- もみのきほいくえんながみね
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もみの木保育園長峰
- Mominoki Nursery School Nagamine
- 種別その他(例:認可保育所等) 地区関東地区
- 主な活動分野登録なし
所在地 | 〒206-0821 東京都稲城市長峰2-10 |
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電話番号 | 042-331-7505 |
ホームページ | http://www.mominoki.ed.jp/ |
加盟年 | 2012 |
2022年度活動報告
環境, 持続可能な生産と消費, 食育
○野菜を育てて得た、子どもたちの心
2歳児クラスでは、1年を通してきゅうり、じゃがいも、人参、大根を育てた。小さな苗や種芋を触ったり匂いを嗅いでみたり、じっくり観察するところから始まり、どうしたら大きくなるか子どもたちと考え、育てる環境作りから一緒に行った。少しずつ大きくなっていく姿を見て、いつ食べられるかとワクワクする姿が見られたが、いざ収穫すると食べる事より『誰かに見せたい!』という気持ちの方が大きく、担任以外の保育士に見せに行ったり、他のクラスのお友達に見せたりし『収穫の喜びを共に分かち合う』ことの方が子どもたちにとって大きかったように感じた。それは毎日愛情を持ってお世話して育まれた心である。
収穫が終わり、どうしたいか子どもたちと話し合い、他クラスへプレゼントしたり、調理の先生に食べられるように頼みにいった。子どもたちは、ニコちゃんポテトとお星さまポテトを希望し、見事に再現されたポテトに子どもたちの目はとてもキラキラしていた。作ってくれた調理の先生への感謝の気持ちを込めて、直接「ありがとう」の気持ちを伝え、お手紙も送った。
嬉しいことだけではなく、困った事、寂しい気持ちなども素直にお友だちや保育士に話し、喜び合う姿や慰め合う姿が見られるようになった。また、散歩道を掃除している人に対して「ありがとう」と素直に言える子どもたちに育ちました。
○カブトムシやクワガタを育てて学んだこと
夏の時期にカブトムシやクワガタを捕まえたり育てたりした家庭から譲り受けた。
子どもたちと育てるかどうかを相談して、クラスで育てる事を決めた。
毎日ゼリーをあげたり、霧吹きをして湿度を保つなど意欲的に飼育に励んだ。
世話をする中で意識したことは、子どもと一緒になって世話をする事、最初から教えてしまうのではなく、何を食べるのか、育てるにはどうしたらよいのか、なんていう種類なのかなど子どもに問いかけ、考える時間を設けるようにした。
設置場所は子どもの目の届く場所に置き、いつでも見たり触ったりすることが出来るようにした。 そのほかゼリーやクワガタのマット、霧吹きなども子どもの手の届き場所に置き、子どもたちが自分で気付いて取り組めるような環境に留意した。
子どもたちとカブトムシやクワガタのお家を作る事を決め、どのようなものにするかを保育士を交えて決定した、 「カブトムシハウス」と名前を付けて、身近な自然物を使って組み立ててみた。上手くいかず、飼育するための入れ物にはならなかったが、それを用いて生き物コーナーの四隅に設置した。 子どもたちも自分たちで作ったことや達成感から更に愛着がわき、大切に育てる気持ちが育っている。
狙いは、子ども自身のやりたい気持ちを尊重し、育て世話をする楽しさを感じられるようにするため、また、命やその強さや儚さをダイレクトに自分の目や肌で感じてもらう事だ。
一方、虫が大好きな気持ちから触りすぎたり落としたりしてしまったこともあり
暫くして数匹のカブトムシが死んでしまった。 クラスでどうして死んでしまったのかを
話し、どうするのが良いかを話した。その後カブトムシの追悼式を行い、
最後に「大好きだよ。ばいばい」と声を掛けて慈しむ姿があった。
(育みたい力)
命の儚さや大切さ、扱い方を知る。
日々自分たちで世話をする中で愛着を持って大切に思う気持ち
○幼虫が成虫になる感動
ニジイロクワガタとオオクワガタの幼虫を譲ってくれた家庭があり、前回と同様子どもたちとどうするかを話し、育てることの責任を伝え、それでも育てたいかを問いた。話し合いの結果育てることに決めた。
入れ物の中で動いたりしながらクワガタの成長を楽しみに待った。 時々入れ物を身に来たり、覗いたり蓋を開けたりしていた。 クワガタがある日動き出し、
成虫になった。 その変化に驚きじっと観察したり、成虫になってからは外に出すなどしていた。 散歩先でもクワガタにあげるものを見つけて持ち帰ることが多くあり、虫への愛が深まっている。その間他の虫への興味もわいて、クラスの図鑑を良く見ている子どもが増えていた。実際に目の前にカブトムシやクワガタを置いて、じっと観察をしてスケッチする活動も行った。 絵やイラストを見て描くのではなく、実際に本物を目の前にすることで細かい色味や虫の足や毛など小さなところも表現していた。 他にも散歩先で捕まえたバッタや虫を観察し、図鑑で同じ種類を見つけていた。しかし秋から冬になると虫の出現は減り、子どもの興味も薄れていったように感じる
そして夏の間は元気に活動していたクワガタやカブトムシであったが、夏が終わり多くの数が死んでしまった。多くの子どもがクワガタやカブトムシへの興味が薄れてしまっていたが、生き残った2匹のクワガタをお世話する子どもの姿があった。
毎日生きているか確認をし、ゼリーがなくなれば補充をしていた。変わらずにお世話を続ける姿を見て数人の子どもは興味を示し、ゼリーをあげたいと声をあげていた。
環境の配慮点は 前回と変わらず生き物コーナーを設置し、いつでも自由に見れるようにしていた。
複数の虫かごを用意し、好きな時に虫かごを散歩先へ持っていき、自由に観察をしたり育てたりすることが出来るようにしていた。
虫に関する図鑑なども置き、調べたり、図鑑にないことは子どもと一緒にiPadを開いて調べる等した。
(育みたい力)
生命力や世話をし続ける大切さを知る
世話をしたり、気にかけたりと継続する力
気になったことを追及したり調べたりする探求力や主体性
幼虫から成虫になる過程を経てその不思議さや生命の神秘的な力を感じる
性別関係なく虫に興味を持つ児が多く、身近な園庭などにもいることから子どもの興味関心がとても高かった。 調べることが出来る環境や、じっくりと観察することが出来ることで、更に好きになり、追及する姿が良く見られた。 現在クラスにカブトムシやクワガタの幼虫が冬眠しており、次年度でも一緒に育てられるようにしている。年度で区切らず、季節を超えて、クラスを超えて命に触れて学び育て続けられるようにしていきたい。その中で子どもの愛着や大切に思う気持ちが育まれていると考える。更に深く探求できるよう、引き続き来年度も同様のテーマで身近な生き物に触れる活動をしていく。