2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, エネルギー, 環境, 平和, 人権, 食育

本園では、ユネスコスクールの活動を主に全人教育における労作活動の中に位置づけている。具体的には「花や野菜の栽培」「地域の自然との関わり」「アヒルと熱帯魚の飼育」「腐葉土作り」が挙げられる。

花や野菜の栽培
 春と秋には、全クラスで様々な花と野菜の栽培をおこなった。
 2歳児クラスでは、夏のスイカ割りの活動をきっかけに子どもが興味を抱いたことから、スイカの種を11粒ずつプラスチックカップに入れて栽培を試みた。小さな種が大きなスイカへ成長する過程を見ることをねらいとし、図鑑や絵本等も使用しながら成長を見守った。「〇〇ちゃんの芽が出てる!」「絵本と同じだ」等、自分のものだけでなく友だちのものも気に掛けたり目前の芽と絵本の芽とを比較したりする姿が見られた。結果的に実がなる前に枯れてしまったが、その後も子どもの興味は続き、給食で出たグレープフルーツの種を新たに栽培することとなった。植物の命のサイクルを実体験として学ぶことができ、他への探究心が育まれる良い活動となった。


地域の自然との関わり
 自分たちが暮らしている地域の自然に興味を持つ、大切に守っていく、という長期的な目標を持ち自然と関わる活動を積極的に取り入れるようにしている。
 今年度は園庭のカリンの実がよく育った。0歳児から5歳児まで、子どもが見つけて手に取り感触や香りを感じることができた。5歳児クラスでは保育士と一緒に収穫をし、植物の実りに喜びを感じる体験ができた。収穫した実は、保護者が自由に持ち帰れるようレシピと併せて提供したり、職員がジュースにして休憩時間に楽しんだりした。子どもだけでなく保護者や職員も身の回りの自然について知る良いきっかけとなり、他にどのような自然があるのか、守っていくためにはどうすればよいか等、今後の課題へと繋がる活動となった。

アヒルと熱帯魚の飼育
 本園ではアヒルと熱帯魚を飼育している。特にアヒルは子どもたちが登降園時や園庭遊びの際に興味を持ち、観察する対象となっている。
 今年度1羽のアヒルが足を怪我してしまい、飼育場所を分けるとその変化に気付いて保育士に尋ねる子どもが多かった。手当てする様子を近くで見守り、動物も自分と同じように病気や怪我をすることを知り、命の大切さを考えるきっかけとなった。また、身近な動物に関心を持ち心配する、子どもたちの心の育ちを感じた。

腐葉土作り
 園庭の落ち葉を掃き集めた際はゴミとして出すのではなく、日が当たらない湿った土の上に重ねて溜めるようにしている。落ち葉掃きはよく子どもと一緒におこなうが、落ち葉が徐々に土に混ざっていき植物が育つために必要な栄養に変化することを伝えている。ゴミと思えるものでも有効活用できるということをわかりやすくイメージし、自然界のサイクルを知ることへと繋がっている。

来年度の活動計画

「植物の栽培」「地域の自然との関わり」「アヒルと熱帯魚の飼育」「腐葉土作り」等、今年度におこなった活動から得た課題を明確にして次年度も継続していくとともに、子どもたちが更に主体的に参加、体験ができる工夫をおこなう。中でも、自然豊かな地域性を生かして地域独自の自然に目を向け、近隣の散歩先にある自然や生き物について子ども自身が探求できる活動に取り組んでいく。