2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 環境, 国際理解, 平和, 人権, 持続可能な生産と消費, その他の関連分野

本校は「教育基本法の精神にのっとり、平和的な国家・社会の有為な形成者を育成し、敬と愛と信とに満ちた学園を創る」を学校目標としている。ESDの実践を通して、生徒の人間性やコミュニケーション能力を磨き、「自ら問題意識を持ち、行動できる」生徒を育てること、地域社会や国際社会に目を向け、学校の中にとどまらない幅広い視点で活動をすることによって、生徒の社会性・国際性を養うことを教育目標としている。

 具体的には、環境教育、異文化理解、地域連携を3つの柱とし、①地域の自然環境を保護する活動、全校での地域を学び地域の美化に努める学習、②国際理解を深める学習、③地域社会と協働した活動を中心に行っている。

①   地域の自然環境を保護する活動、地域を学び・地域の美化に努める活動

 学校近くを流れるホタル川の環境整備と生息地を守る活動、中野市バラ公園の手入れ、山ノ内町志賀高原での植樹活動「ABMORI」と植樹後のモニタリング調査を継続して行っている。特に今年度は「志賀高原学習プログラム」を企画し、認定ガイドの方からユネスコエコパークについて学び、トレッキングによる野外学習を行った。また、全校参加のクリーン・オリエンテーリング(COL:中野市内をゴミ収集しながら、地域の歴史や文化を学ぶ活動)は、創立以来行われている伝統行事である。本年は、拾った空き缶やペットボトルの位置を示した「中野市ごみマップ」を作成し、地理の授業の教材とした。

②   国際理解を深める活動

 アメリカや台湾からの学校訪問団を受入れ、日本や長野県の風土・文化を紹介することにより、異文化交流の大切さを知る機会としている。

 例年のチョコレートのフェアトレード学習・販売活動に加え、昨年度からコーヒー豆のフェアトレードについて学び、その豆を使った本校オリジナルコーヒーを開発・販売し、児童労働や公平な貿易についての理解を深めた。また開発したコーヒーは地域のイベントで販売することで、地域への啓発活動としても意義あるものとなった。姉妹校協定を結んだ台湾の高雄市前鎮高級中学が訪日し、1210日に学校交流を行った。

③   地域社会と協働した活動

 中野市内で行われている各種催事にボランティアスタッフとして関わっている。春と秋の「一本木公園バラ祭り」、夏の地元のお祭りや秋の食文化を広めるイベント「おごっそフェア」などで地域の一員として参加することにより、生徒自身が地域について知り、文化活動の担い手としての意識を高めている。今年度から中野市政策研究所と連携し、「高校生研究員」として中野市についての研究活動に協力している。

来年度の活動計画

環境保護教育においては例年行っている活動については定着してきており、引き続き環境保全の大切さへの理解を深めながら参加していく予定である。また地元関係者との地域協働活動においてもボランティアスタッフ・企画運営スタッフ・高校生研究員として継続して関わっていく予定である。フェアトレードコーヒーの活動については有志の輪を広げながら、生産国の情勢を学び、原産地への協力・支援ができる繋がりを持ちたいと考えている。

 校内においては、ユネスコウィークでの生徒全員がユネスコについてより理解を深めるための「ユネスコ検定」の実施や生徒の関心を高めるような教科横断型授業やワークショップ型の学びなど学んだことを生徒から生徒へ発信できるよう発表の機会を多く設けたい。来年度からは「総合的な探究(学習)の時間」が全学年で授業時間内に組み込まれることにより、これまで蓄積してきたプログラムを継続しながら、全校にユネスコの精神やESDへの理解が一層充実できるよう計画していく。