• とうきょうがくげいだいがくふぞくおおいずみしょうがっこう
  • 東京学芸大学附属大泉小学校

  • Tokyo Gakugei University Oizumi Elementary School
  • 種別 地区
  • 主な活動分野登録なし

所在地 〒178-0063 東京都練馬区東大泉5-22-1
電話番号 03-5905-0200
ホームページ http://www.es.oizumi.u-gakugei.ac.jp/
加盟年 1966

2023年度活動報告

活動分野

生物多様性, 減災・防災, 気候変動, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, 持続可能な生産と消費, 健康

本校は、20年以上「探究」「表現」「交流」を学習活動の柱とした生活科,総合的な学習である「菊の子学習」の実践を展開し、国際理解、異文化間理解、多文化共生、生物多様性、環境などの分野での児童の課題解決学習を継続してきた。しかし、現代の予測困難な変化が伴う社会の様相、VUCAな時代(volatile, uncertain,complex,ambiguous)が加速化される中で、「自立」と「共生」に向けて豊かな未来を切り拓いて生きることができる資質・能力を育成するために、「グローバル社会に生きる力の育成」を学校理念として、現代的な諸課題を教科横断的で探究的に学ぶ「探究プログラム」実践を中心に取り組んでいる。さらに、文部科学省研究開発学校としての研究を経て、国際バカロレアよりPYP認定校となった。(2022年8月28日)
探究プログラムでは、国際バカロレア機構の初等教育プログラム(PYP)からその理念や手法(児童像、学習観、テーマの設定、問いの設定、領域構成)を取り入れて構想している。探究科の領域はA「自分らしさの尊重」B「人の多様性と背景」C「意志の表現と伝達」D「自然界の仕組みと活用」E「多様性が生きる社会」F「地球との共生」である。
本校の取り組みは、ESDがめざす「持続可能な社会作りの担い手を育む教育」と一致する部分があると捉えている。また、そのような教育をトピック的学習で終わらせるのではなく、6年間の系統性の中で積み上げるカリキュラムを作成しながら日々アップデートしている。
① 人権、ジェンダー平等に係わる学習
・1年「かぞくとわたし~家族ひとりひとりにやくわりがあり、ささえあう~」A領域(自分らしさの尊重)
「家族一人一人に役割があり、支えあう」という探究のテーマに沿って、家族の仕事を調べたり、家族と手紙を交換したりし、家族の一員として自分ができることに取り組み、「家族とわたし」の本をつくる活動を通して、家計や家事に関わる仕事や家族の団らん、家族で過ごす楽しみ、家族一人一人の思いや願い、家族の立場や役割など家族との人間関係に対する概念を形成し、家族への感謝の気持ちをもち家族の一員として自分ができることに継続して取り組んだり、健康に気を付けて生活したり、これからの自分の成長に願いをもって意欲的に生活しようとしたりしていくことが大切だと考える価値観を考えることができた。

② 持続可能な生産と消費に係わる学習
・5年「科学技術で新たな社会のかたちをつくる~人が創り上げる科学のシステムは第一次産業の発展に影響を与えていく~」D領域(自然と科学)
「人が創り上げる科学のシステムは第一次産業の発展に影響を与えていく」という探究のテーマに沿って、日本の第一次産業の発展について
第一次産業の変化、科学のシステムの機能、生産者と開発者のそれぞれの視点から対象を捉えて考え、科学技術の発展が日本の第一次産業に及ぼす影響について概念的に理解し日本の第一次産業界が抱える諸課題を解決した未来を創ろうとすることを目標としている。
「Society5.0わたしたちが創る超スマート社会」日本政府は、経済発展と社会的課題の解決を両立する新たな社会の形Soceity5.0を推進しています。 あなたはベンチャー企業の一員となり、農林水産省にアイデアを提案します。身近な生活の課題から日本の産業が抱える課題まで幅広くアイデアを求められています。 プレゼンや実物提示などでコンペティションを勝ち抜き、未来を変えるパイオニアを目指します。
というパフォーマンス課題を設定したが、そのまとめでは、児童がそれぞれの考えを持ち寄ってレポートしパワーポイントなどを使ってプレゼンテーションをすることができた。さらには、数名の児童が実際に農林水産省で自分の考えを発表する機会に恵まれ、小学生ならではの視点とアイディアが評価された。

③ 多様性に係わる学習
・4年「わたしたちは誰もが生きやすい社会をデザインしている」E領域(多様性が生きる社会)
「ユニバーサルなデザインがだれもが生きやすい社会をつくる一助となる」を探究のテーマに沿って、障碍をお持ちの方や外国の方との様々な出会いをもとにそのつながりを活かして同じ社会に生きる人間として多様性を尊重して社会を形成することが大切であるという価値観に迫っていく。国語科では情報と情報との関係性について、社会科では特色ある街づくり、道徳科では相互理解や寛容性を関連付けながら学んで取り組んだ。パフォーマンス課題である「特別支援学校との交流体験をもとに未来の街づくりについて考えポスターセッションをしよう」では新型コロナウィルス感染症の影響で実際の交流はできなかったが、子どもたちは自分の作成したポスターをもとにしたディスカッションから、多様性のある社会とはどのような社会なのかについてその機能を考えることができた。

来年度の活動計画

1 探究プログラムの実践とユネスコスクールとしての活動実践
本校では、国際バカロレアPYPの理念を取り入れたカリキュラムの開発、「探究プログラム」の実践研究をしている。本校で作成した探究プログラム単元構成一覧表(A~F領域)をもとにユネスコスクールとしても関連付けをしながら本校独自の実践をしている。1年間で6領域を扱い、6年間で全36単元に取り組んでいる。教育実践を支えるのは全職員で取り組む年間を通した校内研究である。実践を振り返るために、各学年単位での実践の様子を動画にまとめて、教師間で限定配信を行い、GoogleslideやをPadletを使用しながら意見交換をしている。本年度は特に、PYPの考え方、取り組みが「総合的な学習の時間」を活性化することを明らかにするために、日常の校内研修をオンライン公開することにした。さらに、探究プログラムの実践について、本校では、学年全体で子供の学びを振り返りながら、「概念的理解」についてどのように学習を進めていくかについて、毎週金曜日放課後に「探究プログラム打ち合わせ」を設定している。そこでは、子どものルーブリック(自己評価カード)をもとにしながらパフォーマンス課題の達成状況について話し合いをしている。
次年度は上記のような取り組みの手立てを受けて以下の活動を計画している。
・探究プログラム単元構成表とユネスコスクールとしての取り組みの整理
・学習として取り上げる分野ごとの実践
・探究プログラムの中にある教科学習のありかた
本校は、国際学級も併設しており、海外からの帰国子女も多い。今後は、ユネスコスクールとして、探究プログラムで海外にさらに目を向けて海外の学校との交流を深めるように活動計画を作成していく。
2 研究発表会 2025年1月24日(金) 対面開催(予定)

過去の活動報告