• みえちゅうがっこう・こうとうがっこう
  • 三重中学校・高等学校

  • Mie Junior and Senior High School
  • 種別 地区
  • 主な活動分野環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解

所在地 〒515-8533 三重県松阪市久保町1232
電話番号 0598-29-2959
ホームページ https://www.mie-mie-h.ed.jp/
加盟年 2017

2023年度活動報告

活動分野

海洋, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解

本校のESDの理念に基づく取り組みは2018年より始まり、ESDをキャリア教育の実践としてとらえ、資質や能力の向上をおこなっている。「地域探究」を柱として探究のプログラムを形成し、生徒自身が地域のことを深く理解するとともに、自分事とすることを目標としている。地域社会を考え、社会に対して「貢献」する精神を養うことを期待し、「貢献」する範囲を個人から周囲へ、地域から世界へと広げていくことを目指している

〇地域の文化財を知る学習
Ⅰ.松阪の伝統工芸品「松阪もめん」をテーマにした総合学習
(1)まつたん(松阪探訪)
中学1年生が、5月に「松阪もめん手織りセンター」「豪商のまち松阪観光交流センター」「旧長谷川治郎兵衛家」を訪問し、地元松阪について理解を深めた。観光交流センターと旧長谷川家では、松阪の歴史・文化について学習するとともに、文化財に触れ、最新の観光情報も見ながら学んだ。もめん手織りセンターでは、洋服の松阪もめんを試着し、機織り体験も行った。また、夏季課題で、「松阪新聞」を課し、「まつたん」で学んだ内容をまとめるとともに、各自の関心で調べ学習を行った。なお、松阪新聞は松阪偉人顕彰団体協議会主催の松阪偉人展で展示も行った。


(2)松阪もめん和装体験
中学2年生が、10月に家庭科特別授業で松阪もめんの和装を体験した。地元呉服屋さん協力のもと、着つけの先生を多数呼んで頂き、クラスごとに実施し、学年全員が松阪もめんの和装を体験した。日本伝統の和装を学ぶとともに、地元にもその伝統があることを体感した。

(3)松阪もめん物語への参加
中学生・高校生から総勢約70名の生徒が、11月に松阪中心市街地で行われた松阪もめん物語に、部活・ボランティア等で運営に参加し、たくさんの企画を担当した。科学技術部は「貝ともめんのワークショップ」を開き、松阪木綿についてのポスター展示、生徒会と有志はボランティアとして道案内を担当、中1学年のまつたん・松阪新聞の展示も行われた。、高校と中学の有志生徒が地域の方とコラボし、糸紡ぎ体験を行った。地域との交流はもちろん、学習の発表の場、学んだことを伝える活動の場にもなっている。


Ⅱ.斎宮の文化についての学習会
(1)斎宮歴史博物館屏風体験
中学3年生が、4月に斎宮歴史博物館を訪問し、屏風体験と館内見学を行った。この学習を活かし、生徒会が全校生徒に呼びかけて「三重中年中行事絵巻図屏風」を作成した。学校行事をテーマに全学年から寄せられた多数の絵を一枚の屏風にまとめたもので、文化祭で展示をした。


(2)三重中年中行事絵巻図屏風出前授業
12月には斎宮歴史博物館の学芸員さんにお越しいただき、「絵巻物」の出前授業を行った。学芸員の人たちがやっている事と同じ作法で絵巻物を扱うなど、文化財に触れるとともに、学芸員という仕事にも触れる機会となった。

〇環境教育

・中学2年生が、松名瀬干潟で海の環境学習を行った。研究者や漁業者,県の研究者・職員,自然観察の専門家,地元自治 会,地元ボランティアの方からそれぞれの立場に立ち、持続可能な海の活用について授業を展開していただいた。

・中学2年生が、長野県の蓼科にて山の環境学習を行った。植生・遷移・環境保護について、散策しながら2日間解説をす る。八島湿原について、昨年度との比較をしながら、植生がどのように進んでいくのかを学んだ。

・高校1年生が、探究の授業で「地域の自然」をテーマにし、地域の自然について調べ、アンケート調査を行い、地元の自然保護の意識調査や環境の保全のための課題と解決策について探究し、ポスターセッションを行った。

・科学技術部が、第15回まつさか環境フェアinベルファームにブースを出展をし、「貝のキーホルダー制作体験とタッチプール」をテーマとした。貝のキーホルダーは松名瀬で取れた貝殻に穴をあけて,もめんセンターさんから頂いた松阪もめんを貼り付けて制作。松名瀬の豊かな自然と松阪らしさを感じられるワークショップとなりました。タッチプールでは松名瀬の潟湖干潟と前浜干潟を再現。潮の関係で生き物は当日採集したものです。生き物が届く前からタッチプールは大人気で,土の中にいた小さなカワザンショウ類を探す児童たちの楽しそうな姿が印象的であった。

・科学技術部を中心に、TOYOTA SOCIAL FES!! 2023 in 松名瀬に参加した。運営の中心として科学技術部がはたらき、一般生徒も生徒会を通じて多数参加した。三重大学北勢サテライト「SDGs研究会」と三重中学校・高等学校が主催で行った清掃活動と環境学習が同時にできるイベントとなった。科学技術部は環境学習を担当。「ウミニナ類の浄化実験」「ビーチコーミング」「潟湖干潟の生き物採集」に加えて,今年度は新しく「海浜植物」の講座を実施,講座を通して,多くの方々に松名瀬干潟の大切さ,生物多様性を感じていただいた。

〇SDGs学習会

中高生徒会が自主的に企画・運営・参加者募集をし、実施した。河田フェザー(株)SDGs推進室室長の黒田健様を講師に迎えて、企業として最前線でSDGsに取り組んでいる内容や実践を熱く語っていただいた。また、地域貢献活動を生徒会とは一緒に行っていおり、松阪マラソンでは「応援&清掃ウォーク」を企画され、中高生徒会も参加者を募集して参加した。

〇異文化理解・国際協力

・中学校2年生が、JICAなごや地球広場を訪問し、SDGs・国際協力についての体験プログラムと海外青年協力隊の活動についての講座を受講した。

・高校2年生で、『難民について知る』学習会を開きました。具体的なねらいとして、1. 難民が生まれる背景や難民を取り巻く状況について理解し、関心を持つこと。2. 日本に住む難民の人々の暮らしを知り、その立場を想像して自分ごととして捉えること。3. 日本社会における難民の受け入れについて考え、自分に何ができるのかを考えること。を設定し、生徒同士が対話しながら、学習プロセスで気づきや学びが生まれるように、参加型学習(アクティブ・ラーニング)形式で進めました。アクティビティの方法は、難民について知っていることや知りたいことを付箋紙にできるだけ多く書いて、書いたものを4つのカテゴリー「日本の難民」「世界の難民」「難民が生まれる背景」「難民支援」に分けて生徒同士で共有しました。難民についての問題や課題を整理することにより、難民問題の解決のためにどのようなことができるのかについて提案することができていました。

 

 

 

来年度の活動計画

中学校での松阪木綿を軸とした文化財教育、海・山をテーマとした環境教育を通年の計画として保持しながら、高校での探究活動で地元企業とのSDGsについての実践を増やしていく。また、生徒会を中心にプロジェクト型で多くの企画が行われているため、それを支援する形で、各プロジェクトや活動が有機的につながり、生徒の多くの学びへと還元するようにしていく予定である。

過去の活動報告