2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 減災・防災, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, 貧困, エコパーク

本校は「教育基本法の精神に則り、平和的な国家・社会の有為な形成者を育成し、敬と愛と信に満ちた学園を創る。」という学校目標のもと、ユネスコスクールとしてESD活動を生徒育成の重要な柱として位置づけ、持続可能な社会の構築に向けて、現代社会の諸問題を自らの問題として捉え、主体的に身近なところから取り組んでいる。そして問題解決につながる新しい価値観や行動規範を身につける生徒の育成を目指している。その中で生活のあらゆる場面の課題がESDにつながるという視点を重視し、学年・学級活動や学校行事、生徒会活動・クラブ活動など教育活動全般を通じて問題意識を高めており、これらの知識を進路選択に生かす生徒も増えてきている。地域との連携・協働もESDには欠かせないが、長年のユネスコスクールとしての取り組みが広く地域に認知され、従来から継続している活動に加え、多くの外部団体から連携・協働の依頼があり、生徒たちが積極的に参加する姿が見られる。
①学年・学級活動
「総合的な探究の時間」での学びとユネスコスクールとしての取り組みを連動させ実践している。1学年では身近な環境を見直すことから始め、環境整備に取り組んだ。2学年ではグループごとの探究テーマに沿った探究活動を進めているが、新たな実践として「地場産業における気候変動の影響」をテーマに気候と発酵食品(味噌)について調査研究し発表した。
②学習活動
3年生の「時事英語」の授業では、ウクライナ人やロシア人へのオンラインでの直接的なインタビューを通して、国際情勢をより身近なものとして理解した。また、「異文化理解」の授業では、日本文化の紹介ビデオを作成し11月に台湾の高校生とのオンライン交流を行い、互いの友好関係を高め、台湾文化や自国の日本文化に対する理解を深めることができた。
③生徒会活動
「あいさつ運動」・「募金活動」や各種ボランティア活動への参加により他者理解を深め、より良い社会とはどうあるべきかを考えることができた。
④ボランティア活動、地域との連携
・サマーチャレンジボランティア(市内の社会福祉協議会の事業所でのボランティア)参加
・志賀高原湿原再生ボランティア
志賀高原の湿原に生えた葦を撤去および分別する作業に参加。撤去された葦の量は軽トラックで32回運搬分にもなり、葦は紙として再生利用される予定。
・古着販売ボランティア
県内大学生が運営する持続可能な古着屋(一人一人の服に込められたストーリーを聞いて次の人に販売する)において、洋服の回収、仕分け、販売のボランティア活動に参加。
・志賀高原東館山での山小屋環境整備活動
県内外からの登山客らの登山が快適なものとなるよう、標高2300mの岩菅山頂にて山小屋の修繕・整備を実施。暖をとるための薪運び、トイレ清掃等も行った。
・中野市一本木公園「バラ祭り」支援ボランティア
イベント企画と運営補助及びバラの維持管理のための冬囲いに参加
・こどもSDGsスタンプラリーボランティア
地元の子どもたちが、SDGsについて考え、体験するイベントをサポート。
⑤ABMORI
山ノ内町志賀高原での植樹活動「ABMORI」では、本校生が植樹リーダーとして参加。また、植樹後のモニタリング調査を継続して担当しており、志賀高原の植生への理解を深めるとともに、貴重な学術データの蓄積に貢献している。
⑥ESD珈琲クラブ活動
コーヒー豆のフェアトレードについて学び、本校オリジナルコーヒーを企業の協力を得て企画・販売している。児童労働や公平な貿易についての理解を深め、啓発活動を行っている。
⑦学校行事
創立以来の伝統行事クリーン・オリエンテーリング(COL:ゴミを収集しながら市内を周り、地域の歴史や文化を学ぶ活動)では、中野市の協力を得ながら、地域の環境美化に貢献している。

来年度の活動計画

本校のユネスコスクールとしての活動が広く地域から認知されるようになり、生徒が様々な活動に参加している。今後も環境保全の大切さへの理解を深めるための環境保護教育活動には積極的に参加していく予定である。また地元行政との地域協働活動にもボランティアスタッフや企画運営スタッフとして関わり、生徒の主体的な成長を促していきたい。
校内においては、「総合的な探究の時間」でのグループ探究活動の成果について全校発表会を行い、生徒の考えや活動を校内外に発信していきたい。また、高大連携による講演会や特別講座を通してユネスコスクールとしての理念やESDに対する理解を一層深めたい。今年度、実際に現地に出向いての活動を通して発見したことを土台にした「実のある」探究活動を展開する取り組みが増えたが、それらがさらに継続発展するように支援していく予定である。また、新たに国内外のユネスコスクールとの連携を図り、相互交流による意見交換などを通して活動を発展させていきたいと考える。
生徒のESD活動を通じて芽生えた問題意識を効果的に進路や将来につなげていくことができるようにするための生徒育成プログラムの導入等、新たな体制づくりについても検討し、より発展的な取り組みを行っていきたい。