2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 減災・防災, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 食育, 貧困, エコパーク

本校は「教育基本法の精神に則り、平和的な国家・社会の有為な形成者を育成し、敬と愛と信とに満ちた学園を創る」を学校目標としている。ESDの実践を通して、生徒の人間性やコミュニケーション能力を磨き、「自ら問題意識を持ち、行動できる」生徒を育てること、地域社会や国際社会に目を向け、学校の中にとどまらない幅広い視点で活動をすることによって、生徒の社会性・国際性を養うことを教育目標としている。

具体的には、ユネスコスクールとしての活動を「総合的な探究の時間」に位置付け、全校生徒が5つのグループ(A「環境・自然・科学」、B「イベント・暮らし」、C「健康・衛生・福祉」、D「国際・政治経済・異文化理解」、E「地方自治・防災・平和・地域史」)に分かれ、関連する課題を探究するとともに、特色ある「体験的学習」に取り組んでいる。この他にも全校参加のクリーン・オリエンテーリング(COL:中野市内をゴミ収集しながら、地域の歴史や文化を学ぶ活動)を創立以来継続して行い、地域の環境美化に貢献している。

Aグループ

例年、学校近くを流れるホタル川の環境整備と生息地を守る活動、山ノ内町志賀高原での植樹活動「AMMORI」と植樹後のモニタリング調査を継続して行っているが、感染症拡大のため「ABMORI」のみの実施となった。

Bグループ

中野市一本木のバラ公園で行われる「バラ祭り」のイベント企画と運営の補助、バラの手入れや中野市を活性化するための新たなイベントに参加した。例年中野市の文化振興イベント「信州なかの音楽祭」や幼稚園や福祉施設と連携し、幼児教育や子育て支援に関わる実践に参加しているが、感染症拡大のため実施できなかった。

Cグループ

市の機関や社会福祉協議会等と連携し地域の医療、福祉の課題(認知症や感染症予防、医療制度など)について探究し、校内外に発信している。地域の総合病院と連携し、生徒が主体的に行う県内高校生対象の「医療人セミナー」実施を計画していたが、感染症拡大のため実施できなかった。

Dグループ

チョコレートやコーヒーを通して経済格差や児童労働、貧困の解消について探究している。コーヒーについては豆の「フェアトレード」について学び、その豆を使った本校オリジナルコーヒーを企業の協力を得て開発・販売し、児童労働や公平な貿易についての理解を深めた。また開発したコーヒーは地域のイベントで販売することで、啓発活動としても意義あるものとなっている。

Eグループ

例年、地元から満州に渡った開拓団について学び、平和について考えているが、慰霊祭が急きょ感染症拡大で中止となり、十分な活動ができなかった。また水害や豪雪に関わるボランティア活動を行い、地域に貢献している。今年度から中野市と連携し、市政ワークショップなどで中野市についての研究活動にも参加している。

来年度の活動計画

環境保護教育においては例年行っている活動については定着してきており、引き続き環境保全の大切さへの理解を深めながら参加していく予定である。また地元関係者との地域協働活動においてもボランティアスタッフ・企画運営スタッフ・高校生研究員として継続して関わっていく予定である。フェアトレードコーヒーの活動については有志の輪を広げながら、生産国の情勢を学び、原産地への協力・支援ができるつながりを持ちたいと考えている。

校内においては、全校発表会を行い、各グループの活動を校内外に発信する予定である。また、年1回「ユネスコウィーク」を設定し、教科横断型のコラボ授業や特別講座を通してユネスコスクールとしての理念やSDGsに対する理解を深めたい。今年度は新型コロナウイルス感染症拡大で、地域のイベントが中止になり、ボランティア活動全般にも支障をきたしたが、来年度は実際の活動を通して発見したことを土台にした「実のある」探究活動を展開していきたい。また、国内外のユネスコスクールとの連携を図り、相互交流による意見交換などを通して活動を発展させたい。

「総合的な探究の時間」を今年度以上に有効活用し、これまで蓄積してきたプログラムを継続しながら、全校生徒のユネスコ精神やESDに対する理解が一層深まるよう実践していきたい。