2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 環境, 文化多様性, 国際理解, 人権

本校のESDの理念に基づく取り組みは、NPO法人日本持続発展教育推進フォーラムより第9回ESD大賞ベスト・アクティビティ賞を受賞した2018年を元年とし、学校内で行っている様々な取り組みをESDという視点からとらえ直し、持続可能な社会の構築に向けて教育活動を実践している。現在、中高のカリキュラムは探究を中核として構成をしており、ESDをキャリア教育の実践としてとらえ、資質や能力の向上をおこなっている。また探究においては、「地域探究」を柱として本校の多様なプログラムを有機的に結びつけることで、生徒自身が地域のことを深く理解するとともに、自分事とすることを目標としている。地域社会を考え、社会に対して「貢献」する精神を養うことを期待し、「貢献」する範囲を個人から周囲へ、地域から世界へと広げていくことを目指している。

 

〇ESDを実践するための「基礎的・汎用的能力」を育むカリキュラム

キャリア教育教材「ENAGEED」を活用し、中学1年生と2年生全員で総合的な学習の時間で取り組んだ。5月は4回の授業を通して「考え方」を学ぶ。自分の身の回りに疑問を持ち、課題を見つけ出すことが出題された。10月は3回の授業を通して「実行力」には、課題解決のための逆算思考や理想状況の作り方を自分の身の回りや地域の課題から考える方法論を学んだ。教材は「気づき」→「転化」→「共有」の3つのポイントで構成されており、主に問題発見・解決能力を鍛える教材の作りとなっている。生徒一人ひとりが、地域の課題について、グループで共通する課題・テーマを設定して、課題内容の把握から改善に向けた取組などについて、学びを深めた。

〇環境教育

中学2年生、高校1年生で段階的に環境教育を行っている。

『海の環境学習』

中学2年生が、松名瀬干潟で海の環境学習を行った。研究者や漁業者,県の研究者・職員,自然観察の専門家,地元自治会,地元ボランティアの方から解説をいただき,地元松名瀬海岸の素晴らしさを体感してもらうとともに,自然科学の観察の仕方,態度を学ぶことを目的としている。

『山の環境学習』

中学2年生が、長野県の蓼科にて山の環境学習を実施した。学年団に加え、理科教員がクラスに1人帯同し、植生・遷移・環境保護について、散策しながら2日間解説をする。八島湿原について、長年の変化についても触れ、人と自然とのかかわりについて考える体験となった。

『地域探究 松阪の自然の課題を考えよう』

高校1年生は地域探究を行っており、その1つのカテゴリーに「地域の自然」がある。3カ月かけて一から地域の自然について調べ、アンケート調査を行い、地元の自然保護の意識調査や環境の保全のための課題と解決策について探究し、ポスターセッションを行った。

〇異文化理解

『国際協力について』

中学校2年生がJICAなごや地球広場を訪問し、SDGs・国際協力についての体験プログラムと海外青年協力隊の活動についての講座を受講した。12月に冬休みの課題として、SDGsに関する調べ学習を行い、1月に「国際協力」・「多文化共生」に関する事前学習を学校で行い、2月に現地に訪問した。

来年度の活動計画

来年度は2022年度の内容に加え、ESDの理念に基づく取り組みの根本となった松坂木綿と地域との関わりや、松阪木綿の新たな活用を高校生の探究で取り入れる。また中学1年生において地域探究の基礎として松阪木綿についての体験学習を取り入れる。今年度実施できなかった中学3年生のエネルギー環境教育も復活する予定である。