• ながのけんなかのにしこうとうがっこう
  • 長野県中野西高等学校

  • Nagano Prefecture Nakano Nishi High School
  • 種別 地区
  • 主な活動分野生物多様性, 減災・防災, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 健康, 食育, 貧困, エコパーク

所在地 〒383-8511 長野県中野市西条544−1
電話番号 0269-22-7611
ホームページ https://www.nagano-c.ed.jp/inuwashi/index.html
加盟年 2015

2023年度活動報告

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, 貧困, エコパーク

本校は「教育基本法の精神に則り、平和的な国家・社会の有為な形成者を育成し、敬と愛と信に満ちた学園を創る。」という学校目標のもと、ユネスコスクールとしてESD活動を生徒育成の重要な柱として位置づけ、持続可能な社会の構築に向けて、現代社会の諸問題を自分事とし、主体的に身近な課題から取り組んでいる。問題解決につながる新しい価値観や行動規範を身につける生徒の育成を目指している。生活のあらゆる場面の課題がESDにつながるという視点を重視し、学年・学級活動や学校行事、生徒会活動・クラブ活動など教育活動全般を通じて問題意識を高めており、これらの知識を進路選択に生かす生徒も増えてきている。地域との連携・協働もESDには欠かせないが、長年のユネスコスクールとしての取り組みが広く地域に認知され、従来から継続している活動に加え、多くの外部団体から連携・協働の依頼があり、生徒たちが積極的に参加する姿が見られる。

【ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野における活動】
①地球市民および平和と非暴力の文化
・トルコ・シリア地震救援金募金を実施し、被害に遭われた方々を支援する活動を通して、自分にもできることを考えた。
・ユネスコ世界寺子屋運動として書き損じハガキを回収し、アジアの子どもたちの教育支援に貢献した。
・地元(中野市)から満蒙開拓団として満州に渡った過去を学び、生徒会執行部が代表として市内で行われた慰霊祭に参加し平和を願った。
・カカオ豆農家における児童労働についてドキュメンタリー映画を見て学び、生徒会活動としてフェアトレードチョコレートを販売し理解を深めた。

②持続可能な開発および持続可能なライフスタイル
・国際理解の授業において、水問題をテーマに世界7か国について水問題を調べ、模擬国連を実施した。課題解決型学習を通して、先進国であっても異なる水問題があることや先進技術を知ることができた。また、英語探究の授業ではSDGsを題材にした教材を使用し、女性の雇用問題やプラスチック汚染など幅広いテーマを学習し、その課題における企業の取り組みについて知り自分の考えを述べた。
・コーヒー豆のフェアトレードについて学び、本校オリジナルコーヒーを企業の協力を得て企画・販売し、児童労働や公平な貿易についての理解を深め、啓発活動を行っている。今年度は地域の方々との交流会を企画し、コーヒーを通して学ぶフェアトレード学習会を実施した。コーヒーに興味のある多様な世代の人達と関わることで、高校生が気付いていない地域の課題や新しい発見が多くあった。
・「総合的な探究の時間」での学びとユネスコスクールとしての取り組みを連動させ実践している。1学年では2年次の研修旅行における行先候補を自らプランニングすることを通して、各自の候補地におけるSDGsとの関りを調査探究し、発表することを通して離れた地域の課題にも目を向けるきっかけとなった。
各種ボランティア活動、地域との連携
・サマーチャレンジボランティア(市内の社会福祉協議会の事業所でのボランティア)参加
・志賀高原湿原再生ボランティア
志賀高原の湿原に生えた葦を撤去および分別する作業に参加。撤去された葦を使って、脱プラスチックとして珈琲イベントで使用するストローの制作に試み探究活動を行った。
・志賀高原東館山での山小屋環境整備活動
県内外からの登山客らの登山が快適なものとなるよう、標高2300mの岩菅山頂にて山小屋の修繕・整備を実施。暖をとるための薪運び、トイレ清掃等も行った。今年度は昨年度の活動に加えて看板の設置も行った。
・山ノ内町志賀高原での植樹活動「ABMORI」では、本校生が植樹リーダーとして参加。また、植樹後のモニタリング調査を継続して担当しており、志賀高原の植生への理解を深めるとともに、9年分のモニタリングの学術データを分析し発表。国立公園における大規模植樹活動という例にない活動を通して、地球温暖化や森林再生に貢献している。
・学校創立以来の伝統行事クリーン・オリエンテーリング(COL:ゴミを収集しながら市内を周り、地域の歴史や文化を学ぶ活動)では、中野市の協力を得ながら、地域の環境美化に貢献している。

③異文化学習および文化の多様性と文化遺産の尊重
・香港・台湾の高校生と交流を行い、互いの友好関係を高め、相手の文化や自国の日本文化に対する理解を深めることができた。
・ユネスコウィークを設定し、教科横断授業を通して新たな視点を持ち、持続可能な社会にするために必要となる知識や考え方を学んだ。

来年度の活動計画

本校のユネスコスクールとしての活動が広く地域から認知されるようになり、生徒が様々な活動に参加している。今後も環境保全の大切さへの理解を深めるための環境保護教育活動には積極的に参加していく予定である。また地元行政との地域協働活動にもボランティアスタッフや企画運営スタッフとして関わり、生徒の主体的な成長を促していきたい。校内においては、「総合的な探究の時間」でのグループ探究活動の成果について全校および地域の方々へ発表会を行い、生徒の考えや活動を校内外に発信、探究活動で学んだ課題や知見を広めたい。また、高大連携による講演会や特別講座を通してユネスコスクールとしての理念やESDに対する理解を一層深めたい。今年度、実際に現地に出向いての活動を通して発見したことを土台にした「実のある」探究活動を展開する取り組みが増えたが、それらがさらに継続発展するように支援していく予定である。また、新たに国内外のユネスコスクールとの連携を図り、相互交流による意見交換などを通して活動を発展させていきたいと考える。
生徒のESD活動を通じて芽生えた問題意識を効果的に進路や将来につなげていくことができるようにするための生徒育成プログラムの導入等、新たな体制づくりについても検討し、より発展的な取り組みを行っていきたい。

過去の活動報告