り拓く探究女子の育成を目標としている。そこでESDを持続可能な社会の担い手を育成する手段の一つと捉え、ESDの実践を通して文化的背景の異なる人と協働し、知識を活用して諸問題の解決策を模索できる生徒の育成を目標とした。また実際の教育活動では協働的かつ主体的な課題解決型学習を多く取り入れている。

ここでは主に①国際理解に関わる活動、②環境学習、③世界遺産や地域の文化財等に関する学習、④持続可能な生産と消費に関する学習、⑤課外活動を報告する。

①国際理解に関わる活動では、英語科を中心として非英語圏のゲストを招き文化などを学ぶInternational Hourを実施。中学では中学1年から3年まで段階的に国際理解を深める学習を発表活動を通じて行った。生徒の発達段階に応じて学習内容の深度と範囲を変えることで段階的に理解が深まっている。また国際交流部は目黒ユネスコ協会、目黒区国際交流協会に団体加盟し、地域の国際交流活動に参加している。今年度はコロナ禍で活動が制限されてしまったが、外国人ゲストとの交流を対面とオンライン両方で継続することができた。

②環境活動では主に理科で学んだ知識を生かし、英語でさらにリサーチ活動を行い環境問題の解決策を提案する発表活動を行った。また、責任ある消費者を育成するという目標の下、チョコレートやスナック菓子など生徒にとって身近な食品を取り上げ、その製造過程における問題点について学習した。さらには微小プラスチックの汚染問題を授業のトピックとして取りあげ、その実態を理解するとともに解決策についても学んだ。

③世界遺産や地域の文化財等に関する学習では、本校独自科目である「思考と表現」で都道府県魅力度ランキング下位の都道府県の広報職員という設定の下、多様な資料を使いながら調べ学習をし、県の魅力を伝えるプレゼンテーションを行った。

④国際交流部では継続的に「届けよう服のチカラプロジェクト」に参加し、校内外で子供服を回収し、UNHCRを通じて難民キャンプに送る活動を行っている。昨年度からは発展途上国の生産者の生活支援や現地の環境改善に寄与するために、フェアトレードチョコレートの校内販売を始めた。販売前にはNGOグローバルヴィレッジの方にフェアトレードに関する講演をしていただいた。そこで得た知識を校内の生徒に伝えたうえで販売を始めた結果、昨年度の販売数を大きく上回る1200個以上のチョコレートを販売することができ、売上金の一部はフェアトレード専門商店のピープルツリーに寄付した。

⑤昨年度に引き続き、今年度も海外研修が実施できなかったが8月に代替プログラム「Glocal Fieldwork Program」を実施した。外国人留学生と共にGlobal Issuesについて学ぶとともに、地元目黒(local)を外国人居住者にとってより魅力的な街にするためのフィールドワークを行い、プレゼンテーションを行った。フィールドワークでは近隣の碑文谷カトリック教会、ホテル雅叙園東京、産業能率大学へ訪問しただけでなく、トーゴ大使館、ブルネイ大使館の外交官へのインタビュー、目黒区役所や目黒区国際交流協会職員へのインタビューなども行い、多様な観点から目黒と世界をつなぐ方策について調査した。

来年度の活動計画

全教科がより一層SDGsやESDを意識した教育課程を編成し、教科横断型の学習プログラムを増やしていくために、また、全教員が他教科の学習内容を把握し、共同活動が促進できるよう、国際交流推進部が中心となり各教科でのSDGsおよびESDに関わる活動の一覧を作成したいと考えている。その一覧を元に、共同活動ができそうな教科や活動内容を模索し、提案していく。

これまで継続的に行ってきた国際理解活動、環境活動などは、前年度の成果と課題を確認の上、更に活動を深化拡大できるよう関係教科と協力していく。