• ぎふけんりつおおがきようろうこうとうがっこう
  • 岐阜県立大垣養老高等学校

  • Gifu Prefectural Ogaki-Yoro High School
  • 種別 地区
  • 主な活動分野登録なし

所在地 〒503-1305 岐阜県養老郡養老町祖父江向野1418-4
電話番号 0584-32-3161
ホームページ https://school.gifu-net.ed.jp/oyourou-hs/
加盟年 2017

2023年度活動報告

活動分野

生物多様性, 減災・防災, 気候変動, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 持続可能な生産と消費, 食育

・西濃の低湿地帯に築かれた輪中が、地域の防災のみならず、地域の文化を保全し、かつ、持続可能な環境や農業生産、生態系サービスの維持に貢献していることを調査・証明する。また、地域の子供たちが輪中と輪中の農業に関心を持ち、その保全に関わる知識・技術を身に着けることで、西濃輪中群の農業遺産としての保全をめざす。

本校は、地域に現存する輪中の持つ持続的な価値に着目し、ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野を通して、地域資源の保全と持続的な活用を行える人材の育成を目標とした活動を行った。

西濃地域の低湿地帯には江戸時代中期から80を超える輪中群が建設され、現在も人々の暮らしを支えている。その価値は、単に防災にとどまらず、持続的な農業生産、水資源活用、生物多様性の保全、地域文化の継承と多岐に及んでいる。少子高齢化が進み、産業構造も変化する中、輪中の持つ持続的な価値の再認識と普及・継承が急務と考えられる。

① 輪中の地域資源としての価値の調査

海津市歴史民俗資料館、大垣市輪中館等の見学、輪中内の農家からの聞き取りを通し、輪中の歴史や成り立ちについて調査を行った。江戸幕府からの圧政や木曽三川分流に伴う弊害に対し、自治対策として進められた輪中の建設が、今日の西濃地域の生活・文化の基盤となっており、先人が自然の恵みと脅威に向き合い、作り上げてきた平和と非暴力の文化の象徴と言える。

② 輪中水田の多面的機能の調査・普及

木曽三川の氾濫原に作られた西濃輪中群の水田には、多様かつ持続的な機能があると考えられる。

本校では、輪中水田の持つ「流域防災機能」、「氾濫原生態系の保全機能」「水資源の涵養機能」「環境配慮型農業」「外来生物の管理と活用」について岐阜大学、JAにしみのと連携し調査を進めるとともに、地域の小中学校への出前授業を通して普及・啓発することで、持続可能な社会を担う人材育成を目指した。

③「農業・文化遺産」西濃輪中群

先述の通り、西濃の輪中群は、独特の地形により生み出された地政学的価値、先人の努力により築かれた歴史・文化的価値、稲作を中心に保全された生物・生態学的価値を有し、後世に引き継がれるべき「遺産」と考えられる。それらの調査をもとに、ふるさと学習、地域探求学習、資源活用等、小中高それぞれのカリキュラムで利用可能な教材を作成した。今後はそれらを活用し、輪中の保全・活用に携わる人材育成を進め、西濃輪中群の農業・文化遺産としての登録を目指す。

来年度の活動計画

① 持続的可能な輪中農業の推進
レンゲ米ハツシモ栽培調査による有機農業の推進
水田用水路の希少魚類の生態調査

② 普及・育成
田んぼの生きもの調査と地域のこどもたちによる水田生物のモニタリング調査
地域資源「輪中」「ハツシモ」の持続可能性出前授業
ビオトープ管理士、岐阜県自然工法管理士の育成

③ 外来生物対策
アメリカザリガニ、ミシシッピアカミミガメ、スクミリンゴガイ、ブルーギルの駆除と加工商品化

過去の活動報告