2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, エネルギー, 環境, エコパーク

本校の取り組みは、授業および課外活動で実施しており、2005年からの「国連持続可能な開発のための教育の10年(ESD)」や2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ 持続可能な開発目標(SDGs)」を踏まえ、生徒が主体となって、教員が助言者・指導者として関わり実践している。また、現行の中学校の学習指導要領に今回から記載された、「外部連携」を実践し、大学・行政・地域・いろいろなボランティアと中・高共に学校独自に連携するなど精力的に取り組みを行っている。その連携に関しては、生徒が教えてもらい実践するといった受動的な活動だけではなく、連携から自分たちで組み、連携してくださる方々と双方向に議論を行い、現状のみならず未来を見据えて考える場を設定するようにしている。その中で、生徒自身が講師となり、活動することが、教育的に効果があることが、自校の研究により分かってきたため、地元の小・中・高・大学生や大人の方々に指導者・助言者として環境教育を企画・運営するなど、多種多彩に工夫を行い実践している。また、外部連携がキャリア教育の良い機会になると考え、いろいろな職業の方々と交流することを実践している。

中学
*1年生全員が『海の環境学習』6月22日(金)1日間を使って、松名瀬干潟で海の環境学習を行った。(三重大学・三重県・松阪漁協・ざっこclub・自治会等)
*2年生全員が『森の環境学習』7月24日(火)~26日(木)を使って、長野県の蓼科・愛知県東京大学森林水文学研究所にて夏季合宿を実施した。また、11月6日・21日の2日間を使って、緑のダム効果の探究学習を実施した。(東京大学・上越教育大学・森林総研等)
*3年生『エネルギー環境教育』①放射線学習:全員対象に2月に、専門家を招聘し、実施予定。(中原懇)②高レベル放射性廃棄物の処分問題:全員対象に6月に実施した。10時限を使って教員が実施をした。(三重大学)③交流の学習:全員を対象に、南勢変電所の見学も含めて2月に実施予定である。(中部電力)

高校
*4年生(高校1年生)全員が『秋の遠足』10月30日(火)を中心に、1年間を使って、地元の旧宮川村(ユネスコエコパーク)の地域創生活動を実施している。

その他の主な活動
*地元松阪市の生んだ偉人、松浦武四郎の生誕200周年ということで、様々なイベントが開催されるのにあわせて、松浦武四郎の生き方を学び、多様な人々が共生できる社会や持続可能な産業のありかたを考えてゆく取り組みとして、従来から実施してきた授業や行事と関連させて中1から3年間で実施する活動を実施した。
*生徒自身が中心となって行う自治活動として、翠巒祭(学園祭)の「ごみを減らすキャンペーン」「ごみ拾い・片づけを行う」を実施した。
*松名瀬干潟の海岸清掃(トヨタソーシャルフェス)を三重大学環境ISO学生委員会に協力し、主催者として実施した。
*部活動として科学技術部(部員45名)が、三重大学木村教授の指導を受け、8年前より松名瀬海岸において環境省のモニタリング1000調査の関連として、継続的な干潟の生物調査、アサリの生育調査などを行なっている。また、人工林の荒廃の問題にも取り組んでいる。

来年度の活動計画

次年度は、今まで行事などで総合的な学習の多くの時間を利用していたものを、新学習指導要領の前倒しとして、総合的な探求の時間として組み替える計画を立てている。その時間も活用して、実施していきたい。その際には、形式ばったものにするのではなく、自由度をもって、生徒および教員が試行錯誤する場面を多くとりたいと考えている。また、教員の授業、生徒会活動や松名瀬海岸の清掃活動等は学校全体で取り組んでいるが、遠足などの取り組みは、一部のコースで先行的に行っている。今後は広げていきたい。また、遠足に関しては、生徒が次年度に後輩を指導して継続するシステムを作るべく現在教員・生徒と議論しており、持続可能にしていきたい。